「海苔を巻いたミカンにしょうゆかけるとイクラになる」もイクラにはならない
「ウニの中のウニが決まる」と書いたけど、ウニの中のウニは、ウニだなと思った。 プリンにしょうゆで思い出したけどミカンに海苔を巻いて、しょうゆをつけて食べたらイクラになると聞いて食べたらぜんぜんイクラじゃなかったことを思い出した。 久しぶりに食べてみたらこれでこれでありだなと思った。
小学生の頃にプリンにしょうゆをかけたらウニの味になると聞いて試したことがある。ウニなんて食べたことがなかった私は「これがウニかー」と思って食べた。
そして、大人になってウニを食べたら「ぜんぜんプリンにしょうゆをかけた味とは違うな」と思った。
しかし、今、世の中にはウニっぽい食べ物がたくさん出ている。ウニっぽいものブームだ。どれがおいしいウニに近いのか、ウニの中のウニが今決まる。
ウニをそのまま食べるよりもウニ軍艦にして寿司として食べたい。そのほうがおいしいじゃないか。なのでシャリを作ろうと思ったが、面倒だ。どうしようか調べたら、回転寿司チェーン店のスシローでシャリだけを買えるらしい。
食べ比べしようにもウニってどんな味だったか覚えてない。まずは食べるかウニ。
ウニである。スーパーに売っておらず魚屋で買ってきたウニだ。「箱ウニ」というたっぷりウニが入った商品もあったが4000円近くするので「試しに食べるには値段が高いな」と思って小さいのを買った。偉い。
ねっとりした食感の中に、ウニ特有の甘さがふわっと出て来たかと思えば、苦みで終わる。そして口の中に残る濃厚な磯の香り。大人の味である。
「うにのようなビヨンドとうふ」という商品名のこちらは友人が「おいしいので食べてください」とDMをもらったのがこの企画のきっかけでもある。調べたら色々とウニみたいな食べ物が色々と発掘できたので食べ比べしようと思ったのだ。
濃厚でしっとりした食感と食べた瞬間の味がまるでウニのようだ。口の中にウニがいるなーと思っていたら、大豆の味が勢いよく通り抜けていった。
ウニにかなり似てる豆腐だ。おいしかった。本物を買うよりも安いのでいいな。
ウニに似ている商品を探していたら「山うにとうふ」というのを見つけた。熊本県五木村という場所で作られた豆腐の味噌漬けである。通販でも買えるが、都内のアンテナショップでも買える。
見た目は全然ウニに見えない。でも、軍艦にしても見えないがおいしそうではある。
口にいれようとした瞬間に味噌漬けの風味豊か香りがする。磯の香りは一切しない。山の近くに住んでいたおばあちゃんの冷蔵庫を開けたときに感じたにおいだ。
味もウニとは全然違うが、味噌漬けと酢飯って合うんだというのが今回わかったので、よかったです。うにじゃないけどおいしい。おいしいっていいことだから。
皆さんはこちらの商品を見たことがあるだろうか。
こちらは「ネクストシーフード うに風味」という一正蒲鉾株式会社という練り物を扱う会社で作られた、魚肉のすり身を使ってウニを再現した商品だ。オンラインショップを見たらウナギを再現したうな次郎という商品もあった。
見た目は未来のウニという感じだ。将来的にこれがウニになったら「昔は、イガイガしている黒い生き物を割って食べていたんじゃ」と孫に伝えたいと思う。
見た目もウニっぽいが、味もウニだ。寿司屋で出されたら「このウニおいしいー」と言いながら食べるだろう。その姿を見て、板前さんほくそ笑むと思う。
磯の香り、ほのかな甘さ、ウニである。食感もウニにしてはプリプリしている感じがするが、これはウニです。ほぼウニ。ぼウニ。
コンビニに行ったら「うにせん」などのウニ味のお菓子が色々とあるが、ポテトチップスコーナーにウニ味のポテトチップスがあった。その名前も「うにまみれ」
おいしいがウニでは全然無い。そこにはウニはおらず、あるのはおいしいポテトチップスと酢飯だった。こういうご飯、大学生の頃に食べたな。
昔から「プリンにしょうゆをかけたらウニになる」と言われている。たぶん、今まで何百万人の人が人たちがやってきたと思うが、その人たち全員、「違うな」と思ったことだろう。その気持ちわかるよ。
でも、大人になってからやってない。もしかしたらウニの味を理解した結果、ちゃんと味わえばウニかもしれない。
寝起きで見たら「ウニ?」と思うかもしれない。今、ちゃんと見たらプリンだった。シャリにプリンがのっている。自分でのせといてなんだがのらなくていいのにと思った。
何十年ぶりに食べるプリンにしょうゆはウニなのか。食べてみる。
味としては、最初、プリンの甘さがやってきたあとにすぐにしょっぱさが来る。そして酢飯の味。全部バラバラの味が口の中で広がって、最初にこんなことを言い出した人に「なんでこんなことしたの?」と事情聴取をしたい。
でも、思ったことがある。プリンにしょうゆって磯の香りがないからウニじゃないのではないのか。海苔だけでは磯の香りが足りないのだと思う。
海水の香りを嗅ぎながらプリンにしょうゆのやつを食べたら、ウニになるのではないのか。これを思いついたとき、次のイグノーベル賞は取れると思ったね。
靴が砂だらけになった代償に海水を手に入れた。何かを得るためには何かを失わなければならない。そのことを知った、梅雨の海だった。
さてどうだろうか。食べてみよう。
どうだウニか?イグノーベル賞は取れるのか?
求めていない甘じょっぱさが口の中で広がる中、鼻からはさわやかではない、むしろ臭い磯のにおいがする。一言で言えば最悪。何かしらの罰を受けたのかと思った。
「ウニの中のウニが決まる」と書いたけど、ウニの中のウニは、ウニだなと思った。 プリンにしょうゆで思い出したけどミカンに海苔を巻いて、しょうゆをつけて食べたらイクラになると聞いて食べたらぜんぜんイクラじゃなかったことを思い出した。 久しぶりに食べてみたらこれでこれでありだなと思った。
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