プランクトンがかわいくなった
予想以上にプランクトンがいた。
しかも地味なのも派手なのも、早いのも遅いのも、食べるやつも食べられるやつもいろいろだ。
見えないところにこんな小宇宙があるなんて、感激というよりも困ってしまう。
全部美味しそうなファミレスが隣りにあった、そんな気分だ。

まずは海水をスライドグラスにセットしてもらう。
奥先生はスカートの裏地ではなく、専用のプランクトンネットを使用していた。
高いから1枚買って切って仲間で分けているとのこと。ちょっと欲しい(ちなみに目開き20μmというやつだそうです)
「海水は多様じゃないことがまずないんですよね。もうなんでもかんでもいるんですよ。」(奥先生)
ワムシは動物プランクトンで、小林さんのプランクトン図鑑には「魚のえさとして活躍中!」と書いてあった。そんな活躍のしかたあるんですね。
たった2分ぐらいである。濾して濃縮した状態だと食べ物がたくさんある状態になるので、大きなプランクトンがほかのを食べてしまうそうだ。ぜんぜんフードコートではなかった。
興奮している声も入れて長めにどうぞ
動画のなかで「めっちゃマリオみたい」と言ってるのはニセコアミケイソウがマリオの火の面のバーに似てたから(当たっても死にません)
ワムシブラザーズに興じていると奥先生からの冷静な指摘。
「浅いところっていうのは、もはやそこで戦争が始まっちゃってる場所。深いところでバケツで採水すれば、そこはまだ戦争が始まってない広い空間なので。採った時点で生物相層が全然違う。」(奥先生)
だそうだ。戦争状態の海水をさらに濃縮してスライドガラスに乗せていた。マッドマックスの登場人物を4畳半に詰め込んだような状態だった。
さて次は淡水。まずは少しきれいな池の水から。
奥先生「これは湧き水のような、わりと澄んでいる水ですね。生物の組成的には下水がはいっているようには見えない。」と推測していた。
じゃあどろっとしたほうの池の水を見よう。奥先生がろ過して濃縮してスライドグラスにのせてなにかしている。
奥先生「ミドリムシの濃縮に成功しました。ワムシを閉じ込めることにも成功しました。ワムシとミドリムシがユレモに閉じ込められてます。これは撮影のチャンスですよ。」
撮影のチャンスですよ!って結婚式みたいなことを言われてもワムシは0.3mmほどである。そしてその閉じ込められたワムシがおもしろかったのだ。
プランクトンでこんなに手に汗握るとは思わなかった。確かに撮影のチャンスだった。
ワムシのがんばりに夢中になったがミドリムシも相当派手である。
藤城清治の影絵のような色彩だ。思ったより緑じゃない。そう聞くと
「いや、実に美しい緑色のもいます」
とのこと。
海藻に隠れているカイアシ類のプランクトンには紫やオレンジの極彩色のもいるそうだ。
「たぶん海藻に合わせて保護色になってるんでしょう。今日のカイアシ類は地味でしたけどね」
海の生き物にもいろんな色があるんですねえ。
ちなみに今回の記事はこうして顕微鏡の接眼レンズにスマホを重ねて撮影している。
予想以上にプランクトンがいた。
しかも地味なのも派手なのも、早いのも遅いのも、食べるやつも食べられるやつもいろいろだ。
見えないところにこんな小宇宙があるなんて、感激というよりも困ってしまう。
全部美味しそうなファミレスが隣りにあった、そんな気分だ。
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