まずは講習会へどうぞ
筑波大学では春と夏にラートの一般向けと学生向けの講習会をそれぞれ開催しているのだという。小山さんによると夏の大会はインカレ(全日本学生選手権)が近くてピリピリしてるかもしれないので春がおすすめです、とのことだった。
世界に通用する選手になるには小さい頃から始めておかないと、と思っていた人、ラートならば今からでもいけるかもしれないですよ。

実際にラートの前に立ってみるとその大きさと存在感にまず圧倒される。
輪を成しているパイプは鉄製で、触ると鉄棒みたいに有無を言わさぬ硬さと冷たさを感じるのだ。みんなこんな重い物をいとも簡単に操っていたのか。
輪に入って足をバンドで固定すると急に心細くなる。例えは悪いがこういう拷問ってあるような気がする。
ど、どうしたらいいんでしょう。僕の不安をよそに、補助についてくれた女性があっけらかんと言う。
「では直転から行ってみましょうか」
直転は二つある鉄の輪を両方とも地面に触れさせた状態で回転する種目。ラートではこれが基本になる。
足を交互に踏み込んでラートをゆすっておいて、その勢いで一気に回るのだ。
映像を見てもらっても明らかなように、まったく自分の意志では回れていない。それでも回転し始めて頭が下になるとなんともいえない興奮がある。世界を置いて自分だけ重力から切り離されたような優越感。これ、なんだかすごい。
続いて斜転。これは片一方の輪だけで回るやり方だ。もちろんどうやるのかまったく意味がわからないわけだが。
体を前後に振った反動で方輪を浮かせ、斜めを保ったまま一気に回転する。傾斜がある分、地面が顔に向かって迫ってくる。
あわわわわわわわ…
斜転に関しては回し方も今の自分の状態も、なにもかもわからないまま回転していた。
体験させてもらった後、ほうけながらラートの魅力について考えてみた。新体操やフィギュアスケートに似たところがあるのだが、大きな輪を使う分、3次元的に広く空間を使うことができるのだ。そのため技の見せ方は一気に広がる。初心者の僕が感じた「今いるところがわからない」感じは、練習を重ねるにつれて大きな可能性に変っていくのだろう。
小山さんにも聞いてみた。
--ラートの魅力ってどんなところでしょう
「そうですね、他の競技とも共通する部分ですが、難しい技ができるようになる過程がたまんなくおもしろいですね。それから競技自体にまだまだ未開の部分があるのも魅力です。これから自分でもっと難易度の高い技を開発できるかもしれない、という面白さでしょうか。」
やはり無限の空間を使って表現する開拓者としての面白味もあるのだ。ラート、始めるなら今ですぜ。
筑波大学では春と夏にラートの一般向けと学生向けの講習会をそれぞれ開催しているのだという。小山さんによると夏の大会はインカレ(全日本学生選手権)が近くてピリピリしてるかもしれないので春がおすすめです、とのことだった。
世界に通用する選手になるには小さい頃から始めておかないと、と思っていた人、ラートならば今からでもいけるかもしれないですよ。
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