以前、ドクター中松さんが選挙活動中に顔写真入りの名刺を配っていた。それはどこから見ても目が合うという変わった名刺だったのだが、僕のたらこキユーピーもどれを見ても目が合ってしまう。たらこキユーピーを目指していたら、いつのまにかドクター中松さんの発明に近づいていた、という事を最後にご報告させていただきます。
本物のたらこを使おう
公式サイトのプロフィールによると、たらこキユーピーの身長は21センチで体重は450グラムらしい。450グラムのたらこ。割とずっしりしているのだ。「自由奔放でいたずら好き、だけど寂しがり屋さん」という性格で、兄弟は多数。年齢、性別ともに不明とある。
たらこキユーピーに関する予備知識を得たところでスーパーに向かった。生のたらこを購入する為である。
生のたらこに自分の顔写真を張りつければ「たらこキユーピー」のようになるんじゃないか。そう考えたのだ。
顔写真を1.5センチ程度の大きさに印刷して、試しに2腹分のたらこに張り付けてみた。
どんなもんだろうか?
なんだこれは? 予想はしていたが、こんなに不気味になるとは思わなかった。メガネをかけているのがいけないのか? いや、もっと根本的な問題か。キユーピー人形というよりも妖怪に近く、「たらこ」という表記よりも「鱈子」と漢字にした方がしっくり来る。妖怪鱈子。
たらこキユーピーの人気とは正反対の方向に行ってしまった感は否めない。
しかし、まだ打つ手はある。
CMにはたらこキユーピーがたくさん出て来るのだ。数が多ければかわいくなるに違いない。
よし、数で勝負だ。
そんな事もあろうかと、スーパーのたらこを買い占めておいたのだ。全部で28腹ある。1腹約30グラムなので総重量840グラム。買い物袋がたらこでずっしりだった。これらすべてに僕の顔写真を張り付けてみよう。
きっとCMのようになる、はずだ。
CMの世界を再現しよう
たらこキユーピーのCMは全部で4種類ある。第1弾の「行進編」に始まり、回転編、合唱編、訪問編と続き、いずれの作品にも多数のたらこキユーピーが登場する。たらこがたっぷり入っている、という商品特性を伝える術だと考察する。
また、小学生ユニットのキグルミが歌うCMソング「たらこ・たらこ・たらこ」が印象的で、ヒットチャートにも登った。
そんな人気CMシリーズの中から、今回は第1弾の「行進編」のシーンを真似た写真を撮る。
「行進編」は全部で84体のたらこキユーピーが食卓をピョコピョコと行進する、という作品である。
生のたらこは中々立ってくれないので、串刺しにして並べる事にした。まずスポンジに串を刺し、そこにたらこを刺す。生のたらこはほころびやすく、手がたらこだらけになってしまう。指に着いたたらこをなめながら作業をしたので、都合、1腹分くらい食べたと思う。
全部を串に刺したら、あとは僕の顔写真を貼る作業である。
この顔の位置がたらこキユーピーの命なのだ。人形師が自分の作品に目を入れるかのように、慎重に作業を進めた。そしてやっぱり指にたらこが沢山ついた。事務所内には生臭いたらこの匂いが充満している。
そんな状況の中、出来た写真が以下である。
たらこスーミー 行進編
沢山並べたからってかわいくなるはずがない。
キユーピー人形は赤ちゃんだからかわいいのだ。36才のオッサンの顔を生のたらこに張り付けたると、こういう事になるのである。
おいしくいただきました。