インド食品店 The Bodhi Tree
一軒目は、インド食品店のThe Bodhi Tree。
そもそもこういうお店に来る日本人は何を買うのか
わたしの浅いイメージからすると、インドと言えばスパイスとチャイだ。店員さんに聞くと「スパイスと…チャイだね」。
インドの人は主食の豆と小麦粉が欠かせない
ならばインドの人はどうだろうかと聞くと「インドの人が一番よく買うのは豆だね、あと小麦粉」。どちらも欠かせない主食なのだそうだ。
小麦粉なんて日本でも売ってるじゃないかと思ったが、パッケージをよく見ると、WHOLE WHEAT FLOUR(全粒粉)と書かれている。インドでは精白された小麦粉よりも小麦の粒まるごとを挽いた全粒粉が主流なのだそうだ。
もっとみんなに食べてほしいのは…スナック!
なるほどなるほど、このお店にはインド料理を頻繁に作る人たちが集まるのだな。
最後に「もっと日本人に知ってほしい商品はありますか?」と聞くと「スナックだね!!」と食い気味に返ってきた。
どうやらふたりともインドのスナックがかなり好きらしい。「これがいちばんおいしい、まちがいない」と指したのはALOO BHUJIAと書かれたスナック。
…ポテコだ!これはポテコをベビースターの形にしてカリカリにした食べものだ。
シンプルな塩味にスパイスが効いていておいしい。しかも後味はミントが香り、油菓子なのに食べ終わると爽やかになるのが不思議だ。なんだこれは…つい、ざらざらとスプーンですくって食べてしまう。
それから、もうひとつ選ぶとしたらね…と吟味してくれたのがこちら。
「これはね…甘くてちょっと酸っぱくてしょっぱい…ひとつあげるから食べてみて!」と、おまけでいただいたKHATTA MEETHA、訳すと「酸っぱい・甘い」。味がそのまんま商品名になっているのか。
さっきのポテトヌードルに似たものの他、豆やポン菓子のような粒が混じっている。
……!!!スパイシーな酢飯だ……!甘じょっぱいのとすっぱいのとが混じり合った、絶妙な味。
ふかふか・サクサク・カリカリといろんな食感が混じって食べれば食べるほど癖になる、やさしいおやつだ。
中国・韓国・台湾食品店 満載物産
さて二軒目は、中国・韓国・台湾を中心に、東南アジアの品々も並ぶちょっと大きめのお店に行ってきた。
日本人はヌードル・ヌードル・ヌードル
このお店に来る日本人にはインスタント麺が人気だそうだ。
火もお湯も使わない火鍋とは、それいかに
では同郷の方々は何を買うかというと、最近は火鍋商品の売れ行きがいいらしい。
火鍋の調味料、レトルト火鍋、火鍋用の羊肉…火鍋商品が様々ある中で、なんと今、「火もお湯も使わない火鍋」が売れに売れているのだという。
パッケージには「いつでもどこでもお水だけでオッケー!」と書いてあるが、そんな気軽に食べられるものなのか、火鍋って。
蓋を開けてなるほど合点がいった。ホッカイロみたいな代物がデンと鎮座している。駅弁で売られている、紐を引っ張って温める弁当と同じ仕組みということだな。
すごいすごい、本当にいつでもどこでも水だけでオッケー!だ!!
輪切りのれんこん、山芋、芯についたままのとうもろこしに大きなきくらげとたけのこ、ごろごろほろほろの牛肉、スープを吸った春雨…、具も大きくて立派だ。登山のときなんかにも重宝するかもしれない。
日本と似てる、でもちょっと違うのがおいしい台湾のおやつ
一通り人気の商品を教えてもらったあと、店員さんに好きなおやつを聞いてみた。店員さんはエーッと困りつつも、これはわたしがいつも食べてる台湾のお菓子だけど…と、はにかみながら二つ教えてくれた。
まずひとつめは「檸檬夾心酥」。夾心酥は夾心(挟む)酥(サクサクした歯ざわり)でウエハースのことらしい。
義美は台湾の市場人気調査で7年連続1位に輝いたポピュラーなメーカーなのだそう。日本でいうブルボンみたいな立ち位置だろうか。
思っていたよりも甘さが控えめだ。甘みよりもレモンのほうが主張が強く、ウエハースのこのかわいらしい見た目と相まってキュンとする味。おいしい!
