やり方
簡単にやり方を説明すると
ちなみに「斜にかまえる」を辞書で調べると、「物事に正対しないで、皮肉やからかいなどの目で見ること」とある。
わかりやすく言えば、1分間は皮肉めいた目で見て、1分間は素直に感想を言ったり肯定してみたりする実験である。
ひとりじゃ心もとないので、今回は後輩と一緒にやることにした。
とりあえず流行っているタピオカを例としてやってみる。
まずはこの調子で「1分間タピオカについて存分に斜にかまえる1分間」をやってみてもらおう。スタート!
「あんなこぞって飲むほどではないよねえ」とアクセル全開のかまえを見せている。これはこれですごい技術だ。
と言ってるうちに、すぐに1分が経過した。
二人とも「まあこんなもんか」という表情だ。
次は「斜にかまえない」1分間である。
この流れから素直に褒めたり感想を言えるのだろうか。はじめ!
ここで1分終了である。どうだっただろうか。
「斜にかまえる1分」と「斜にかまえない1分」ではモノの見え方がまったく違うと話している。私も体験してみたい。
何気ないモノでもやってみる
タピオカはあからさますぎたので、今度は普段なにも思わないアイテムでもやってみることにした。
さっきは斜にかまえることからスタートしたが、今回はかまえないから始めてみることにした。では開始!
ここで1分終了だ。
あまりに隙のないたたずまいに「この消しゴムについてはさすがに斜にかまえるところない」と意見が一致した。
素晴らしい製品である。
でもルールなので、続いては「MONOについて斜にかまえる1分間」をやってみよう。スタート!
本当に驚いた。斜にかまえず見た時には見えなかった欠点(なのかもわからない)がいきなり見えてくるのだ。
あんなに「素晴らしい製品だ」と思っていたのに、いまでは「進化しない昔のもの」にすら見える。消しゴムは変化しなくていいのに!
かまえた時、かまえない時、どちらが自分の本心なのかもわからなくなってきた。スタートの設定によってこんなに自分の感想が変わることに軽く引いた。
参加者全員が「なんだこの感覚は」「自分が怖い!」と言う。
外に出てフリースタイル切り替えをしてみる
モノだけでなく外でも1分切り替え体験をして見ることにした。
では1分「斜にかまえない」からスタートしてみよう。
〜終了〜
タピオカの時と同様、斜にかまえずに見ると気がつく範囲が広くなり、追加で調べる傾向があることがわかってきた。
だいたいそこで新しい発見があり「うわー!知らなかった!」が出てくる。
と、いろんな感情が混じってきたところで次は「マンホールについて斜にかまえる1分」である。はじめよう。
〜終了〜
「斜にかまえる」だけでここまで自分が悪いことに気がつくことが怖くなってきた。
でも、よくよく考えると悪い指摘も間違ってはいないこともある。「カラフルにすべき」は言いがかりだが、ベビーカーはガタガタするだろうし、掃除がしにくいのは事実だ!
「斜にかまえる」「かまえない」で写真撮影もしてみる
モノに対してはうまくいったが、動作に対してはどうだろうと考えた。その中で出たのが「仲間と肩を組んで写真を撮影する」だ。
写真を撮影する
まずは斜にかまえつつ、肩を組んで撮影してみよう。
「これに関しては斜にかまえることしかできない」
「そもそも苦手だ」どんどん自信がなくなっていく。
でもこれまで数々の「切りかえ」に成功してきた我々だ。
ではここから1分間、斜にかまえず肩を組んで撮影してみよう。
「いきなり一体感出た!!!」「めちゃくちゃ楽しそうに写れてるよ!!」と自信が湧いてきた。
すごい、心の持ちようだけで写真撮影はこんなに面白くなる。さっきのどんよりした気持ちがうそみたいだ。
一連の実験をへて、私たちは「とりあえずなんでもかまえたり、かまえなかったりを切りかえるだけで新しい発見があるので得した気分になる」という結論に達した。
あと普段「斜にかまえるだけ」ということが恥ずかしくなった。
今後は「かまえないタイム」「逆にかまえるタイム」も導入していきたい。