「政治と宗教と野球の話題は避けろ」と言われるほどに、日本人の文化と精神に深く根付いてるプロ野球。
私も例に漏れず量産型野球ファンの一人、特に"現地観戦わりかし積極的にするぜ勢"として活動してるんですけど、別にファンじゃなくても、なんなら野球を知らなくても何らかの集まりや付き合いで行ったこととか、行くことになる場面ってありますよね。球場。
で、私も春先に特にそこまで野球は詳しくない友人を一緒に遊ぼうぜという名目で神宮球場に拉致、じゃなくてお誘いしたんですけど、そこで冒頭のような「行き過ぎてマンネリ化してる」という旨の話をしたら、「別に試合はよく分かってないけどメシとか雰囲気とか楽しいよね」と。
なるほど。
いいじゃん!
そんな流れがありまして、しばらく「球場グルメを食すぜ!」と、メシに重点を置いて色々な野球場に行き、バクバク食って、なんならそれを紹介しようかな~なんて考えていたんですが…。まあ、御託はこれくらいにしてとりあえず見てもらいたいんですよ。
ZOZOマリンスタジアムでの”出会い”
こうしてメシ重視の野球観戦をスタートし、まずはZOZOマリンスタジアムに来ました。幕張にある千葉ロッテマリーンズの本拠地。4月9日のロッテ・オリックス戦です。寒くて風が強かった。
確かに、普段は意識してなかったけど、「メシ食うぞ!」って意気込んで改めて見渡すとメッチャ色々ある。やっぱテーマパークなんですよね野球場って。
と、こんな感じで色々巡ってうなぎ食べたりステーキ丼を食べたりと球場グルメを堪能していたんですけど…
球場内に入ってお散歩していたら見つけてしまったんですよ。コレを。
にこやかに名前入りのメシを持つマリーンズの選手たち。
うん。ある。確かにこういうのある。それは知ってた。でも改めて意識すると…これって球場でしか食えない度100%だな…!そう考えてみると、さっき紹介したうなぎとステーキ丼は食えるよね。別に野球観に行かなくても。色んなとこで。
買いました。こういうのこそZOZOマリンスタジアムでしか買えないメシだよな…と気付いた5秒後には並んでました。
写真撮るのが下手過ぎて光の反射が完全に目線になってしまい、真顔と相まって某インターネットで一番面白いアルファベット5文字の人みたいになってますが、千葉ロッテマリーンズのエース涌井秀章投手のプロデュースメニュー『涌井投手のオムハヤシライス』です。
味は、普通でした。まあ、それは最早些末なことよ。
選手プロデュースメニューとは?
はい。ということで今回はこの『選手プロデュースメニュー』を様々な球場で探して食ってきたのを紹介するお話となります。あるんですよ。今。野球場に行くと、こういうのが。
キャラものというか。まあ、そういう商売なんですけど。○○選手の○○弁当!とかそういうのが。昔からあったことはあったけど、最近はより一層規模が拡大してるし、妙に凝り始めてる感じもするんですよね。動画で選手本人が宣伝してるチームとかもあるし。
ZOZOマリンのマリーンズのやつで概念は何となく分かったと思うんですけど、例えば…
だいたいこんな感じです。やっぱカープ女子とか何とか言われたりしますけど、女性ファンが増えるとともに野球選手がアイドル化、キャラ化してるって側面はあるんじゃないですかね?アイドルとかアニメのコラボカフェのメニューと似たようなもんですよね。形としては。当たり前ですけど、ちょっと高いよ。
ちなみに、これらはヤクルトスワローズの2019年球場グルメ紹介パンフレットから抜粋しました。ファンなら突っ込みを入れながら1時間は読んでられる仕上がり。
なんで"少年ジャンプ"のノリで”球場グルメ”なのかは分かりませ…あ…さっきのかめはめ波的からあげ絶叫ってそういう…!?ということは雄平の写真の「ドドドドドドドド」もまさか…ジョジョ…!?
話が逸れそうだし今回紹介したいのはコレじゃないので、これ以上の詮索は止めておきますね。
ナゴヤドームは女子向けだった
はい。『選手グルメ』の説明も済んだところで、続いてはナゴヤドームです。名前の通り名古屋にある中日ドラゴンズの本拠地ですね。4月16日のドラゴンズ・ベイスターズ戦でした。冒頭でヤクルトファンってアピったくせに全然ヤクルト関係ない試合ばっかだって?休みの日と試合日程の都合で…。後でヤクルトも出てくるので…。
千葉マリンで完全に"選手プロデュースグルメ面白いやんけ脳"になったので、今回はもう最初から「ナゴドの選手グルメ事情はどうなってるんじゃい!」という心構えで歩いてます。普通のも美味しそうですけどね。ていうか写真の八丁みそからあげは食べたんですけど。
ということで、ありました。ナゴヤドームにも選手グルメが。場内各地に選手グルメマップが貼り出されてます。1枚目と2枚目の写真で微妙に絵面が違うの気付きました?看板を貼ってる場所と店舗の位置関係によって、各看板のラインナップを少しずつ変えてるみたいですよ。メッチャ気合い入れて売り出してんな…!
