若い女性か子どもを狙え
さて次はどこに行こうか。
さっき学んだターゲット戦略を考えると、これは若い女性とか子供のいるところがいいんじゃないか?
ペットショップ?玩具屋?うーん・・と、そこで浮かんだのは
ここは若いご夫婦が音楽教室を開いていて旦那さんがクラシックギター、奥さんがフルートを教えている。
そしてこちらには昨年生まれたばかりの赤ちゃんがいる。
この可愛い飾り気に入ってくれないかなあ?と奥さんに渡してみると、
「交換するもの探してくるのでちょっと待っててくださいね」と言われスンナリ成功した事に喜び、しばし待つ。
そうして優しいご家族に交換してもらったのは
「高そうに見えるでしょ(笑)」と笑顔でくれた。
いやこれ重みもあるし、可愛いし、結構いいモノなんじゃない・・?と興奮しながら写真を撮ってくれている友人と話す。
経過
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正直、たった3回の交換でこんな高価そうなモノがもらえると思っていなかった。……これ普通に欲しいなあ。
ここで心境に変化あり。これまで「何でもいいので交換して」姿勢だったのが「これと同等以上のものがいいな」という欲が出てきてしまったのだ。
次の店に行き、もし広告入りティッシュペーパーとか店主の悪ノリ直筆サインなんぞと交換されたらどうしよう、と。
「次いいモノと交換してくださいね、期待してます」と言ってくれた宇高ご夫婦の事を考えるとこのまま終わらせるのも後味が悪い。
そんな事を話しながら歩いていると、ふと質屋が目に留まった。
何か方向を間違えそうになったのでアイスを食べながら頭を冷やしつつちょっと休憩。(質屋休みだったしね)
うーん
と、色々なお店を吟味しながら歩いていると目に留まった時計店。
そういや私ちょうど腕時計の電池交換してほしかったんだ、と思い出し、ラストはちょっとお高めな商品を扱っているこちらの時計店に行く事に!
お店に入ってみるとザ・職人といった主人が出てきた。
質屋さんがするような拡大眼鏡(?)をはめ、なにやら目利きのきく風貌。
怒ったら怖そうなので若干ビビリながらまずは自分の時計の電池交換をしてもらい、恐る恐る(でも天然のニヤニヤ顔で)話を切り出しギターの置き物を見せると、まんざらでもない表情。
店内を見回し、ディスプレーに入っていたプレゼントボックス型のこれまた重みのある金属製の箱をくれた。
古くところどころ傷ついてはいるものの、金の輝きが光る品のあるたたずまい。
そして癒される音色。昔横浜の方で手に入れたものだとか。
喜んで最後の交換!
店主曰く、「これは10倍くらいの値打ちはあるぞ」とのこと。
その真偽のほどは分からないけれど、それくらい値打ちのあるというものと交換してくれたということは店主もギターの置き物を気に入ってくれた様子。
さっそくディスプレーに飾っていた。
店長直筆サインじゃなくて良かったと安堵しつつ店を出る。
そこでふとオルゴールの裏面を見てみると「メモリー」と曲名が書かれていた。
クリップ1つから始まった今回の商店街わらしべ長者、最後は綺麗な「思い出」に変わった所でこれにて終了!
わらしべ思い出プレイバック
あなたの街が広くなる
しょっぱな図らずも無理やりの物々交換となったり、アタックしたうち半分断られたり、途中で邪な考えがよぎったりしたけれど、近所の人とのふれあいが楽しめた一日だった。(他にもお寿司屋で食事、喫茶店で休憩しました)
それにしても、毎日通って目にしている商店街なのに「こんなとこあったんだ!」と再発見の連続。
大型スーパーが出来て以来しぼんでしまったように見えていたけれど今回じっくり練り歩き、お店をのぞいていったお陰でいまや私の目には店舗が一気に増えたように見える。
新たな発見ができるそんな「商店街わらしべ長者」。
営業のコツもちょっと学べたし、「あ、自分があげたモノがこんなとこに置いてある!」とご近所同士の交流に一役買う可能性もあるかもと想像すると楽しい。
皆さんにもオススメではありますがくれぐれも変質者に見られないようお気をつけください。