外へ飛び出せ
テンションが上がってくるとついつい外に出てしまうのは当サイトの癖である。しかし今回ばかりは外に出たからどうなんだ、という話だ。夜も12時を過ぎているし、すでに真っ暗だ。
なんの考えもなく近所の公園に来てみると、こんなものがあった。
人のいない深夜の公園、風でわずかに揺れているブランコ。その姿はどこかさびしげだ。そして僕はそれを慰めるために引き寄せられたに違いない。おもむろにブランコにマシンを装着する。どんな場所にも装着できるよう、マシンの裏側にはマジックテープをつけておいたのだ。
そしてブランコを思いっきり後ろに引いて、手を離す!
ブランコ最高!!
寂しかった公園が一気に華やかになった。なんだこのファンタジー。枯れ木に灰をまくと花が咲く昔話を思い出した。
そしてすぐそばにはこんなものもあった。
自分が光の尾を引いている。そして引いた尾が自分の気持ちを代弁してくれている。文字だけで書くとよくわからないシチュエーションだが、写真で見ればこの鮮やかさである。すごい。なんというかもう、「ご満悦」というほかない気分だ。
だいぶいい気になってきたぞ。しかしいい気になって終わり、ではただの自慢話である。せっかくこうしてサイトで紹介するのだから、もっと応用範囲を広げて、あっと驚くような使い方ができないものだろうか。
POVぶんまわし
アイデアその1。ぶんまわし。
今回のPOV、マシンを設計して作ったのは僕だけど、POVそのもの、つまり「残像で描く」っていうアイデア自体は僕が考えたわけではなくて、実は電子工作の定番なのだ。それだけにいろんな人がこの原理を応用した作品を作って、公開している。その中でおもしろかったのが、自転車のスポークにつけて回転させる作品であった。
僕も何か変わったものに付けられないだろうか、と思ったらすぐ手元にいいのがあった。扇風機だ。
スイッチを入れたとたん、「バン!」という音のあとに、基盤が2mくらいの高さで宙を舞った。あっ!と思うまもなく、基板は派手に床に叩きつけられて、電池とICがどこかに消えた…。
「バン」というのはマジックテープが剥がれる音だった。遠心力でマシンが吹っ飛んだのである。マジックテープは一瞬で剥がれると「ビリ」とかいわないで「バン」と鳴るのなだ。電子工作は勉強になるなあ。
その後、どっかへ飛んでいったICと電池を探して部屋中の家具の下をのぞき込み、全部の部品を回収するまでたっぷり15分かかった。
そして、再挑戦。今度はちゃんと電池とICをセロハンテープで固定して、マジックテープの接着部分もぐるぐる巻きにした。スイッチ、オン!
ガタガタガタってものすごい音を立てながら扇風機が振動をはじめる。その震え(というか暴れ)と音だけで「暴走」という表現がぴったりなのだが、そのうえ振動のせいでちょっとずつこっちに向かってくる!恐い!
あまりのできごとに写真だけ撮ってさっさと止めました。なんか文字とか全然きれいに出てないけどいいです。もういいんです。
ひるPOV
次のアイデア。ここまで夜の写真ばかり載せてきたが、昼間、明るいところでも撮れないだろうか。暗闇で光るのもいいが、明るいところに文字が浮き出るのもそれはそれで新しいと思うのだ。(あと、人に見せびらかすときにその場で見せられて便利だ)
残像を撮影するためにカメラのシャッタースピードを遅くしないといけないのだが、僕の使っているデジカメでは、シャッタースピードを変えると写真がものすごく明るくなってしまう。そこで、カメラにサングラスを装着することにした。
(カメラに詳しい編集部の安藤さんに聞いたら絞りがどうのと言われたけど、僕のカメラにはその機能がなかったのだ)
うーん、だめだ。室内の方はなんだかミステリアスでかっこいいと言えばかっこいいけど、でも文字はでてない。周囲の明るさとLEDの明るさが近すぎるので、片方を暗くしようとしても結局両方暗くなってしまうのだ。
そのあといろんな場所で試行錯誤したけど、最終的に昼間に撮影できたのはこれくらいだった。
やっぱり暗い場所じゃないとうまくいかないみたいだ。
こんなかんじで、いろいろ試行錯誤しているうちに、POVで何ができるかがだいぶわかってきた。そして最後に行き着いたあっと驚くようなPOVの使い道、次ページではPOVを使ったマンガを作ります。

