イクラの粒を軍艦から降ろす
近所の寿司屋で軍艦巻きを買ってきた。
ぞくぞくする。
数を数えておけば、これから寿司屋へ行ったとき私は「知」側の人間であることを一生実感し続けるわけだ。
価値そのものではないか。
一粒一粒爪楊枝で拾って並べていく。膜べちゃっとなってしまいそうで扱いが難しい。
粒数えとしての手腕を問われる難関だ。何事にも易と難があるものだ。
扱いが難しかったのは賞味期限間近の3割引のパックを買ったため鮮度が落ちていたというのもあるかもしれない。
もっと新鮮だったり、高級だったりすれば並べやすいのかも……。
今度数えるときは新鮮で高いやつを買おう。「美味しさ」よりも「並べ易さ」という新しい価値観の到来である。
全てのイクラが軍艦から下船した。
43粒。
一パック279円の4カン入りだったので、一粒1円6銭か。
軍艦巻きの上のイクラ ねらい:粒々の美しさを堪能したい |
ここでややスピリチュアルな数えに挑んでもいいだろうか。
どうしても気になっていた粒々があるので、この場をかりて数えさせていただきたい。