まとめ
いつかカフェをやりたいな、と思っている。いろんなコンセプトが考えられるが、たとえば数学というテーマでも楽しいだろうなと思う。メニューとしてぼくが思いつくのはこんなところだが、他にもいろいろなアイデアがありそうだ。ぜひ教えてほしい。
なお、立方体の断面で六角形がうまく作れなかったのはいまだに悔しい。
カフェなのでコーヒーを出すわけだが、やはりその器にも凝りたい。
今回ご用意したのは二段に積み重なったコップ(それぞれ50ml)である。
ただし上のコップには穴が空いており、コーヒーを注ぐと毎秒1mlの速さで下の容器にこぼれるようになっている。
お客様には100mlのコーヒーを別のカップで渡すので、上の容器からも下の容器からもこぼさないようにうまく注いでほしい。うまくいったら時間と注いだ量の関係をグラフにしてみるのもおすすめだ。
つづいては「シベリア」という菓子パンを四枚に分解した創作スイーツである。
モチーフは、だれもが聞いたことはあるだろうピタゴラスの定理である。
すべての三角形(スポンジとあんこ)は合同な直角三角形なので、上の図をもとにごにょごにょと計算すると、ピタゴラスの定理
が証明できる、という図だ。
だんだん話が込み入ってきたので、理屈っぽい話には立ち入らずにおきたい。ピタゴラス(ギリシア住み)とシベリアの夢のコラボに思いを馳せながら食べてほしい。
数学好きに丸いケーキを与えると、さまざまな方法で三等分しようとすることが知られている。
そこで、あえて丸いお菓子をそのままの形で提供するのがこのメニューである。
そのまま食べるもよし、独創的に三等分するもよし、定規とコンパスのみを用いて17等分するもよし。
最後のはガウスの逸話である。
つづいては「ポリンキー」という三角形のお菓子を三角形に並べたメニュー。
モチーフは「シェルピンスキーのギャスケット」だ。三角形のなかを三角形にどんどんくり抜いた形になっている。
数学好きにはよく知られているモチーフなので、きっとニヤっとしてもらえるはずだ。シェルピンスキーとポリンキーで韻を踏んでいるのも気に入っている(思いついたとき勝ったと思った)。
ただ、本来のほうは三角形をどんどんくりぬいた極限なので、面積としてはゼロになっている。それに倣うなら体積がゼロのポリンキーを出すべきだが、それでお金をもらうわけにはいかないのが悩ましい。
これはもう高校の範囲なのでさらっと。積分のテクニックの一つにバームクーヘン積分というのがあるのだ。
だから理系で大学受験した人のいくらかは、バームクーヘンをみると頭の片隅に積分がよぎると思うし、わざわざ数学カフェに来てくれる人ならなおさら「あったねー」と思ってくれると思うのだ。
こういうやつです。なんかやったなーと思ってくれればいいので、詳しくは触れない。内側から一層ずつ剥がして食べてほしい。胃に積分されていくので。
いつかカフェをやりたいな、と思っている。いろんなコンセプトが考えられるが、たとえば数学というテーマでも楽しいだろうなと思う。メニューとしてぼくが思いつくのはこんなところだが、他にもいろいろなアイデアがありそうだ。ぜひ教えてほしい。
なお、立方体の断面で六角形がうまく作れなかったのはいまだに悔しい。
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