食卓塩の木型を購入
DIYによって、食卓塩の瓶の形の鉛筆立てを手に入れることができた。
こうなると、他にも「推し」のグッズを集めたくなるものだ。
メルカリで「食卓塩」と検索すると、食卓塩の形のキーホルダーやワッペンが出てくる。それを購入しようかどうか、迷う日々だったが、ある日変わったものを見つけてしまった。
「菓子型 塩販売組合 食卓塩」という出品だった。
2,280円送料込み。気づいたら購入していた。つまり衝動買いというやつだ。
売主の方にメッセージで来歴を訊いてみたところ、「茨城県県央地域の家の立て替え時に、家屋から回収したもの」ということしかわからなかった。
落雁という干菓子を作るための木型らしい。
落雁について、お供えとかになっているイメージはあるが、ほとんど知識がない。
手元に届いた木型は縦30センチ、横6センチ。どうやら中にこの落雁という菓子のもとになる粉を入れて、型押しのように使うものらしい。木枠が2つに分かれていた。
一体、いつの時代に何のために使われていたものだったのだろう。まず、図書館で、塩というキーワードで出てくる資料を読んでみた。
塩販売組合と書かれた落雁の話にたどり着けなかったどころか、塩販売組合について記載のある文献も見つけることができなかった。きちんとした一次資料にあたりたければ、大学図書館とか、国会図書館とかに行かないとだめかもしれない。
しかしAI先生(要するにchat GPT)に聞いてみたところ、次のような説を述べてくれた。
・「食卓塩」のガラス瓶は1950年以降に普及したデザイン
・木型の構造は昭和中期の和菓子木型によく見られるもの。
・以上から、この木型は昭和30年代(1955~1965年頃)に塩の販促用として落雁を作るための型だった可能性が高い。
・お供え物の落雁と考えるにはサイズが小さい。
AIの言うことの真偽はわからないが、少なくとももっともらしい話ではある。
落雁の長さは6センチほどで、小ぶりだ。お供え物というよりは、たくさん作って、配布したのではないかと私も想像した。それに、メルカリの出品者の方の年齢はわからないが、出品者の親族の方の持ち物にあったらしく、年代を推し量ると戦後まもない昭和30年代頃というのも、間違ってはいなさそうなのである。
これで、「推し」のグッズは手に入れた。木型を購入した際には、壁に掛けて飾っておいたら面白いかな、と思っていた。
しかし、この木型で「塩販売組合 食卓塩」と書かれた落雁がたくさん作られ、配布された時代があったことを想像すると、一度は作ってみなければいけない気になった。
落雁を作ってみる
当然のことながら、落雁を作るのは初めてだ。というか食べたこともない。
落雁を作る材料を調べて、和三盆とみじん粉を、インターネットで購入した。
和三盆はきいたことがあるとして、「みじん粉」という粉が売っているのは初めて知った。例の木型を入手しなければ、一生知らなかった知識だろう。
余談だが、「寒梅粉」という粉でも落雁を作ることができるらしいと知った。「寒梅粉」と「みじん粉」の名前の落差が気になった。
先に書いておきたいのだが、落雁を作るのは、めちゃくちゃ難しかった。
ここから書くのは、成功したときの作り方だけど、全部で4回も作った。
だから、記事にも自分なりのコツを書ける。何度も言うが、食卓塩の瓶が好きでなければ、絶対に身につく機会のなかったスキルだ。
まず和三盆と水を混ぜる。
和三盆とみじん粉を先に混ぜたほうがいいという説もあるが、砂糖と水を先に混ぜておいたほうが全体に水分を行き渡らせやすかった。
次にみじん粉を入れて混ぜる。
みじん粉と和三盆の配合に関しては、ある程度自由にしてよいようだ。ざっくり言うと、和三盆が多いほうが口溶けがよくて美味だが、綺麗に型が抜けることを優先するのなら、みじん粉を多めにしたほうがいい。もちろん、散々失敗した後の私の4回目の配合は、みじん粉多めです。
粉を混ぜ合わせて、この段階で、必要なら、水を足す。
ぎゅっと握って、固まるくらいの水分が必要だが、多すぎる水分は禁物だ。
最後に、これが一番大事だと思ったのだが、全体をふるいにかける。そうするとダマがなくなる。初回は、ふるいを使わず、大失敗した。
合わせた木枠の上から粉を詰める。
そして、本来は、余分な粉を木の板ですり切り平らにする。型抜きがちゃんとできるほど、中身が固まっているのか、わからなくて不安になる一瞬でもある。最終手段として私の場合は上から指で押したりもした。

