特集 2018年10月31日

こんなの床屋じゃない! 人形&ちょうちん職人がやっている謎の床屋

タイトルも写真もとっちらかってますが、そういう店だったんです

昨年、「ガンダム床屋」というすさまじい床屋を取材した青森県にまた来ています。

なんと「ガンダム床屋」にも負けない、スゴイ床屋が青森にはまだあるらしいんですよ。……どんな土地柄なんだ、青森県!

行ってみたら、天才&クレイジーの狭間をギリギリ爆走する作品を作りまくりなおっちゃんのやっている床屋でした。

1975年群馬生まれ。ライター&イラストレーター。
犯罪者からアイドルちゃんまで興味の幅は広範囲。仕事のジャンルも幅が広過ぎて、他人に何の仕事をしている人なのか説明するのが非常に苦痛です。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。

前の記事:カレーにそば。弘前の人、何にでもりんごを入れすぎだよ!

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今の若い子はみんな美容室の方に行っちゃうじゃない。オシャレだから。わざわざこんな入りづらい床屋になんて来ないもんな。

それに、好きな髪型にできるわけじゃないし、つまんねぇもん。

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はあ……。(そりゃあ、おっちゃんの好き勝手な髪型にされたら困るよ!)

 

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それじゃあ、この(アヤシイ)人形は……?

 

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ああ、それは作ったの。
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本業は人形作家ということですか?
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いやぁ~、人形で食ってくのなんてムリだぁ~。ぜーんぜん売れないもん。だからちょうちん作ってるんだよ。夏前とかはそっちが忙しいな。
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ああー、「ねぶた」の!

 

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「ねぶた」でちょうちんの需要が多いのは分かりますけど、人形もこれだけクオリティが高いと欲しがる人がいそうですけどね。
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いやー、売れない売れない。個展をやっても誰も来ないもん。みんな好きじゃないんだな、こういうの。

「おばけ屋敷に持ってけば?」なんて言われるもん。

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あー……まあ、そういう感じの人形もありますけどね。
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おばけっぽいけど、コレはコレですんごいクオリティですよ

 

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肌の質感とかがスゴイ独特ですけど、どうやって作ってるんですか?
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肌の表面がデコボコしていて、妙な生々しさがあるんですよね

 

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それはね、石こうを削って形を作った後に布を貼ってるの。
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ほー。人形の作り方にそういう技法があるんですか?
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いやぁ、自分で考えたから。
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独学! 昔、美大に通ってたとかでもなく?
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理容の学校に行ってたからね、床屋をやって食ってかなくちゃならないから。

みんな美大とか行きたがるけど、美大って色んな技術は教えてもらえるかも知れないけど、オリジナリティは手に入らないでしょ。

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(何かスゴくいいことを言われている気がする!)
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ちなみに、奈良○智の絵や人形が沢山ありますけど、好きなんですか?

 

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いや。それ、俺が描いたもんだから。
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は? 店長、奈良○智なの!?

当然、そんなことはなく、おっちゃんは以前、奈良○智(青森県出身)と何かでモメたらしく、腹いせに「こんな絵くらいオレでも描けるわ!」ということで作ったものらしいです。

※いかんせん、人を食ったようなつかみどころのないおっちゃんなので、どこまでホントの話なのかは不明です!

 

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腹いせに作ったにしても異常にクオリティが高い
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モメた相手の作品をここまで作っちゃうモチベーションがどこから来ているのか……
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この辺の古道具っぽいものは自分で作ったわけじゃないですよね?
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うん、この辺のは集めたヤツだね。みんな新しいものばっかり使いたがるけど、オレは古いものの方が好きだな。
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確かに、床屋関係の設備もレトロでいい味だしてますもんね。

 

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昔の床屋って感じでカワイイ!
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鏡の下の取っ手を引くと洗髪台がバカッと……これもイイ味出してます
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床屋椅子には灰皿も。髪を切られながらタバコ吸ってたのか……昭和!
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これはレトロじゃないよ! 買った当時は最新だったんだから! ……40何年か前だけど。コンピューター入ってるんだよ!
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コンピューター????(結局、何がコンピューターなのかはよく分からなかったです。電動ということなんですかねぇ?)
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古いものコレクションが集まりすぎたおっちゃんは、床屋の横に古雑貨&自分の作品を販売するお店をオープンしています
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こちらのお店も、ほぼ床屋と同じテイストというか……

 

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なかなかカオスな商品ラインナップです
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あ、「1・2の三四郎」のキーホルダーだ! 欲しい!

 

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コレ、買いたいんですけど、値札がまったくついていないんですよ。……いくらなんですか?
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えー、買うの? いらないでしょこんなの。荷物になるだけだよ、やめときな。
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いや……ホントに欲しいのに……。
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買わない方がいいよ!

 

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蚕のまゆで作った起き上がりこぼし。最近はこんなのも作っているそうです
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じゃあ、この作品を売ってくださいよ。カワイイし、小さくて邪魔にならなそうだし。
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それ買うの? ……うーん、何だかもったいなくなってきたなぁ……。イヤだなぁ、売りたくないなぁ。
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(人形が売れない売れないって言ってたけど、売る気がないんでしょ!)

 

 

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つかみどころがなかったけど、粋なおっちゃんでした

たぶんものすごい天才なんだと思う

異常空間な店内も相まって、言ってることがどこまでホントでどこまでフェイクなのか……最初っから最後までおっちゃんに翻弄されまくってしまいましたけど、作っている人形はホントにスゴイ。

どうして儲ける気のない床屋&古雑貨店をやっているのか、作品を売る気はあるのか……などなど、様々な謎が脳内をかけめぐりますが、ゴールのないまま突っ走っているのが天才ってもんなんだろうなぁ。

なんとおっちゃん(黒滝武蔵)公式サイトもあるんですが、そこに掲載されている人形たちはものすごくまっとう! ……かと思いきや、異常なのがちょいちょい混ざってたりします。す……スゴイ!

http://kurotaki.vipcelsior.com/

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●バーバー千刈
青森県青森市千刈3丁目3-4
【電話番号】017-777-5453
【営業時間】不明
【定休日】不明

※たぶん、床屋としてはほぼ機能していないと思います。アトリエ(?)の見学をしたい場合は事前に電話をしてからの方が安心です。

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