「ダイオウ」実物大への道
そもそも、なぜ「ダイオウグソクムシ」をぬいぐるみになどしようと思ったのか。そもそも、このムシを初めて知ったのは「またまたへんないきもの」(早川いくを著・バジリコ刊)という本でだった。50cmもあろうかという、巨大なダンゴムシ。もうちょっと自分が繊細なら、添えられたイラストを見ただけで気を失っていたかもしれない(ダイオウグソクムシの画像検索結果は、こちら。心して見よ)。
だから、妙に心に残った。そしてそんなことも忘れていたある日、当サイト玉置氏の秀逸な記事「深海鮫漁とオオグソクムシ」で、あのムシの係累を見た。
こちらは、オオグソクムシ(マウスオーバーで画像がみえます)
こちらは10cmから15cmほどの体長。でも十分大きいが。
ん?うーん・・・足の多いムシ(時には普通に足6本のだって苦手だ、カマドウマとか)はすごく苦手なのだけど、もしかしたら、この感じ、「かわいい」ってやつ?怖いもの見たさで返って何度も何度も見てしまう。
微笑んでいるかのような顔(人間の主観とはまことに勝手なものである)。それに手足を縮ませて「小森のおばちゃま」みたいだ(人間の主観は勝手だ)。足の多すぎることを除けば・・・愛せるんじゃないだろうか?
愛せるなら、ぬいぐるみにしても、いいかもしんないな。あいつの体の構造からして躊躇に躊躇を重ねたが、ついにこの部をきっかけに、制作に着手したのだった。ここでは体長35cm、平均的な実物大を作る。
ぬいぐるむまでが一番大変だ
まずは、体幹の形をだいたい決め、フェルトを縫って綿を詰める。
次に、各部位に入る。ここ以降は各部を1枚布のみで表し、綿は詰めない。そう思えば気がだいぶ楽になった。いや、ぜんぜん楽じゃないんだけどね。残るはあの何層にも重なった背中のヨロイ構造、顔、触角、しっぽ、そして足、だから。
むう・・・背中を丸めて、お前、かわいいじゃないか。その触角で、何を探しているんだい?
おっと、語りかけてしまったじゃないか。あぶないあぶない。先を急がねば。
このように、縫い付けたり貼り付けたりを部位によって変えつつ、それらしい形に仕上げたのがこちら。