特集 2021年3月9日

割れせんべいでカードゲームができた

記事中、あなたは本当に割れせんべいのカードゲームについて読んでいる場合ですかと問いかけて、クールダウンできる箇所を作りました。ご活用ください。

割れせんべいについて全く無知であった。

あれは、割れてしまった訳あり商品を安く売っているだけのものと思っていたが、中には敢えて割っているものもあるというのだ。確かに一口で食べられて便利だし色んな形のせんべいが袋にたっぷり入っているのは楽しい。

しかしせんべいを焼いて、味をつけ、そこから更にちょうどよく割るのだ。なかなか手間がかかっている。それだけ手間をかけたのなら別のことにも使っておいた方がいいのではないか。別のことに使えるのであれば使っておいた方がいい。絶対に。例えば、カードゲームにはならないだろうか。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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なぜカードゲームなのか

なぜ割れせんべいでカードゲームかというと、カードゲームにすることで今まで気づかれてこなかった割れせんべい特有の魅力が引き出されるからである。

ただ漫然とボリボリ食べるのではなく、手に取ったせんべいのカケラを観察し、特徴を発見し決断をする。この過程を経てこそ、焼いたせんべいをわざわざ割った意味が出てくるのではないか。

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よく見ておいた方がいい。だってわざわざ割ったのだから。

そしてそのプロセスを遊びにして最大限に楽しめるのがカードゲームなのだ。だから割れせんべいをカードゲームにした。

ルール説明

では一生懸命考えたカードゲームのルールを説明します。一言で説明すると重さを見るアップダウンゲームだ。なんとなく納得してもらえればいいと思うので、細かいところまで読まなくても大丈夫です。

まず対戦中の様子はこんな感じだ。

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各名称はこんな感じ。この記事では割れせんべいの袋のことをデッキと呼ぶ。
【バトルの準備】
 
  • まずコイントスをして先攻後攻を決める
  • 先攻はデッキから一枚手に取り、バトルフィールド(はかり)に置く
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5gだ。
【後攻のターン】
 
  • 相手はターンの初めにコイントス 表ならバトルフィールドにいるカードより重いカード、裏なら軽いカードを置かなければいけない
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今、丁寧に読んでくれている方、ありがとうございます。これは割れせんべいのカードゲームのルールである。今自分が、割れせんべいのカードゲームのルールを読んでいる場合なのか、一度よく考えてみてほしい。うん、読んでいる場合だなと思ったら続きをどうぞ。

  • デッキから一枚取る
  • コインの結果通りになると思ったらバトルフィールドへ、ならないと思ったらベンチへ
  • ベンチに置いた場合はターンエンド 相手のターンになる
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  • バトルフィールドに置いてコインの結果通りだったらターンエンド 相手のターンになる
  • コインの結果通りにならなかったらミス 【ミス1】とカウントし、ターンエンド 相手のターンになる
  • 三回ミスをすると負け

ここまでどうだろうか。とにかく相手が出したカード(せんべい)より、自分のカード(せんべい)が重いか軽いか、一生懸命考えるというゲームである。

そして、カードゲームっぽくするためにこんなルールもある。

【ターン開始時にベンチが埋まっている時】
 
  • デッキからカードを引かず、ベンチからバトルするカードを選ばなければいけない

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こういう状況の時。

このルールがあると、戦略を考えられるようになっておもしろかった。このあと説明します。

このゲームの良いところ

このゲームの良いところはなんといっても割れせんべいのカケラをよく観察できるところだ。

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相手より重い? 軽い?
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形が違うと判断が難しい。
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これは大きいけどスカスカだから意外と軽いかもしれない。せんべいの形って立体的で複雑なのだ。
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重さとかじゃなく、単純にかっこいい時もある。
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マックにこういうアイコンあるな。
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こういうやつ。
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わざわざ割ったわけだし、よく観察しておこう

そしてシンプルに重いか軽いか、というゲームが楽しい。

ぴったり100gを作るとか、担いだ米俵の重さを当てるとか、古から伝わるレクリエーションからも分かるように、重さを想像する遊びって楽しいのだ。

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稀に最強のカード【1g】が出る。このあと相手のコインが裏だと、1gのカードしか出せないのでかなり追い込まれる(同じ重さはNGだけど、1gだけは例外でセーフとしていた)。
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逆に一番重いのは8gだった。8g出た時は嬉しい。

今回はシンプルに小数点以下が出ないはかりを使ったけど、出るはかりを使っても勝負が見えにくくなっておもしろいと思う。

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あとはもう見たことのない絵面の良さ、というのもある。妻とやったのだけど、突然我に返って「夢なのかな…」と呟いていた。

