雪どけゴミを探しはエロ本が見つけやすい
最後にこれはすごくどうでもいいけど落ちてたテレビのすぐそばにもエロ本があった。まさかの本日2冊目。
1日で2冊の落ちてるエロ本を見つけるなんて今どき結構珍しくない?雪どけゴミを探すとエロ本が見つかる。落ちてるエロ本コレクターがいれば、ぜひ参考にしてほしい。
4月ごろの北海道は外が汚れている。冬の間に雪の中へ捨てられたゴミたちが一斉に顔を出すからだ。タバコにペットボトル、空き缶にレジ袋など・・・ゴミが目立つこの時期は一年でもっとも観光に向かない季節とも言える。
そういえば、去年の同じ時期、夕方のニュースで気になる特集を見た。冬の間にマットレスだか布団だかが不法投棄され、雪どけとともに見つかり、問題になっているという。
不法投棄は歓迎されるべきものではないし、やっていい行為では決してない。
けど・・・雪の中から出てくるマットレスは超見たい…!!
※この記事は記事投稿コーナー「自由ポータルZ」にて開催した「春のライター通信講座2019」で制作した作品です。
雪のない地域にお住いの方には「雪の中からゴミが出てくる」という現象自体がピンとこないかもしれないので補足したい。
北海道では
①めっちゃ雪が降る
②めっちゃ雪が積もる
③誰かがポイ捨て・落し物をする
④雪の中にゴミ・落し物が埋まる
⑤埋もれすぎて冬の間に回収できない
⑥結果的に4月の雪解け時期、溜まりに溜まったゴミが表面化する
こうして「雪の中からゴミが出てくる」という現象が起きるのだ。毎年。
僕はこういう落とし物やゴミを「雪解けゴミ」と勝手に呼んでいる。
だいたい12月に雪が積もり始めて4月に雪が溶ける。なので、約4ヶ月分の落し物やゴミが春先、一斉に出てくることになる。かなりの量だ。これは多くの人が思い浮かべる自然がきれいな北海道とは対照的な、北海道の闇の部分である。
とはいえ北海道に住んでいると雪どけゴミの存在は認識していても、注意して見ることは少ないものだ。だから雪どけでマットレスが出てきた特集を見たときは信じられなかった。
本当に出てくるのだろうか?雪の中からマットレスが。というかマットレスがあるなら他にも何かあるんじゃないだろうか?
探してきた!
ということで探してきた!
…のだけど、実は見つけた雪どけゴミの数が多くて、1つ1つ紹介してたら超長い記事になりそうなのである。そこで、よく見る雪どけゴミの定番みたいなモノだけ、はじめに紹介しておきたい。
これであなたも北海道民!
人がたくさん集まる場所で多いのがタバコ。北海道は日本で喫煙率が1番高いだけあって、よく見る雪解けゴミである。
ペットボトル、缶、パックなどはよく雪に埋もれてる。雪解けゴミを探せば、飲み物の容器の種類をコンプリートできると思う。
レジ袋やお菓子の袋もよく見かける。レジ袋に関しては単体で落ちてる場合とレジ袋の中にゴミを入れて落ちてるハイブリッド型があり、後者を捨てるやつは特に性格が悪い。
以上が定番の雪どけゴミである。定番ばかり紹介しても面白くないので、以降はできるだけ定番以外の雪解けゴミを紹介していこうと思う。
それでは、実際に探してきた様子をご覧いただきたい。
まずは札幌の街中で探してみよう。
札幌でマットレスは出てこないだろうけど、近場でいい感じの雪解けゴミがあればそれが最高なので。小さな努力で大きな成果を出したい。
(前置きが長くなったのでお忘れの方もいるかもしれませんが、雪どけで出てきたマットレスが見たいという記事です)
と思ったけどそもそも全然雪がない。最近引きこもりがちで知らなかったけど、いつの間にやら雪どけが進んでたらしい。
マジで雪ないじゃん。この企画始めるの遅すぎたかも。雪がないと、たとえゴミが見つかっても、それが雪解けで出てきたものかがわからないから結構問題だ。ヤバイ。
あっでも、1つゴミではないけど、確実に雪解けで出てきたといえるものがある。それは上の写真に写ってる歩道の上にある砂だ。
あれは「滑り止め材」という交差点とかに良く設置されてる砂で、すべらないように雪の上にまくもの。雪が溶けると写真のようにアスファルトに残るのだ。
たくさん撒かれたところだと、これもうちょっとした砂場じゃない?ってくらい積もってることもある。
もう雪はほとんどないかなと思ったけど、公園とか日当たりの悪いところならぼちぼち雪が残ってた。見つかったのが滑り止めの砂だけ、という結果にならなそうで一安心だ。
よしよし。いい感じに落ちてるぞ。
見つかった雪解けゴミもいかにも公園らしく、子供達が遊んでいた痕跡が残る。
もう一か所、別の公園に行ったらミニオンのぬいぐるみがあった。燃え尽きたように天を仰いでいる。とてつもない哀愁だ。
ただ、これは雪どけゴミなのだろうか?雪の上に乗っていないと雪どけゴミと断定することが難しい。雪が解けた後の落とし物の可能性も十分ある。わからない。これはどっちなんだ?
