なぜ私は真冬にTシャツだったのか?
この撮影の中で私がTシャツ姿だったのが、スタンドバイミーのリヴァー・フェニックスの扮装をしていたということは、本家の映画をみた方であれば、私の姿をみた瞬間に理解されていることなので、ここで説明するのは野暮というものである。
こちらもどうぞ
しかし、説明せずにはいられなかった。野暮でごめんなさい。
若者の若者による若者のためのどんぶり、スタ丼。若い頃はよく通いワシワシと食べたものだが、年をとった今でも食べられるのか?
せっかくならばスタ丼の店で一番高いメニューを当時と同じく食べられるか挑戦してみたい。
そんな冒険の旅に出よう。
スタ丼とは、多摩地区の学生街のラーメン店で「若者に安くて旨いものを腹いっぱいたべさせてやりたい」のコンセプトで昭和46年に誕生した。
ニンニクの効いた特製の醤油ダレで炒めた豚肉を大盛りのご飯に乗せたどんぶりである。一度食べるとお腹いっぱいでしばらくは食べたいと思わないが、家に帰る頃にはまた食べたいと思わせる中毒性のあるものである。
2000年代から全国展開し、今では知らぬものが少ないほど大発展しているのだ。
創業当時「スタ丼」と表記されていたが今は「すた丼」と表記されることが多い。
私はスタ丼バイミーのタイトルにちなんで、創業当時の「スタ丼」表記を看板にかかげているという発祥の地、国分寺店へ向かった。
国分寺店は30年前、荒井注の家の近くに住んでいたバイト仲間から教えられ、私が足しげく通った店である。
事前にネットで調べたときとは違って表記は「すた丼」に変わっており、俺は何しに国分寺までの気持ちも募る。
しかし場所や店の佇まいは当時のままで、近隣にスタ丼の匂いがするところ、隣がボクシングジムでスパーリングの音が聞こえてくるところも同じ。減量で苦しむボクサーにとってここまで過酷な環境もないだろう。
さて、あとはここで一番高いメニューを注文して食べればいいだけである。
一番高いメニュー、期間限定の「肉肉Wカルビすた丼」を注文しよう。これは並盛で1,390円で並盛の中では全メニューの中で一番高い。しかし、並盛ではなく肉盛りという大盛りを頼むと2,090円になる。
グランドメニューの中で一番高い「唐揚合盛りすた丼」の並盛は1,290円で「肉肉Wカルビすた丼」より100円安いが、超鬼肉飯という大盛りは2,170円となり「肉肉Wカルビすた丼」の大盛りよりも80円高くなる。
並盛と大盛りでねじれが生じているのである。
また、どちらにも追加の唐揚げセット390円や味噌汁を豚汁&唐揚げに変更590円もある。
そのうえ、グランドメニューには10種類のトッピングが追加できる。
まとめると以下のようになる。
ということで、この店で一番高いメニューは、唐揚げ合盛りすた丼の超鬼肉飯の唐揚げセットと、味噌汁を豚汁と唐揚げに変更したうえ、全トッピング追加、お値段合計5,650円ということになる。しかし私には絶対に食べきれない。
券売機の前まで来て、何が一体この店で一番高いメニューなのかわからなくなってしまった。
一番高いメニューをどうするか考える。額面どおり一番高い5,650円で行くか。しかし食べ物企画で残したくない。
だからといって、3,070円のほうだって無理だ。
どうするべきか編集長の林さんに電話で相談しようとしたが、電話やメールで上手く説明できる自信がないうえ、そんなことを相談されても困るだろう。
自分で言っといてなんだが。
などとスタンドバイミーの名シーンを再現している場合ではない。
ここはひとつ、シンプルにトッピングやセットはなしで、全メニューの中の「並盛」の中から一番高いものを選ぼう。
その結果、肉肉Wカルビすた丼(並盛)を一番高いメニューとすることにした。
店に戻って改めて肉肉Wカルビすた丼(並盛)を注文。
さっそくいただくとしよう。
食べると牛と豚のカルビの肉の油の多いところにバターがのって口中油まみれ。だけど、もともとのすた丼のタレと肉とバターの甘さでまろやかではある。一口ごとに胸やけが心配になる。
年を取った今でも一番高いスタ丼をワシワシと食べられるかという企画だったが、意外にも簡単に完食することができた。
ここまでの撮影を終えて考える。これですた丼バイミーと言えるか?スタ丼に対する冒険と言えるか?
そうだ、この旅は大食いではなく「あの頃のスタ丼」への旅なのだ。あの頃のメニューはスタ丼と生姜焼き丼くらいで今のように豊富ではなかった。あくまであの頃のスタンダードなスタ丼の一番高いヤツを食べるべきではないか?
ということで改めて昔ながらのスタ丼の一番高いヤツを食べに行こう!
翌日、近所の伝説のすた丼屋へやってきた。
さあ、あらためてスタ丼への旅に出よう!
30年前と同じように、ワシワシと食べよう。
いや30年前だってこんな量のは食べたことがないが。
スタ丼はとにかく早く食べなければならない。なぜなら満腹中枢が刺激される前に出来るだけ多くを食べきる必要があるからだ。
食べ始め当初はスピードに乗って食べ進められたが、数口食べたところでスピードがガクンと落ちた。この辺りが老いか。
やっとこさっとこ半分ほど食べすすんだところでついに完全に箸が止まる。マジでお腹がはちきれそうだ。
もう食べられない。ギブアップしようと思ったそのとき…
器とごはんの間に押し込まれたようにひっそりと姿を現すたくあん。これが救世主。これが最高。
油でギトギトになった口の中を、このたくあんでサッパリさせながら改めてスタ丼本体に取り掛かることができる。スタ丼のおいしさの12%は、このたくあんのおいしさだと言ってもいい。
一時は心配になったが、豆板醤とたくあんのおかげて完食することができた。
フーーーーーーーーーッ
この撮影の中で私がTシャツ姿だったのが、スタンドバイミーのリヴァー・フェニックスの扮装をしていたということは、本家の映画をみた方であれば、私の姿をみた瞬間に理解されていることなので、ここで説明するのは野暮というものである。
こちらもどうぞ
しかし、説明せずにはいられなかった。野暮でごめんなさい。
こっちはスタ丼食べないほう
※このリンクからお買い物していただくとアフィリエイト収益が運営費の支えになります!
| ▽デイリーポータルZトップへ | ||
| ▲デイリーポータルZトップへ |