そして、名前がシンプル。ロッテとかヤクルトは『五右衛門の和風ステーキ丼』とか『ど根性中尾の明太グラタンたこ焼き』とかだけど、ドラゴンズはほぼ全部『選手名+商品名』。福田丼。福田丼て。
…ん?これは…!メニューごとに選手がサイン+メッセージ入りのユニフォームとパネルで宣伝している…!
亀澤に至ってはハートだよ…俺が女子だったら絶対買っちゃう…亀デココの意味は分からないけど………これ、完全に野球女子ウケ狙ってるじゃん!!!やっぱりそういう感じなんすね。
えー、我が脳内の乙女たちによる合議の結果、ナゴドでの私の実食は『祖父江クレープ』となりました。理由は、説明のハチャメチャさに感動したからです。
「これまでに祖父江チュロス、祖父江ワッフルをプロデュース。
キャラメルを愛し、キャラメルに愛された男、祖父江選手。今年はそのきゃらめる愛をクレープに包み込んでくれました。
しっとりとした生地、生クリームとキャラメルが生み出すハーモニーに本人も大満足。中までしっかりと祖父江選手の愛が詰まったクレープです。」
…あの、プロ野球の選手の方ですよね?速いボールをビュンビュン投げるのが仕事の方ですよね?これは絶対ただ単に名前を貸してるだけの適当な選手グルメとは一線を画してる。本気だ。最高だ。
そして!何と!味も最高でした!お世辞じゃなく!本気の美味さ!そもそも私がクレープを食べるの自体数年ぶりだったっていうのもあるけど!
もう帰る時に祖父江のパネルを撮っちゃうくらい美味しかったっす!最高!男前だなぁ…惚れちゃう…。
えーと、では最後に一つだけ補足なんですが。
祖父江クレープは5月末で販売終了してました。この話書こうとして改めてサイト見に行ったらビックリしちゃったよね。ということで、せっかく熱く褒め称え語り尽くしたんですが、もう食べられません。すまんな。
…あ。福田丼も終了してるな…。
横浜スタジアムは選手グルメレストラン
3つ目。横浜スタジアムです。横浜。関内。横浜DeNAベイスターズの本拠地ですね。4月30日、5月1日のベイスターズ・ヤクルト戦に行きました。やっとヤクルト出てきた。じゃあメシ散歩します。
あれ…?意気揚々と選手グルメを探しに来たんですけど…。ベイなんちゃらは山ほどあるんですけど…。ちなみにベイカラとベイ餃子は球場グルメのレベルを遥かに超えて究極的に美味しいので本編の流れをぶった切っても記しておきたいくらい超オススメなんですけど…。
それはそれとして選手の名前を冠したグルメがないじゃないか。浜スタってこんな感じ?選手で売るよりベイ〇〇をブランド化してるのかな?
…と、丸々場内を一周して、ガッカリしながら席に戻ろうとしたら見つかりました。2階にある『カフェアンドダイニング・ヴィクトリーコート』
ここが、ハマスタの、ベイスターズの選手グルメの拠点でした。分かりづらいところに隔離しやがって…。ということで乗り込むぜ。
ハマスタの選手グルメエリアはこんな感じでした。売店に1つずつ置くんじゃなく、選手グルメのレストランみたいな形にして一つにまとめてたんですね。これはこれでアリかも。
並んでるお客さんの間では圧倒的に山崎康晃の『守護神丼』が人気でしたね。たぶん強くてイケメンで美味しそうだから。
が、私の結論は『俺の串シリーズ砂肝大和の塩ダレ柴田の塩コショウ』となりました。二人いるからお得かなって…。ニコイチとか言うなし。単独じゃ選手グルメに採用されない地味キャラとかいうなし。え?そんなこと誰も言ってない?ごめんなさい。
柴田と大和の名誉のために真実を伝えますが、味は文句なしです。平凡な焼き鳥屋の焼き鳥相手なら勝てる。横浜のイメージらしく塩ダレとレモンでサッパリ仕上がってます。美味しい。
ていうか浜スタは何もかも美味しい。あと、これはおそらく祖父江クレープと違って今も買えます。ハマスタ行ったらベイカラと一緒に食べるといいよ(ベイカラはホントに美味しい)。
我が本拠・神宮球場は特盛でお伝えします
いよいよ来ました神宮球場です。ご存知我らが東京ヤクルトスワローズの本拠地、甲子園球場と並ぶ日本野球の聖地ですね。神宮はメチャクチャ行ったのでメチャクチャ紹介したいと思います!!!
