特集 2020年3月6日

よい肉で、すっげぇポークを作りたい

沖縄県民に愛されているポークランチョンミート、通称「ポーク」は自作できるらしい。すごく良い肉でポークを作ったら「すっげぇポーク」ができるんじゃないだろうか。

新潟出身。沖縄に来てそろそろ15年くらい経つのに泳げないため全然沖縄を満喫できていない気がする。最近の悩みは高血圧。

前の記事:沖縄ではタピオカを天ぷらにしていた


沖縄県民のポーク使いはすごい

食肉を原料とした缶詰ランチョンミート。他県ではあまり見かけない食材だが、沖縄県では無くてはならないものとして県民の間で広く、そして深く浸透している(ランチョンミートはすべてひっくるめて「ポーク」と言われている)。

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スーパーで見かける種類も圧倒的に多い

もともと豚食文化があった沖縄県では戦後のアメリカ軍の統治時代にポークが広まったらしいのだが、おにぎりに、そして味噌汁の具に、はたまた大衆食堂にいけば「ポーク玉子」定食なるメニューもある。

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食堂のポーク玉子定食

一度食堂で食べた「ポークカレー」の肉がポークだった時には笑ってしまった。

さて、そんなポークだがこの前ネットを検索していたら偶然自作のレシピを公開している人を見つけてしまった。それまで漫然とポークは商品を買うものと決めつけていたのだが、レシピを見る限り僕でも作る事ができそうだ。

なるほど。じゃあポークを作ってみようじゃないか。そしてどうせ作るならば、すごく良い肉を使って「すっげぇポーク」を作ってみたい。

良い肉=アグーを買いに行く

良い肉とはなにか…色々定義はあると思うのだが、沖縄で豚肉と言えばアグーという沖縄在来の黒豚が有名である。戦後に激減して絶滅したと思われていたが、その後の調査で少ないながら生き残りが確認されて復活したというすごい経緯がある。

昔の沖縄の人が豚肉について書いたエッセイなどを読むと「日本本土の豚肉はなんかくさい」「白豚はキモい」みたいなことが書かれていて、随分味が違ったのだろうなと思われる。正直な話、残念ながら僕にはそこまで味の違いが分からないのだけれど、やっぱりすっげぇポークを作るためにはアグー肉をチョイスしておきたい。

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和牛って書いてあるけど豚肉も売っています

というわけで、まずは肉屋さんに。

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サイトに載っていたレシピでは肉の部位はバラ肉がよい、と書かれていたのだけれどバラ肉がかたまり単位で5000円くらいしたので、すこし日和って3000円くらいのアグーのもも肉ブロックを購入した。

ポークを作ろうじゃないか

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豚肉が用意できたのでレシピ通りに他の材料も揃えてみた。香辛料系は塩、胡椒、セージとナツメグ。それではポークを作っていこうと思う。

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レシピ通りに作っていこうと思ったのだが、失敗した時のリカバーも考えて豚肉800gのところを400gと半量で作っていくことにした。

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豚肉は細かく切って、香辛料をまぶす。

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レシピには冷蔵庫で1日寝かせると書かれていた。というわけで1日目の作業はこれだけで完了。

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ポークは本当にできるのか

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二日目。いよいよ豚肉をミキサーにかけていくのだが、その前にたまねぎ、ニンニク、卵白、片栗粉をあらかじめミキサーにかけておく。よく分からないけどつなぎ的な役割なんだろうと思う。

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たまねぎ他は問題無くミキサーにかけられた。ここまでは特に間違いを犯さずレシピ通りに進んでいるはずである。

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続いて冷蔵庫から冷凍庫に移し替えて1時間おいた豚肉をミキサーにかける。ここで問題が起こった。レシピには「豚肉は複数回に分けてミキサーするのがよい」と書かれていたのだが、ミキサーの力を過信して全ての豚肉を入れてしまったのだ。

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その結果、いつまでたってもミキサーの刃が豚肉がきちんとすりつぶせないという結果に。塊部分をミキサーの歯の方に混ぜて寄せてみるものの全然混ざらなくなってしまった。完全にプロジェクトの危機…!

最終的にはにっちもさっちもいかず、結構肉の塊がある状態で妥協することに。

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レシピではラップで包んでハンバーグ状にしているが、今回目指しているのはあの缶からにゅるっと出す感じのポーク。というわけで、空のポーク缶を用意してそちらにミンチされた豚肉を詰めていく。

最初に豚肉を1時間冷凍庫に入れたのは、恐らく冷たいままで肉を処理するためだと思う。気になって豚肉を触ってみると、結構温かくなってしまった。色々不安が残る…。

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最後は60-70℃のお湯で40分くらい加熱。

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途中、ハプニングはあったものの、ついにすっげぇポークの完成である。もうすごくなくて良い。とりあえずできていてくれれば…。

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すっげぇポークを食す

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いよいよ出来上がったすっげぇポーク。出来を確かめてみよう。

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型を下に向けてゆっくりとポークを取り出してみる。

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さあ、どうだ。

ポークの缶に入れて作ったので、当然といえば当然なのだが見た目は完全にポークの食べ物ができあがった。

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ドキドキしながら包丁で切ってみる。

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ちゃんと火も通っているっぽいし、ミキサー仕切れなかった豚肉の塊も見た目ではどこにあるのか分からない感じになった。これはうまくいったのではないだろうか。

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さて、どうだ。

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うん。普通にうまい。

通常のポークより肉々しい仕上がりではあるが、豚肉の味もしっかり残しつつ、美味しいポークが出来上がった。あれだけやきもきしたミキサー処理だったが、もっと粗挽きにしても良かった気もする。

うまいのだが、市販のポークとは何か別のものが出来上がった感はある。オリンピックで言えばマラソンと水泳くらいは違う。スパイスなり、ミキサー時間なりを調整してもっと市販のポークに寄せた方がよりすっげぇポークになったのでは無いかと思う。ここは今後の反省点としたい。


手作りポークはうまい

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というわけで、「よい肉ですっげぇポークを作った」わけだが、普通においしいものができあがった。ポーク作りについて興味がある人は冒頭あたりで紹介しているこちらのリンクからレシピを確認して実際にあなただけのポークを作ってみて欲しい。

そして豚肉と言えば、年明けから沖縄ではCSF(豚コレラ)が発生したことで大変なことになっている。僕には何ができるわけでもないのだが、一刻も早く事態が収束することをこの場でもあわせて祈念しておきたい。

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