もうひとつ勧められたのが「原味蛋捲」。
四字熟語の力強さに一瞬たじろぐが、卵を使った薄焼き生地をくるっと巻いたお菓子だそう。つまりあれか、ヨックモックのシガールとかブルボンのルーベラの仲間だな?
これは…ヨックモックともルーベラとも似て非なる、繊細さと力強さを兼ね備えたうまい菓子だ!
生地が薄いから巻かれた層が多く、その分サクサクでほろほろで、それでいて卵の味が力強い。
正直に言うと、食べるまでは、もっと物珍しいものを教えてもらえば良かったなあなんて思っていた。
しかしこれは新たな楽しみ方ではないか。インド食品店では未知を知るという面白さがあったが、このふたつのおやつは既知の味と油断したところに微妙な違いがあり、それがまたおいしく、新鮮な驚きをもたらすのだ。
ベトナム食品店 AI MART
最後に訪れたのはベトナム食品店のAI MART。実はしょっちゅう通っている、わたしのお気に入りのお店だ。
ベトナム食品店でも日本人は麺を買う
エスニックなスープにてろんとしたフォー、カップうどんと同じ愛すべきチープ感。ビーフフォーは牛肉がゴロゴロ入っているのでなんとなくリッチな気分になれる。
ベトナムのおうちごはん味
「ちょうどさっき、ベトナムの人が買い物に来てくれてたんですよ」と、ベトナムの人がよく買う食材を教えてくれた。
見せてくれたのはBO(牛の)KHO(煮込み)。ベトナム風のビーフシチューのもとだそうで、こういうシーズニングはよく売れるという。
日本のチューブのじゃ、ベトナムの人はたりなーい!ですから!とお茶目に笑う店員さんが見せてくれたのは、夏におすすめの練乳ドリンクだ。
牛乳とヨーグルトと練乳を混ぜて、ジャックフルーツというフルーツを刻んで入れるんだそう。絶対やろう。
腰に来る濃厚さのドリアンパイ
最後に店員さんの推しおやつを聞いたら、愛重ためのメガトンパンチが繰り出された。
「ドリアンは食べられますか?もし、大丈夫だったらこれをぜひ食べてみてほしい」
「他のおやつと比べてちょっと高い、でもわたしたちはみんな買います。それぐらいすっごくおいしい!!」店員さんのキラキラした目も迫力がある。
なんか親しみのある見た目だと思ったら、シャトレーゼの田舎パイ、中村屋のうすあわせ、いわゆるパイ生地で餡を包んだ洋風和菓子の風体だ。
「トースターでちょっと焼くともっとおいしいです!」
店員さんの言うとおりにトースターで焼くと、しっとりしていた皮がサクサクに、そして餡がとろけてこれはおいしそうだ。
意を決して口に運ぶと、ドシン!4歳児の遠慮のないタックルのような、熱風が吹き付けるような、ドリアンの濃い香りと甘さが襲ってきた。おお、おお、これがドリアン……!!
とにかく濃い、眉間がびりびりしびれる甘さだ。パイ生地と一緒に食べると、バターの油分がドリアンを包みこんで少し食べやすい。
これはケの日よりはちょっと特別よりのお菓子という感じで、友達の家に遊びに行ってこれが出てきたら、おめーんち金持ちかよ!と興奮して鼻血を出すんじゃないかと思う。
好きなおやつの話が楽しかった
売れてるもの、単に人気なものよりも、店員さんの好きなおやつの話をしてもらっているときが楽しかった。みんなにこにこしてるし、推しへの熱を感じる。
もっとあちこちで聞いてみよう。
(取材協力)
The Bodhi Tree - Indian Grocery & Specialty Store
茨城県つくば市竹園 2丁目11-4 第2小竹園ビル B号室
満載物産
茨城県つくば市天久保2丁目15-2
AI MART
茨城県つくば市竹園2丁目4-1 Paseo Parke 102