一筋縄ではいかない満腹
今回の調査は自分の満腹感覚に自信がないため行ったものでしたが、満腹の多様性に惑わされるばかりでした。満腹には他にも油っぽさや胃の容量など他の満腹の種類もありそうなので、それを調べるのも面白そうだと思いました。
私は4日連続の満腹調査から解放されたので、今度は肉だ!とんかつ屋さんに行き、調子にのり大盛りを頼んだ結果、いつものように苦しんでしまいました。むしろ学びを生かさない姿勢に問題があるのかもしれません。
いまだに自分の満腹具合がわかりません。
若い頃から親譲りの無鉄砲でおかわりばかり頼んできました。そして結果はいつも苦しんでばかりでした。ご飯のおかわりをするべきかしないべきか、それが問題なのです。自分はいつもその踏切ポイントを間違えておかわりしすぎてしまいます。今回は自分を見つめなおし、問題に決着をつけたいと思います。
自分の満腹具合を完璧に理解するために、食材別に満腹度の記録を取ろうと思う。そして、どんな風に満腹になっていくかを体感の満腹度と重さのグラフで可視化する。
最後にデータを根拠にきっちり満腹になるフルコースを作ろう。きっちり満腹になる感覚、味わうぞ!オー!
【実験方法】
各食材の満腹度を適切に測るように次のルールを決めました。
・飲食物の量を計測しながら食事をする。
・自分の満腹度が何パーセントかのメモをする。
・食べられない・満腹となったら100%とする。
・余った飲食物はまた余裕があるときに食べる。
用意する食材は「寿司」「サラダ」「パン」にしました。家には調理器具が一切存在しないので、このようなラインナップになりました。たぶん健康に良い食品の数々です。
検証は明日から。毎日が勝負です。
大好きお寿司です。回転寿司ではいつもたくさん食べています。数は数えていませんが。でもお寿司は好きだからきっとたくさん食べられるはずです。気持ちだけは「寿司ならば無限に食べられる」です。デイリーポータルZに伝わる有名な言葉のオマージュをしてしまいました。
無限というからには気持ちは2キロはいける気マンマンです。でも、わずかばかりの理性がちょっとやりすぎだと言ってます。
なので、間を取って4人前予約注文しました。色んな寿司を頼むより、単品のほうが満腹のリアルがわかるかとおもって赤身一種類にしました。むしろ華やかです。
しかも、持ち帰っている最中に、もしかして4人前じゃ足りないかもと思って、ネギトロまきもスーパーで買ってしまいました。
未来の自分を信じすぎかもしれません。
合計5人前のお寿司たち。パーティの始まりです。
1個30gです。2キログラムには、約67個食べる必要があります。これは5人前じゃ足りないですね。急いで食べ終わって、残りを買ってこなきゃいけないですよ。
しかし、お寿司は美味しい。部屋がお酢のにおいでいっぱいです。
きっかり4人前でお腹いっぱいになって、ネギトロ巻きまでたどりつきませんでした。私の完璧な計算が間違っていたとは。
次にグラフを作成します。1列目に各お寿司の重さ、2列目にその時点での体感満腹度、が記入されたノートが出来上がりました。つぎに、Excelに手入力で移します。最後にプログラムで「うりゃああ!」とすると次のグラフが出来上がります。
やはり最後の追い上げがすごい。高三の学力の伸びと全く同じです。このまま東大合格です。
体感30%、600g時点のときに胃の容量が満腹というよりかは脳みそが「今あなたは満腹ですよ」と伝えてきている感触が出てきました。
60%を越えると加速度的に満腹度が急上昇、お寿司がお腹の内側から外に押し出しが強烈です。
腹の中のお寿司の自己主張が授業参観です。新米教師ではさばききれません。満腹で苦しいというよりか「ちょっとまって」といなす気持ちが生まれてきました。
余った巻物は、2時間後にいただきました。
サラダです。普段はサラダをメインで食べる人間ではないので、ドキドキです。サラダバーよりドリンクバーな人生です。
森のようなキャベツです。合計約1200gです。昨日はお寿司が約1kgだったので昨日と同じ量です。ちゃんと考えて買ってきました。過去から学習しています。
