緊張のお色直しタイム
しばらく静かな時間が流れた後、奥から人の歩く音が近づいてきて、近づいてきた!
山琴さん「ええ、これは見ての通り、『餃子の満州』のTシャツなんですけど、ご当地もので所沢のイオンまで買いに行ったんです。その時に『3割うまい!!』っていう有名なキャッチフレーズのイラストのTシャツも一緒に買って、そっちはよく着るんですけど、こっちはあまり着ていなくて。というのも、これを着てどこに行けばいいかわからないんですよ(笑)餃子の王将に行くわけにもいかないし」
と、山琴さんはあまり着ていないというこのTシャツなのだが、他のメンバーからは「似合いますよ!」「普通の飲み屋とかに着て行けます」「っていうか俺も欲しいですよ」と、称賛の声が相次いだ。
しばらくして、カニさんが「次、行きますわ」と言ってすっと立ち上がり、通路の奥へと消えていった。待っている間、みんなで買ってきたつまみを食べたりして普通に雑談しているのもまた面白い。
しばらくして、撮影クルーのみなさんに後ろから追われるようにしてカニさんが登場した。
カニさん「これ、サトシさんと同じで、僕も自分で作ったTシャツなんですよ。これ、親戚の昔の写真をもとにしていて、おばあちゃんと親戚のおばちゃんも映ってるんですよ。母親の荷物を整理してたら古い写真が出てきて、それがあまりに味わい深いから、なんか残したいと思って、でもこれ、着る機会がないんですよ(笑)」
思い入れが強すぎて逆に着れないというカニさんの親族写真Tシャツ。他のメンバーからは「自分が着れないんだったらこの中の誰かにあげてもいいのでは?」「色味も可愛いし、っていうか説明されなければわからないし、全然着れます!」「見た瞬間、こういうバンドがあるのかな?と思いました!」と、やはり称賛の声。
今まで出番のなかった服を着ている人を「全然着れますよ!」とみんなが励ます流れが自然と生まれてきたのだった。
それぞれの、着慣れない服
次はだてめがねさんの番となった。一同、通路奥からの登場にも慣れ、歓談しているうちに、気づけばだてめがねさんがお色直しを終えてすっと近づいてきていた。
だてめがねさん「街裏ぴんくさんとスカートの澤部さんが2年連続でクアトロでツーマンライブをやって、僕はどっちにも行ったんですけど、これは2年目の方のTシャツです。1年目の方はイラストだったんですけど、2年目はこういう、写真を使ったデザインで、ちょっとインパクトがあり過ぎて……」
そんなだてめがねさんに他のメンバーは「いや、これは徹底的に着古して、古着屋さんで売っているような風合いになってからがさらにかっこいいと思います!」「格闘ゲームみたいなこのデザイン、いいです」「だてめがねさんが普段着ないTシャツ、全部ただただかっこいいですよ!」と声を上げた。
そんな中、サトシさんの口数が急に減ったと思うと、静かに立ち上がり道の奥へと去っていった。
「サトシさん、何着てくるんでしょうね」「楽しみですね」と、みんなで話し合っていると、静かに足音が近づいてきた。
サトシさん「これはね、本当に今日、買ってから初めて着ました。20年以上前に古着屋さんで5000円ぐらいで買ったんです。初めて着たんで今わかったんですけど、チャックがちょっとうまく機能しなくて、あと、着てみてわかったのだが、めちゃくちゃ暑い(笑)」
Tシャツに古着ヴィトンを重ねてきたサトシさんに一同盛り上がりつつ、「サトシさん、似合ってます!」「全然ありじゃないですか!?」と、そんなことを言っていると、「じゃあ、差し上げますよ」とサトシさんが言い、「いや、そんなそんな、大丈夫です」とみんなが言うのだった。
その後、私は「大阪のスーパー玉出のオリジナルTシャツの色違い含め合計三着」で登場し、なるほど、この会議室から通路を歩いてくる時って結構緊張するもんなんだなと知った。
するとメンバーの誰かから「サトシさんのジャケットとも合うんじゃないですか?」という意見が出た。
みんなで「ははは」と笑い合い、何をしているんだかわからなくなってきた。
結局、楽しい会になりました
ここからはその後の模様をダイジェストで振り返りたい。
どんな服だってだいたい着れる
他のメンバーのお色直しの模様を見ていたサトシさんが「申し訳ないんですけど、みなさんの服、自分から見たら、どれもただただかっこいいですよ!」と言ってまた会議室へと向かっていった。
そしてしばらくして再度その姿を現したのだった。
サトシさんいわく、このTシャツを着ている恥ずかしさから、どうしても肩が縮こまってしまうらしい。
サトシさん「なんか、これ、昔、友達の結婚式に着てったんですよ。スーツの中に着て、それがかっこいいと思ってたんですよ。これ、よく見たら作りもやけに粗くて」
サトシさん「でもこれ、今日着ていこうかなって妻に聞いたら、『絶対いける!』って言うんで、着てきました。今、めちゃくちゃ恥ずかしいです」
ぐっとくるデザインのTシャツを見た一同から「よく捨てなかった!」「友達の結婚式をそうやって祝おうとした気持ちが何より素晴らしい」「見慣れてきた」といった声が上がる。
その後も、各自が今回紹介しきれなかった「着る機会のない服」を見せ合う楽しい時間が続いたのだった。
一旦片づけをした後、居酒屋で2次会をしつつ参加メンバーに改めて感想を聞いたところ、「サトシさんの服以外はどれもだいたい着れますよね」という話になった。
実際、みんな、着替えた服のままで飲み会に来ているのである。
普段、自分が勝手にハードルを設定してしまっているだけで、だいたいの服は、外から見ればそれなりな風に見えるということなのかもしれない。
で、あれだけ恥ずかしがっていたサトシさんも、「いや、人前で一回着たら全然いけるっすね!」と、最終的にタキシード風Tシャツで飲んでいたので笑えた。