まあでも近くに雪が残ってたから、雪どけゴミとして都合よく解釈しておこう。僕がルールなのだ。
場所を移して雪まつりのメイン会場としても使われる大通公園へ。ここは1年通して何かしらのイベントがやってる場所だ。ここならなんかあるだろう。
パイプ固定するやつとか、ナットとか明らかに観光客のものじゃないものがたくさん落ちている。なんだ?この工業感?
っと、クエスチョンマークを付けておきながら、この工業感あふれる雪解けゴミには心当たりがある。
これはおそらく。と言うかほぼ100パーセントなんだけど、雪まつりの時に組んだ足場や出店に使われたものを、撤去し忘れたのが原因だろう。
冬の大通公園には雪像を作ったり、イベントブースを建てたりするために工具的なものがたくさん運ばれてくる。(ちなみに雪像は自衛隊が作ってます。)
足場などを撤去するときに、いくつか雪に埋もれてしまったのだろう。雪の中に落ちたナットや木片を探すのは難しい。
だから。こういう工具を持ち帰り忘れるのはある程度は仕方ないことなのだ。
と思ったけどさすがにこれはわすれすぎだろ!なんだこの量は!
公園内を歩いていたら見つけた雪解けゴミの山。どうやら大通公園内では1か所にまとめているらしい。
念のため少し離れた場所にいた清掃員さんに「あそこにまとめてあるのは全て雪解けで出てきたものですか?」と聞いてみたら「はい」とだけ返してくれた。
やっぱりそうだった。確認が取れてよかった。けど、すごく清掃員さんからは怪しい人を見る目でみられた。物取りに思われたかもしれない。
雪解けゴミの山の中にあったのは、木片や工具だけではなく、イベントに出店していたお店のQRコード決済のバーコードや靴なども。多様性がすごい。なんだ靴って。ちょっと怖い。
雪解けゴミに注目して歩いてみると、場所によって見つかるものにちょっとした偏りがあることが分かった。公園なら遊び道具があったり、イベント会場なら工具などがあったりという感じだ。
中でも少し驚いたのが神社だった。神社は何か特別なものが落ちているわけではなく、逆に落ちてないのだ。
神社といっても実際に足を運んだのは「北海道神宮」だけだから死ぬほどサンプルが少ないし、いったタイミングがちょうど掃除がされた後だっただけの可能性もある。
けど、もしかすると神社は雪解けゴミが少ない場所なのかもしれない。神社のポイ捨てはかなり罰当たりだから、マナー悪い人でもポイ捨てしづらいのではないだろうか。
それかこの看板の効果がえげつないか。
札幌市内はほとんど雪が溶けていたし、マットレスのようなインパクトのあるものも見つからなかったので、レンタカーで雪が残っている地域まで行ってみることにした。
まさか旅行以外で、ましてやゴミ目的でレンタカーを借りる日がくるとは我ながらびっくりである。
ちなみにこの日は自分を撮ってくれる人がいるとよいだろうと思い彼女に同行してもらった。「一緒にゴミを見に行きたい」と誘うと引かれるので「ドライブにいこう」と誘った。
しかしこのままでは雪どけゴミを探せないので、車内で正直にこの企画について説明したところ、全くピンと来ていない様子だったし、普通にテンション下がってた。
残念すぎるデートで非常に申し訳ない。今度、松屋をご馳走しよう。
札幌を離れるにつれてどんどん雪が増えてくる。なんだか季節をさかのぼっている気分だ。道路わきに目をやると、レジ袋や空き缶などの雪どけゴミが結構落ちている。これはマットレスに近づいてるかもしれない。
移動中、どういうところに雪解けゴミが多いのか、車内から外を眺めていた。
すると広めの路肩にいろいろ落ちてるのが見えたので、停車してどんな雪解けゴミがあるか確かめる事にした。もちろん車から降りたのは僕1人だ。
おお...確かに大量のゴミがある。予想以上の量だ。
広めの路肩は休憩所として使う人も多い。その時にポイ捨てするのだろう。雪の中へのポイ捨ては、すぐに雪に埋まって見えなくなるから罪悪感を感じないのかもしれない。モラルが終わっている。
ペットボトルや空き缶、レジ袋など。変わったものは特に無く、ただただシンプルにゴミが落ちている。
場所を変えてもう一か所広い路肩で停車してみた。
