石垣島での製麺ワークショップは大変おもしろく、石垣島も西表島もとても良いところだったので、早くも5月末(たぶん30日)に再びあまくま座にて第二回をやることになりそうです。みんな来てね。
製麺ワークショップのリハーサルを無事に終えて西表島に渡ると、趣味で猟師をやっている友人がイノシシ猟に連れて行ってくれた。
西表島を含む南西諸島には、リュウキュウイノシシという本土のイノシシよりも小型の固有亜種がいるのだそうだ。この島での呼び方はカマイ。
イノシシ猟といっても犬や鉄砲を使うのではなく、けもの道に「くくり罠」を仕掛けて捕まえる方法で、事前にセットした場所を確認しに行く。
カマイが一匹も捕れないことも多いそうだが、この日は中型のオスが罠に掛かっていた。友人達はそのカマイを手際よく仕留めると、車で作業小屋へと運び、なんやかんやしつつテキパキと解体して、無駄なく食べられるよう処理していく。
家でゴロゴロしていたら絶対に目にすることのできない景色の連続に背筋が伸びる。はるばる西表島まで来て本当に良かった。
なんで急にカマイことリュウキュウイノシシの話になったかというと、友人からこのときのダシ骨と中身をいただいたので、製麺ワークショップで振舞うことにしたのである。
ちなみに豚の中身を使った汁を中身汁、中身を使ったそばは中身そばと呼び、沖縄では昔から愛されている。
となれば作ってみたいじゃないですか、カマイの中身そば。おそらく一生に一度のチャンスに違いない。
カマイのダシ骨と中身をお土産に石垣島へと舞い戻り、製麺ワークショップの本番へと挑む。
私の都合で開催されたのが水曜日の昼間という、どう考えても人の集まりにくい日程だったが、佐藤さんと泡さんの尽力によって満席になったようだ。
製麺ワークショップの準備と並行して、本来の予定には一切ないカマイの中身そば作りに挑戦する。ずいぶんとコントロールしづらい人だなと思われただろうが、こんな奇行を笑って許してくれた二人には感謝しかない。
行き当たりばったりで作った割には、とても完成度の高い一杯になったのではないだろうか。自分の中に様々な知識や経験が積み重なったからこそ辿り着いた一期一会の味。
こういう再現性のまったくない料理が大好きだ。
ついついカマイの中身そば作りで盛り上がってしまったが、八重山そばを作るワークショップも無事に開催された。
参加者のほとんどが佐藤さんと泡さんの友人ということもあり、浮足立ちまくりの私の説明でもじっくりと聞いてもらえ、初めての製麺体験を楽しんでもらえたと思う。
麺作り、楽しいですよね!
この日はワークショップの後に二部として、カマイの中身そばを参加者に試食してもらいつつ、すぐ近くにある金城製麺所の三代目である金城秀信さんとトークをさせていただいた。
ずっと気になっていた八重山そばの特徴や沖縄そばとの違いをじっくりと伺う。なぜ茹で麺が愛されているのか、あっさり味の八重山そばは紅生姜を入れると味が負けてしまうためピパーチがちょうど良いとか、ごはんを添えるなら白飯よりも味のついているジューシーが合うとか、とても勉強になる会だった。客を呼んでのイベントとしては、ちょっとマニアックすぎたかもしれないが。
ちなみに金城製麺所では、事前に予約をすると茹でる前の生麺も購入できるそうで、後日泡さんが購入してその味に感動したそうだ。
最後に余談。ワークショップの参加者に数年前まで東京に住んでいた方がいて、その人が石垣島に来る少し前に一度飲んだことがあるのだが、「今度、石垣島に引越すんです」という話をしたところ、「石垣島で八重山そばを作るワークショップをするのが夢なんですよ!」と私が熱く語ったそうだ。へー。
その話を聞くまですっかり失念していたが、そういえば確かに言った覚えがある。夢って叶うんですね。忘れていても。
石垣島での製麺ワークショップは大変おもしろく、石垣島も西表島もとても良いところだったので、早くも5月末(たぶん30日)に再びあまくま座にて第二回をやることになりそうです。みんな来てね。
| <もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
| ▲デイリーポータルZトップへ |