特集 2021年2月23日

眠れぬ夜にサヨナラ!寝かしつけマシーンを作る

ねんねんよ。おころりよ。

目が冴えてなかなか眠れない。意識するほど眠れない。
幼い頃は大人が背中やお腹をポンポンと叩いて寝かしつけてくれた。そうしてもらえると落ち着いて眠れた気がする。

大人になった今では親に寝かしつけをせがむことはできないが、
代替案として「ポンポンしてくれるマシーン」があれば安眠できるのではないか。作ろう。

愛知県出身、東京都在住のデザイナー。イラストを描き、写真撮影をして日々を過ごす。
最近は演劇の勉強に熱中。大きなエビフライが好き。

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寝かしつけマシーンのイメージ

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目標である寝かしつけのイメージ。ほんわか幸せな気分で眠れそう。
(イメージ画像:写真AC

要は体を軽く叩いてくれるマシーンを作る企画だ。
まずは自分の持つすべての知識を総動員させて、設計書を書いた。ここにシンプルでありながら、完璧な完成イメージが生まれた。

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マシーンの構成はシーソーを参考にした。
「重り」が板の上を移動することで、もう片側に取り付けた「手」が上下し、「ポンポン」を生み出すというしかけだ。

シーソー部分を作る

設計図が書けたら完成も同然だ。
仕掛けの材料はDPZライター御用達、東急ハンズにて調達した。
工作フロアに三時間居座って、わからないなりに選んだ物は耐久性と軽さ重視のラインナップ。プラスチックダンボールと発泡スチロール。軸には塩ビパイプ、そして木材。

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雨の日に材料の調達に行ったら、濡れないようにと店員さんが二重に梱包してくれた。人の優しさに触れて成功させたい気持ちが高まる。
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店員さんのほがらかな笑顔を思い出しながら三等分。貼り合わせて一枚の板に。
これがシーソーの板部分になる。
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貼り合わせた板の中央に、木材を貼り合わせる。真上から見ると、パーツがすべて四角い。

軸となるパイプを中央におさめると、ひらぺったい印象のままでありながらもマシーンらしさがでてきた。これはすごい発明かもしれない……一攫千金のビジネスチャンスだ。

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発砲スチロールの土台にも、パイプが中央にぴったりおさまるように木材を接着。
板とパイプと土台、この三つをはめ合わせると、マシーンの土台部分の完成だ。

 

寝かしつけマシーンの動力は猫

特許の出願を急ぎたいが、現状はただのシーソー。マシーンのメインである手と、重りの取り付けへと作業を進める。

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板の片側には重りが落ちてしまわないように発泡スチロールの壁と割り箸の滑り止めを作った。
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さらに壁を高くするために竹串を指す。キッチンで眠っていた割り箸と竹串が大活躍だ。
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もう片側にはポンポンしてくれる「手」。映画「シザーハンズ」に出てくる博士になった気分で取り付ける。
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部屋に入るとまず手が落ちているという事件性の高い状態に。
このタイミングで遊びに来た友人は、何も聞かずに「これはデイリーポータルの散らかり方」と呟いていた。察しがいい。

予定外の友人の訪問以外は今のところ目立ったトラブルはない。
うまくいきすぎて何を書こうか悩むくらいだ。

そんななか、原動力として用意したのは、理想に近い動きをする既製品。足りないメカ技術は、猫の手を借りて補おう。

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レインボーなパッケージがサイケな「笑う!猫田課長」

今企画のキーアイテム「笑う!猫田課長」は、一見普通の猫のぬいぐるみだが、電池を入れると転げ回る。その動作を利用しようという寸法だ。 

手が付けられないほど力強くころがる猫田課長。この元気を板の上で発揮してほしい。

寝かしつけマシーンを動かそう

すべてのパーツがそろったので、念願の「ポンポン」へと実験を進める。

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マシーンの完成形態。手で軽く押さえるとすいすい動く。

見た目の拷問器具感は別として、シーソーの仕掛けの出来が良すぎるので、実験結果を知るのがこわくて完成から三日放置した。
覚悟を決めて、いざベッドイン。

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猫田課長を起動してマシーンの上に乗せる。

期待と緊張の瞬間を動画に収めたのでご覧いただきたい。

…………。

猫田課長の動き、溝にハマった車のタイヤだな。
期待していた働きではないし、笑い声も本番を迎えてみると、寝ながら聞くには激しすぎる。

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君、笑えば済むと思っているのではないかね?

その場で回転するだけの猫田課長を叱り、冷静になる。
マシーンに目を向けると、先端に取り付けた手の変化に気がついた。気づいていなかっただけで、「ポンポン」は確かに行われていたのだ!

ポポン……ポン……

わずかにではあるものの、取り付けた腕は上下している。
そして軽く触れた指先からぷるぷると振動が体に伝わってくる。これはポンポン成功と言ってもいいだろう。

例えばシザーハンズによる寝かしつけはきっとこんな感じ。触れたものを意図せず切ってしまわないように、過剰なほど繊細に扱うのだ。

安眠についてはどうだろうか。体の上に手が乗っている状態で、そのまま眠ってみることにした。

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寝返りを打つ度にマシンが歪む点が少し気になったが、何事もなくすんなりと眠りにつくことができた。

普段眠れない原因は、考え事をしてしまうからだ。
このマシーンをベッドの横に設置すると、猫田課長の動作や手の振動といった外部刺激が発生し、余計なことを考える隙が生まれる。
その結果、スムーズな眠りが得られたのだ。
こうして世紀の大発明、寝かしつけマシーンが誕生した。

使い方はいたって簡単。
まずは神経を研ぎ澄ませて微弱な振動を感じる。
次に猫田課長の笑い声を耳栓でシャットアウトし、空回りしている様を朝方まで見守れば完璧だ。
要は寝られりゃ良かったので、結果オーライである。


いい夢を見た

この実験を行った日の夜、ふしぎな夢を見た。
大きめのハムスターがボストンバッグいっぱいに入っている夢だ。

私は特に驚きもせず、バッグの中から出てこようとするハムスターを捕まえては押し込み、捕まえては押し込みという作業を行っていた。
目が覚めてから「ハムスター 夢」で調べてみたところ、ハムスターの夢には幸せにまつわる意味があるとあった。
たくさん出てきたということは、つまりすごく幸せな夢ということである。
これも安眠を証明するポイントとして加えたい。

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起床時。手が起こしに来たようにも見える。

 

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