ゴミが散乱している。ペットボトルにレジ袋。車で飯食ってそのままポイ捨てしたんだろう。レジ袋の中にゴミを入れて捨ててあるから、特に性格の悪いやつの仕業だ。ゆるせない。
しかし改めて雪を見るとその多さに感心してしまう。確かにこれだけ高く雪が積もればマットレスも埋まるだろうな。
とはいえマットレスを捨てるのはどうかしてる。まあ僕はいまそれが見たいんだけども。
あっ
始めてみた。「雪の上のエロ本」
というか落ちてるエロ本自体すごく久しぶりに見た。ちょっと遠くにあるから誰かが投げ捨てたんだろう。
手が届きそうでギリ届かない。体育館のバスケットゴールに引っ掛かったボールを思い出す絶妙な距離感。がんばりゃ取れそう。
僕が中学生だったら、あのエロ本を手にするために知恵をふり絞っていたに違いない。
美瑛町にある「青い池」へ。ここは外国人も多く訪れる、北海道の人気の観光地だ。きっと雪解けゴミも多いだろうし、デートにもうってつけの場所。完璧だ。彼女の表情も気持ち明るい。
夏はあんなに青かった「青い池」が冬は全然青くないことに驚きつつ、雪解けゴミを探す。
ホッカイロや手袋がたくさんある。いかにも観光地だ。
寒くてもスマホで写真を撮るときは手袋を外すパターンって多い。いったん手袋を脇に挟んだり、ポケットに入れたりして、いつの間にか落としてたという姿が想像できる。
一応、デートも兼ねているので記念撮影も忘れずにしておく。
雪解けゴミは大量にみつけたけど、いまいちインパクトあるものが見つからない。想定内の雪どけゴミばかり。もうすこし「どうしてこんなものが!」がほしい。
レンタカーの返却時間が迫っているから、そろそろ帰らないとヤバい。延滞金は絶対に払いたくない。
何か見つけてから帰りたい!今のままだと記事にするには弱いんだ。頼む!
何かないかと探しながら運転していると道路脇にテレビらしきものが目に入ったので、あわててUターンしたら、本当にテレビだった。雪の上にのっかってるのを見ると、雪の中に投げ捨てられたもので間違いなさそう。
コンビニのゴミを捨てるのとはわけが違う。家にあるテレビをわざわざ持ってきてすてたの?どういう状況?
「テレビいらないから雪の中すてちゃお~♪」って思考は理解が追い付かない。粗大ごみに出せ。それかハードオフいけ。
テレビを不法投棄するなんてゼッタイダメだろ。とはいえ、この時の僕が抱いた感情は怒りではなく喜びだったのが正直なところ。
「ううぉー!すげー!良いのみっつけたぁぁああ!!」
適切な感情ではなかったかもしれないが嘘はつけない。マットレスほどの大きさはないけど、「雪解けで出てきた家電」は結構なインパクトだ。
いや良かった。不法投棄は良くないけど良かった。ひとまずネタになりそうなものは見つけられた。よし帰ろう。
結局、最後までマットレスは見つからなかった。そうそう簡単に雪どけマットレスは見つかるものではないらしい。無ければそれが一番良いことだけど、企画としては少し悲しいような複雑な気持ちである。
最後に、ざっくりと場所ごとの雪解けゴミの傾向をまとめると
・道端(街中)→タバコやレジ袋など
・道端(郊外)→レジ袋からテレビまでなんでもあり
・公園→遊び道具などの子供を連想するものが多い
・観光地→防寒具と食べ物のゴミが多い
・神社→ゴミ自体少ない
という感じだった。
雪解けゴミに着目して改めて思ったけど、北海道の雪どけで出てくるゴミの量はひどい。調べてみるとこういったゴミの処理は、基本的にボランティア頼みになるようだ。回収されないゴミは、分解もされずそのまま残る。すると次の冬、再び雪に埋もれるゴミもあるのではないだろうか。
雪どけゴミ問題に関してはもっと大きく取り上げて注意喚起していく必要がありそうだ。ポイ捨てダメゼッタイ。
けど!けど!ポイ捨てはもう絶対ダメなんだけど、やっぱ雪どけゴミとして出てくるマットレスは見ていたいので見つけた方はご一報ください…!
最後にこれはすごくどうでもいいけど落ちてたテレビのすぐそばにもエロ本があった。まさかの本日2冊目。
1日で2冊の落ちてるエロ本を見つけるなんて今どき結構珍しくない?雪どけゴミを探すとエロ本が見つかる。落ちてるエロ本コレクターがいれば、ぜひ参考にしてほしい。
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