戦略も立てられる

最後にベンチを使った戦略について少し説明したい。また少し込み入った話になるので「自分は今、割れせんべいのカードゲームの戦略について読んでいる場合なのか」と自分に言い聞かせながら読み進めてください。

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例えばこんな状況で自分のターンが始まる時、
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デッキからカードを引けず、ベンチからバトルするカードを選ぶことになる。

この時、ベンチのカードが小さいものばかりだと、コインが表(重いものを出す指示)の時に追い込まれてしまう(でもどれかのカードは出さなければいけないので【ミス1】となる)。

だからベンチには大きさのバラけたカードが揃っているのが理想である。

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逆に相手がそうなっていない時に極端な大きさのカードを出せれば、次のコインの結果次第で相手を追い込める。

追い込まれないために、そして良きタイミングで自分の意図したカードを出すためにベンチを常に整えておくのがポイントとなるのだが、整えるにはどうしたらいいかというと、バトルフィールドに行けるカードも敢えてベンチに温存する、というテクニックがある。

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コインは表。明らかに大きいので勝負できるけど、バトルはせずに一旦ベンチへ置いておく。

そして相手のベンチが偏ってきたタイミングでバシーンと出せばいい。うまく決まると気持ちがいいぞ!

やってみてはいかがでしょうか

ゲームの紹介は以上である。あとはもう楽しいからとりあえずやってみようか、という気持ちだ。

だって今、この文章を読んでいるのは、世界に数多ある情報の中から【割れせんべいのカードゲーム】を選び、読んでくれた皆さまである。絶対にやっておいた方がいい。じゃないと『割れせんべいのカードゲームのルールや戦略をよく読んだだけの人』になる。考えようによってはそれこそが一番の酔狂である。それはそれでいいかもしれないが、せっかくなのでやってみて楽しんでいただきたい。

そしてルールに改善できるところがあれば教えていただきたい。共に割れせんべいカードゲームの歴史を作って参りましょう。

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割れせんべいデュエリスト。

【割れせんべいカードゲーム外伝】

このカードゲームのルールに落ち着くまで、周囲の方々に励ましてもらいながらずっと悩んでいた。割れせんべいの話だ。割れせんべいのカードゲームができなくて悩んでおり、励ましてもらっていた。

感謝の気持ちとともにダイジェストで紹介します。

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そもそもは、割れせんべいって一袋の中にぴったり組み合わさるパーツが入ってるんじゃないか、という思いつきだった。
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二袋、それぞれ一時間ほど探したが、無理そうだなという感触を得る。
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しかしそれでも割れせんべいってなんかおもしろいなという気持ちを諦めきれず、カードゲームを考えることにする。担当編集の藤原さんに気持ちを盛り上げてもらう。
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最初に考えたルールは『せーので見せ合って強そうなやつが強い』というIQの低いルールだった。藤原さん、ライターの江ノ島さんに付き合ってもらい、試しに遊んでみる。二人の優しさから和やかに遊べたが、今ひとつという感触もあった。
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良い改善案も出せずしょんぼりする僕を二人が励ましてくれる時間が30分ほどあった。割れせんべいのカードゲームが上手に作れず励ましてもらう人生である。
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「これかっこよくないですか」「かっこいい…!」「斧の先みたいだ」
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「これアルマジロみたいでかわいいんですよ」「ああ、かわいい」あとはだいたいこんな話をしていた。
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見通しが立たないまま、家で妻とやってみる。この時「カケラが合体できそうだったらしてもいい」というルールもあったのだが、このルールが受け入れられず険悪な雰囲気になりかける。
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慌てて片付けてルールを考え直す。せんべいを見つめていたらヒビで「人」と書いてあったので写真を撮る。人か…。
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その日の夜、布団の中で「割れせんべいはきれいに並べるといいんじゃないか」と思い立ち、ルールができていないのにカードゲームっぽいマットだけ作ってみる。
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マットに合わせてルールを考えたらそれっぽく落ち着いた。見た目から入ったらうまくいったのだ。

この時考えたルールで妻と遊んでみたところ、こちらはうまくいった。楽しくできたのだ。失敗を経験しているので分かる。これはうまくいっていると確信した。

そうして割れせんべいカードゲームの夜が明けた。朝日がせんべいのカケラ一つ一つ、その断面までくまなく照らし、敢えて割られたことへの意味を与えるだろう。ここまで来れて本当に良かった。関わってくれた皆さんに感謝します。割れせんべいのカードゲームの件だ。割れせんべいのカードゲームの件ですごく感謝している。

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