二連続宮城さんネタになった訳
前回ひさびさに記事を書くにあたって、打ち合わせで編集長の林さんにいくつかアイデアを提示。ことごとくスルーされる中、宮城さんとコンプレックスのMVを再現したいとつたえたところOKが出た。
もしかしたら宮城さんと一緒になにかすればまたOKがもらえるかもと、すかさず提示したのが今回のアイデアで案の定こちらもすぐにOKがでた。ということで今回は前回の記事と二本撮りとなり、登場人物、撮影場所などが全くおなじであることをお詫びします。
その昔、プロ野球の清原選手が引退セレモニーで長渕剛さんに目の前でとんぼを歌われ泣いていた。いくら尊敬する歌手であっても至近距離で面と向かって歌われて泣けるものなのか?
恥ずかしさで反対に笑ってしまったりしないのだろうか?
実際はどうなのか試してみる。
清原選手は2008年10月1日、23年間、紆余曲折あったプロ野球選手生活にピリオドをうち引退。その引退試合終了後に行われた引退セレモニーで、長渕剛さんが登場。
自身が入場曲としても使用していた楽曲「とんぼ」を目の前で熱唱された。
敬愛する歌手から、思い入れのもっとも深い曲を歌われた清原選手は3万人の観衆の前で人目もはばからず号泣。
しかし、これが最短で40㎝ほどの距離の熱唱で、こんな近くで歌われたら逆に醒めてしまうのではないかと思い検証してみることにしたのである。
検証するにあたって必要なのは歌手の長渕剛さん役である。
ギターが弾けて屋外で熱唱できるハートを持っている必要がある。
そんな知人は私にはこの人しかいないと、今回白羽の矢を立てたのが宮城マリオさんだ。
ちなみに宮城マリオさんは宮城剛名義でも活動しており、長渕さんと同じ〝剛〟繋がりである点も、今回のキャスティングの理由のひとつだ。というのはこれを書きながら考えた後付けである。
撮影場所について宮城さんと相談した際、「うちの近所の河川敷に野球のグランドがあるんですよ」と言った。
「でも勝手に入ったら怒られるんじゃないですか?」と尋ねたところ「いえ、そこは入っても問題ありません」と言うので撮影当日現場へと向かった。
土手の上に到着し「野球のグランドはどこですか?」と尋ねると「えーと」と言って宮城さんが見つめたのは目の前に広がるゴルフ場。
筆者「これは…」
宮城「ゴルフ場ですね」
筆者「入っても大丈夫なんですか?」
宮城「ダメでしょうね」
ということで仕方なくその場で撮影することにしたのである。
YouTubeをみて練習をしてきてくれたという宮城さん。「部屋では大声は出せなかったので」と、かなりの大声で練習を開始。
散歩する人や自転車に乗った人たちの手前、聴いているこちらが少し恥ずかしい。
打ち合わせ段階でランニングシャツを着てきてもらったところへサングラスを装着。
扮装を終えた宮城さんは長渕剛というよりもドラマ「とんぼ」の最終回で主人公を刺した側の人物のようだ。こんな見た目だったかは忘れたが。
さて、いよいよ引退セレモニーの再現をはじめよう。
清原選手のように直立不動で
『あこがれの宮城剛が俺のためだけに歌ってくれる』と思い込んで彼の登場を待つ。
目をつむって心を落ち着けていると、ギターをかき鳴らしながら宮城剛が登場。
「清原君のために歌います」
「みんなも一緒に歌おう!」のところ。
いないオーディエンスを盛り上げる。
この肩を叩かれるのもセレモニーの再現のひとつなのだが労をねぎらわれた感がして少し嬉しかった。
剛がイントロとともに「う~うう~ううう~」と歌い出す。
「金を出さねえと歌うぞ」と脅されていそうな光景だが、真面目に歌い、それを聴いているだけである。
恥ずかしさで「頼むからこんな至近距離で熱唱しないでくれ!」と言いたくなるかと思ったが全然そんなことはない。
また本家の動画をみているときは、清原選手が顔にタオルをあてているのは、泣いているフリをしながら笑っているのではないかと疑っていた。
だが笑いが込み上げてくるようなこともなく、すこしづつ歌の世界に集中してくる。
そのうえ曲が進むにつれてなんだかジーンとしてくる。歌詞と風景、これまでの人生がリンクし、泣きこそしないが、心が動かされる状態となっている。
また「とんぼ」の選曲もよかった。
杉良太郎の「君は人のために死ねるか」だったりしたらこうは行かなかったに違いない。
君は人のために死ねるか
再現終了後、宮城さんに「意外とジーンと来ました」と告げる。
宮城さんの感想を聞くと
正直、何の思い入れもない宮城剛さんによる熱唱でこうなのだから、清原選手にとっては憧れの長渕剛氏に歌われたのであって号泣も当然であるという結論に達したのである。
清原選手引退セレモニー再現
前回ひさびさに記事を書くにあたって、打ち合わせで編集長の林さんにいくつかアイデアを提示。ことごとくスルーされる中、宮城さんとコンプレックスのMVを再現したいとつたえたところOKが出た。
もしかしたら宮城さんと一緒になにかすればまたOKがもらえるかもと、すかさず提示したのが今回のアイデアで案の定こちらもすぐにOKがでた。ということで今回は前回の記事と二本撮りとなり、登場人物、撮影場所などが全くおなじであることをお詫びします。
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