かめはめ波の唐揚げじゃん!わーい!って近付いていったら何故かスーツで腕組んで真顔の川端選手がいました。意味は分かりません。…気を取り直して場内に行きましょう。
神宮は各店舗がそれぞれの持ち駒として選手グルメを取り扱ってるシステム。そして、明らかにこれまでの球場より数が多い。群雄割拠。選手グルメ戦国時代。
こんな感じで全ての店に何らかの選手グルメが用意されてるので、神宮球場に関しては全てのグルメが選手グルメと言っていいかもしれない。数が多すぎるので1年通ってもコンプリートできる気はしない。
選手ドリンクは既存のメニューに全部選手の名前くっつけとけ感があるんですけど、カップがそれぞれの選手がプリントされた専用のヤツなんですよね。それはグッドポイント。
ちなみに、持って帰ろうとすると帰りの電車で潰れるし、いざ持って帰っても結局使わず捨てることになる可能性大です。惜しんで惜しんで涙をこらえて捨てるのが最善。
さて、ここからは食べたものを紹介していきますか。どれも美味しいんでみんなも野球観なくていいから神宮に来てね。実際神宮って他の球場と比べても明らかにサラリーマンの宴会場にされてるんで。応援とかしなくて大丈夫なんで。
テレビモニターでずっと宣伝動画が流れてた『村上宗隆のGO!GO!ラーメン』です。ヤクルトの宝なので当然の扱いですね。感謝。今年のヤクルトはクソ弱いけど村上がいるだけで感謝。単純に言うと家系のチャーシュー麺なので重いけど美味しいよ。
ちょうどこの日は村上がホームランを打ったので、感謝の念が沸きすぎて『村上宗隆の高菜めし牛丼』もラーメン食った3時間後に買っちゃった。その選手が活躍すると選手グルメも売れるパターン、確実にあるな。
肝心のお味ですが、ご飯に高菜とごま油が混ぜ込まれてて、正直ご飯単独で無限に食べられるレベル。それに牛肉が乗ってるんだから悪い訳なかろうて。
『バレンティンのMISOラーメン』です。関係なくない?って思ったんですけど、「バレンティンは味噌ラーメンが好きだから」らしいです。いや、ホントか?
この日は御覧のような豪雨に見舞われて、「凍え死ぬ!」と泣きながら買ったのが『バレンティンのMISOラーメン』だったのです。なので、美味しさは平常時の100倍でした。
『ビッキーの冷やし焼肉ラーメン』です。あ、ビッキーは大引啓次(おおびきけいじ)選手の愛称で…今更だけど付いてこられてます?
食に関する正直な感想を言うと、うどんでした。ビッキーの焼肉玉子キムチうどん。うどんと思えば美味しいうどんなので良かったけどさ。
キリがないんでそろそろ締めます
はい。ということで4つの球場の選手グルメでした。まだまだ色々あったんですけど、無限に語ってる訳にもいかないのでもうパパッとまとめたいと思います!
まず、せっかく色々食べたので、Most Valuable Gourmet、つまりMVGを発表したいと思います。
…は、もうこの世に存在しないので、村上牛丼!!!!!!
実は、最初に食べた時に本当に美味しかったので、次に来た時も食べました。こういう記事を書こうかなってなったら色々な種類を食べてネタを集めとくのが当然の立ち回りなのに、そういう取材精神を放り投げて2回連続で食べちゃうくらいマジ。ホントに村上牛丼はリピート必至の激ウマグルメなので、皆様も神宮球場の内野席に行ったら是非。是是寄りの是非。
それにしても、選手グルメって球場ごとに個性が出るポイントだし、選手の名前が付いてれば何でもいいので、牛丼やラーメンみたいなガッツリごはんから、おつまみ系、スイーツ、ドリンクとあらゆるものを選手グルメでまかなえるのも強みですよね。
女子にはやっぱり祖父江クレープ…はもうないんだった…。じゃあ普通にイケメン選手のメニューにするとか。だいたい選手グルメの看板って、にこやかな選手の顔が写ってますからね。どの選手が好きかでその日の食事が決まるっておもろいな。
とにかく、選手グルメ重点で球場を徘徊していたここ数ヶ月は実際に新鮮な楽しみがあったし、皆さんもこれを読んでくれた今なら、なんなら野球のルールを知らなくても野球場の楽しみ方が分かったのではないでしょうか?そうかな?
では、私はこんなことをしてる間にヤクルトが16連敗してそのままずっと最下位になるし、取材と称して食い漁った結果マジのマジにブクブクに太るし、反比例してお財布と口座はガリガリに痩せ細るしで、全てが終わったので帰ります。
球場グルメを堪能する役割はみんなに…任せたぜ…!
ということで今回は神宮球場、横浜スタジアム、ZOZOマリンスタジアム、ナゴヤドームの4つだけしか紹介できなかったんですけど、もちろん北は札幌から西は福岡まで、全ての球場、全てのチームに選手グルメがあるはず。
野球好きの皆様は応援のついでに。野球なんて興味ないのに上司や友人に誘われて渋々球場に行くことになった皆様はお暇つぶしと話題作りに。それぞれの球場で選手グルメを探してみて下さいね!あ、なんか綺麗に締めちゃった。さようなら!
全く本編とは関係ないんですけど、郡山遠征時に同じ売り子ちゃんからビール5杯くらい買い続けたらカップにメッセージを書いてくれました。
私はこれを『スタバビール』と名付けました。こういうのも球場観戦の醍醐味です。