買い物して帰ろう
出発してから1時間ほどでスーパーにたどり着いた。
さて、駐車はどうするべきか。まさか自動車と同じように駐めるワケにはいかないだろうし。迷いつつも店のまわりを探して、邪魔にならなそうなところに置いておくことにした。
そのときに悲劇が起きた。
ネコ車がめちゃくちゃ店の備品っぽくなってしまったのだ。
苦労してここまでやってきた愛車なのに。所有権が移る音が聞こえてきそうなほど、スパッと自分のものじゃなくなった。どうか間違えて持っていかれませんように。
買い物を終えて店を出た頃、外は暗くなりはじめていた。
この町には「冬至を過ぎると毎日米一粒ぶんずつ日が長くなる」という言葉が伝わっているそうだ。どんだけやねん。祖母は「タイ米ならだいぶ長いの」と言っていた。
ここからは復路である。たくさんの物が積載されたが、重みを感じることはほとんどない。
道の端を歩いていると、柵から飛び出た植栽に大根の葉を引っ掛けて車輪が止まった。その刹那、前方にある赤信号の光で辺り一帯が赤くなったのである。
もろもろ初体験すぎて笑うしかなかった。
荷台にスマホを置けばカーナビ・カーステレオ・ライトの両機能をネコ車に実装できることに気づいてしまった!すごい!
ドラレコにもなるし通話機能もゲーム機能もある。…あ、これってスマホがすごいだけだな。現場での興奮はなんだったんだろうか。
そんなこんなで出発から2時間半後、無事に家に帰ってこれた。
つ、つかれた!!
復路は坂道が多くてくたくたになってしまったのだ。しかし、やろうと思えば車がなくても生活できることを証明できた。貧乏くさいどころか運動にもなる素晴らしい取り組みだったと思う。
準備は整った。ばっちこ~い、破産!破滅!大恐慌!