さて、サラダなのですが、やはり生はたいへんです。
なかなボリューミー、いかんせん調理器具も家にはないのでゆでることもできません。これは昨日までとは違い、気合が必要かもしれません。そして1皿食べて思いました。気合で解決できないこともあります。
胡麻ドレッシングです。味方が出来て私も喜んでいます。
というわけで、合計約750g食べました。
サラダはお寿司と違い、そこまで満腹を感じませんでした。水分が多いのも理由でしょう。
お腹がいっぱいというよりかは、脳みそに「普段は食べないサラダをここまで食べたんだから、このあたりで終わりにしよう」と交渉を持ちかけられます。
胃が満腹、脳みそで満腹ではなく精神で満腹という感じです。
最終的に、自分の精神も折れてしまいました。これが満腹ということにしておいてあげます。サラダと自分、結果はドローです。
こんにちは、パンです。写し忘れたのですが、もう一斤あります。合計5斤です。今日なら5斤食べられる気がします。パンは軽いから大丈夫。
ただ問題として、今まで夜に調査をしていたのですが、夜に用事がありお昼ご飯での撮影です。だけどお腹がすいているしきっと大丈夫。
最終的に、550g、1斤と3/8斤で終了です。
5斤食べられる気がしたのですが、いまだにお腹と相談できていないのかもしれません。何がいったいいけないのだろうか。
パンの満腹はまた、今までと違ってアゴにきました。
お寿司とサラダは飲み物でした。パンは噛ませます。噛んでも、噛んでもパンが終わりません。
計測の都合で水はのめないですし、お口の中の滞在期間が非常に長い。私に足りないのは水だったのかもしれません。お口からからでパンは良くなかった。
お腹の満腹に影響はそこまで来ないのですが、アゴと脳みその満腹コラボレーションで、あっという間に満腹です。
ここまででわかったことは満腹の種類が複数個所あるということです。
1つ目の寿司は、満腹中枢の満腹。
2つ目のサラダは、もう大丈夫だろうの満腹。
3つ目のパンは、アゴの満腹。
我々が普段認識しているのは、実は別々の満腹だったのでした。
4日目は、今まで食べたものを組み合わせてフルコースを作ります。
理論上きっかり満腹になるようにセッティングしました。それぞれ満腹になった量の1/4を用意しています。
そして、最後に調整用の水を追加しました。パンのお口カラカラに対抗する最終手段です。残りの1/4の量は水です。
水は、サラダの1/3程度と見積もって600gにしました。水には中毒症状があるので無理には飲みません。自分は、パン、サラダ、寿司よりもお水の方がたくさん飲める気がします。会社じゃ水が好きなことが知れ渡りすぎて、会議後の余った水が全て自分に渡されるほどです。
そして、ここに水600g、お寿司8個、サラダ約180g、食パン3/8斤のフルコースが生まれました。透明なコップに透明な水はちょっとスケスケすぎますね。もっと色付きのものにすれば良かったです。
こんなに見た目が地味なことがあるんですね。色はバラバラなのに彩がないという摩訶不思議な状態です。
沢山のキャベツがあると、お寿司のバランが少しさみしく感じます。こう、前菜主食主食水はアンバランスだとは気づいていませんでした。
そして、挑戦した結果満腹にはなりませんでした。もしかして毎日満腹まで食べることで胃が大きくなってしまったのかもしれません。もしくは水のことを過小評価してたのかもしれません。満腹度の道は厳しすぎる。
世の中の人はこの満腹度をわかって食事をしていると考えると尊敬がとまらないです。
今回の調査は自分の満腹感覚に自信がないため行ったものでしたが、満腹の多様性に惑わされるばかりでした。満腹には他にも油っぽさや胃の容量など他の満腹の種類もありそうなので、それを調べるのも面白そうだと思いました。
私は4日連続の満腹調査から解放されたので、今度は肉だ!とんかつ屋さんに行き、調子にのり大盛りを頼んだ結果、いつものように苦しんでしまいました。むしろ学びを生かさない姿勢に問題があるのかもしれません。
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