店員に間違えられるほどになりました
安藤:加藤さんのDIYの記事、大人気でしたね。
加藤:ありがとうございます!詳しい人が多い分野なので、初心者が偉そうなこと書くと怒られるかもなと思いながら書いたんですが、受け入れてもらえてよかったです。
安藤:初心者だったはずの加藤さんがすごいスピードで技術を身につけていくドキュメンタリーでした。あれから何か新作は作りましたか?
加藤:あの後すぐに梅雨入りしてしまったので、いまはもっぱら室内作業に専念していますね。先週は風呂場のバスタオル掛けを作りました。
安藤:もう施工業者だ。
加藤:金物のパイプを切る作業をホームセンターのサービスカウンターで道具借りてやらせてもらえるんですが、仕事帰りでネクタイつけてたせいか10分のうちに5回も店員と間違えられました。

設計図にはオートシェイプがあればいい
安藤:記事で加藤さんが設計図をワードのオートシェイプで作ってるのを見て、僕も普段なんでもかんでもパワポで作ろうとしてしまうのを思い出して、ちょっとうれしかったです。

加藤:オートシェイプは本気で便利ですね。僕は本業が理科の教師なので、実験プリントやテスト問題の図を描くのにオートシェイプは手放せません。
安藤:わかります。けっきょく慣れたソフトが一番なんですよね。設計図を書く前の段階の工夫というか、開発段階の検討の仕方も理科の教師っぽいなと思いましたよ。特にブランコ。


加藤:ブランコの構造は本当に悩みましたね。近所の公園のブランコや遊具を何カ所も見に行って写真撮っていたので、当時はちょっとした不審者だったと思います。
安藤:ブランコって作ったことがある人が少ないからネットにも情報がなさそうですよね。
加藤:ほんとそう。見れば見るほど公園遊具は堅牢性と安全性を本当によく考えて作られていることがわかり、メーカーへ見学に行ってみたいとすら思うようになりました。

安藤:その結果がこの美しいセッティングなんですね。ところで加藤さん、記事では触れていなかったと思うんですが、この写真、なんか植物のつるが巻き付いてきてませんか。
加藤:ばれましたか。ブランコは藤棚に作ったんですが、作っているうちに本来の藤の方が伸びてきちゃいまして。
安藤:ここはブランコじゃねえぞ、って藤が主張してきたんだ。
加藤:かもしれないですね。でもこの絡んでいる感じもまた素敵なので、あえて放置していますが。
初心者はまずインパクトを買え
安藤:加藤さんの経験上、DIY初心者がまず買うべき道具はなんだと思いますか?
加藤:これは間違いなく「インパクトドライバー」だと誰もが言うと思います。これの有る無しで作業効率が別次元です。銃みたいな持ち心地が気分を高めてくれるのもたまりません。「ある程度出力が強いものを買え」と詳しい人に教えられて買ったのですが、完全に思う壺ですね。幸せを感じています。

安藤:インパクトドライバーっていうのはただの電動ドライバーではなく、衝撃を与えつつネジを回すので、木材からコンクリートまで、それはもういろんなところにネジを打ち込むことができるんですよね。
加藤:さては安藤さんも持ってますね。
安藤:はい、黙ってましたが僕も棚を作ったことがあります。最初に作るべきはやはり棚ですかね。
加藤:やはり「棚」でしょうね。家に1か所ぐらいは「ここにこのサイズの棚があったら実は便利なんだけどなあ」という場所があると思いますから。
安藤:ありますね。うちにも思いつくだけでも5か所くらいある。
加藤:それがこの世界の入り口でした。いちど家の中を見回して棚の再検討をするとイメージがどんどん膨らむと思います。
安藤:ご家族はなんか言ってますか。
加藤:作っているときは特に興味なさそうな目線で見ていた割に、いざ使い始めると何だかんだ気に入って使ってくれますね。意外にどこの家の父親もあのツンデレ感がたまらなくてDIYにはまっていったりしてるんじゃないかと思っています。
いつか園長になる
安藤:そういえば加藤さん、カブトムシ飼ってるでしょう。もう羽化して出てきましたか?

加藤: カブトムシはもう少しかかりそうですが、あの小屋は近所の子供にも人気でして、捕まえた虫やカエルを「入れよう!」と持ってきてくれたりします。そしてブランコで遊んで庭の木の実を食べていくという、ちょっとした自然体験スポットになってきました。
安藤:いつか園長って呼ばれるようになると思いますよ。
加藤:それも悪くないと思います。
いつか池を作りたい
安藤:いつか作りたいと思っているものとか野望ってありますか。
加藤:子供が大きくなって砂場で遊ばなくなったら、そこに池を作りたいんです。小川も作ってソーラーモーターで水を循環させて、ちょっとした水辺の風景っぽくしたいですね。カエルが卵とか産みに来たら最高だと思いませんか。
安藤:もう園長と呼ばれる未来しか見えないですね。