特集 2020年5月1日

焼け落ちた首里城で漆喰をはがす

ここにかつて首里城の正殿があった

この記事は3月26日に行われた首里城赤瓦の漆喰はがしボランティアのレポートです。現在ボランティアは新型コロナウィルスの影響で受付を停止していますし、首里城公園も当面の間は全施設が臨時休館になっています。

火災で焼失してしまった首里城の建造物。その再建の中で建物に使われていた瓦から漆喰をはがすボランティアを募集しているらしい。さっそく行ってきた。

新潟出身。沖縄に来てそろそろ15年くらい経つのに泳げないため全然沖縄を満喫できていない気がする。最近の悩みは高血圧。

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2019年10月31日。ふとスマホを見ていたら「首里城で火災」という衝撃的なニュースが目に飛び込んできた。慌てて自宅のベランダから撮った写真が上のやつだ。首里からはかなり離れた自宅からでも煙と炎が見える。

消火活動はその日のお昼くらいまで続いていたと思うのだが、結局首里城の正殿含む多くの建物が焼失してしまった。

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いつでも行けるものだと思っていたのでまともな写真がない

正直、それまでは首里城なんて観光客が行く場所だと思っていた。でも、首里城が無くなったことは思っていたよりもショックなことだった。沖縄県のシンボルでもあり、戦後の復興の象徴でもあった首里城。県外出身者の僕がそう思うのだから、沖縄で生まれ育った人たちのショックや喪失感はものすごかったと思う。

そんな衝撃の出来事から、徐々に復興に向けての動きも活発になり、首里城公園も一部地域が開放された。いま、首里城はどうなっているのだろうか。首里城公園が募集している漆喰はがしのボランティアに参加してきたのでその様子をお届けしたい。

首里城正殿はいま

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3月26日、晴れ。久しぶりに訪れた首里城は一部地域が公開されたものの観光客はまばら。それでも各所で記念撮影をしたり、高台からの風景を楽しんでいる人をちらほら見かける。

今回の「首里城赤瓦の漆喰はがしボランティア」は3月1日にネットで応募が開始されたのだけど、新型コロナウィルスの影響で2回ほど延期になってようやく本日予約を取ることができたのだった。

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ボランティアは午前の部、午後の部と2回あり、僕が参加したのは午後の部のほう。公園内の「銭倉」という場所が集合場所で、40人くらいの人が集まっていた。

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受付で検温をすませて、パスをもらう。受付はネットのみだったのだが、わざわざ受付までやってきて「次の開催日程を教えて欲しい」と聞いている人もいた。結構な人気らしい。

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簡単な作業についての説明を聞いた後、作業場に移動。

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作業場は首里城正殿の裏手、後之御庭(くしのうなー)。もしも首里城に行った事がある人は見覚えがあるかもしれないが、右奥に見える赤い建物は奉神門(ほうしんもん)。チケットを買って入場する入り口だった場所である。左手奥は南殿と呼ばれる建物で、経路としては一番最初に入る建物だった場所。そして中央にある灰色の砂っぽい場所がかつて首里城正殿があった場所だ。全焼とは聞いていたけど本当に何も残っていない。

正殿付近では重機を使って瓦礫を移動する作業が行われていて、まだあちこちに瓦礫や瓦が積み上げられているのがわかる。

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瓦から漆喰をはがす

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瓦から漆喰をはがす

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席にはゴーグルと軍手、金属製のブラシとスクレイパーが用意されている。

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ボランティアの内容としては、建物に使われてた赤瓦に付着している漆喰を落として綺麗にするというもの。沖縄では漆喰は「ムチ」と呼ばれて石灰に稲藁を混ぜ込んだもの。沖縄の赤瓦は隙間を漆喰で塗り固めるので結構べっとりと瓦にこびりついているのだ。

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大まかな漆喰はスクレイパーでこそげ落として、細かい部分は金属ブラシでこすって落としていく。割と時間がかかる作業で、ついつい無言になってしまう。ちなみに今回漆喰を落としているのは黄金御殿という首里城正殿の横にあった建物のものだそうだ。首里城正殿は木造建築だったので、火災の際に瓦はすべて下に落ちて割れてしまったらしい。

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写真の手前の袋は全て瓦。かなりの量がある。

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漆喰を落とした瓦は、新しく建造される首里城の建物に使われる…わけではなく、今後様々なイベントで使われる予定なのだそうだ。

割と単純作業なのだが、手を動かしながら火災前に息子と首里城に行った時のことや、娘に首里城を見せられるのはいつになるのかなぁなど色々ぼんやりと考えていた。

見渡せば火災の跡

休憩時間中は作業場からじっくりと周りの様子を確認できた。

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熱でぺちゃんこになったカラーコーンや、熱ではがれた看板だったりとよく見るとあちこちに火災の跡が残っている。

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火災で色々なものが無くなってしまったが、死者が出なかったことは本当に良かったと思う。

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写真手前の階段は首里城正殿の裏に続いていたものだそうで、その前方が正殿跡らしい。

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ちょっと分かりにくいが奥の方には焼け残った龍柱も見える。

色々考えるきっかけになるボランティア

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ボランティアは2時間で終了。最後は参加証をもらって解散だった。2時間で漆喰を剥がせた瓦は6枚くらいだったので、ものすごい微力ながらのボランティアだった。

ただ、今現在の正殿の様子が見られたり、実際使われていた赤瓦に触れたりとなかなか貴重な体験ができたし、これから首里城が、沖縄がどうなっていくんだろうなぁとか色んな事を考えるよいきっかけにもなった気がする。


このボランティアの後、コロナウィルスの影響で当面ボランティアは中止、首里城公園も現在は全施設が臨時休館となっている。再開がいつになるかは分からないが、もし再開されることがあれば是非参加してみて欲しい。そして首里城も再建に向けて着実に色々なことが進んでいるようだ。県外の皆さんは今ではなくコロナウィルスが落ち着いた頃に是非首里城に足を運んで欲しい。

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