塩むすび2種のあとに銭湯へ行き、サウナ・水風呂・外気浴を繰り返す「ととのう」ルーティンをしたところ、胃に詰め込まれた炭水化物が荒ぶり、バッドトリップのような変なととのい方をしてしまった。
食べなれていない組み合わせゆえ、食べすぎには注意してほしい。
まだまだ試してみたいマリアージュが残っているので、また試して共有できればと思う。
個人的には歌舞伎揚げ×コーラは日常的にやってしまいそう。みなさんも是非、お気に入りのマリアージュを探してみてほしい。おわり。
昔、知人が「コーンフレークの後に塩むすびを食べるのが至高」と話していたことがある。
馴染みがなさすぎてふざけているのかと思ったが、コーンフレークで甘くなった牛乳を飲んだあとに頬ばる塩むすびがたまらなくおいしく、学生時代、部活の前などによくやっていたらしい。
また別の知人はよくいく豚骨ラーメン屋さんにいくと必ずドクターペッパーを頼むと話す。具全てとマッチしているという。
餃子にビール、肉料理に赤ワインなど、料理とそれに合うお酒の組み合わせはよく聞くが、塩むすびとコーンフレーク牛乳、豚骨ラーメンとドクターペッパーのようにお酒じゃないものやジュースを料理に合わせるという人、ひょっとしたらもっといるのでは?
というわけで今回はジュースと料理の新しい組み合わせを探っていきたいと思う。
実際に検証する前にマリアージュについて少し掘り下げたい。お酒と料理の相乗効果を意味する言葉だ。
そもそも食べ物と飲み物が「合う」とはどういうことか。
「料理とお酒の相性のキホン」として押さえておきたい考え方は、次の4つです。
1 同調/相乗効果/ハーモニー
2 第3の味が生まれるマリアージュ
3 料理がおいしくなる
4 お酒がおいしくなる
この4つの解説を要約すると、1は似たような味を合わせることでバランスを崩さずおいしさをお互い高め合うマリアージュということ。
2は味の系統が異なるのに合わさることでまったく新しいおいしさが出てくるマリアージュのことで、メロンと生ハムの組み合わせがそれにあたる。
3と4は言うまでもない。もちろんここでいうお酒は今回ジュースに置き換えられるものとする。
今回はマリアージュがこのうちのどれにあたるか、またそのなかでもどれが最もマリアージュしているかを検証し、令和の「ニューノーマルなマリアージュ」を決めていきたい。
組み合わせについて、友人やネットから情報を集めた。以下7品を試していこう。
1.フライドチキン×乳酸菌飲料
2.歌舞伎揚×コーラ
3.納豆巻き×カルピス
4.お寿司×コーラ
5.お寿司×オレンジジュース
6.塩むすび×なっちゃんオレンジ
7.塩むすび×コーンフレーク牛乳
まずはじめに検証していくのはフライドチキンと乳酸菌飲料。
これは看護師をしているわたしの友人の推薦だ。
しょっぱいものと甘いもののパターンだ。説明だけで納得させられてしまう。
ヒアリングしたところ、具体的にはファミチキとピルクルを合わせているとのことであったのでそれに倣って体験してみる。
これまで意識したことはなかったが、どうやら甘いものと揚げ物は合うらしい。
たしかにアメリカンなカフェに行くとパンケーキにフライドチキンをのせてメープルシロップを親の仇のように注ぐジャンクフードを見かける。寿命を縮めそうで食べたことはないが、フライドチキン×ピルクルがマリアージュするのならきっとこれも合うだろうし、背徳の化身みたいな味がすることは想像に難くない。
これを「知っている」体になってしまった以上、コメントにもある通り仕事で疲れたときやメンタルがやられているときは絶対に試してしまうと思う。最近元気がないという方におすすめのマリアージュです。
つづいては「歌舞伎揚げ×コーラ」だ。
先日ニューノーマルなマリアージュと銘打って募集をしたところ、興味深い組み合わせを複数いただいた。(情報をご提供いただいた方々、ありがとうございました!)
この組み合わせを提唱しているチャーリー浜岡GPさんのコメントにはこうある。
一般的なおせんべいをコーラに合わせた経験はたぶんない、もしくは印象に残っていないが、さきほどのフライドチキンピルクルと同じく揚げ物と甘いものであるし、さらに歌舞伎揚げは他のおせんべいに比べて甘いし、コーラの甘さにも合う気がする。色も似ているし。
ケンタッキーとコーラが合うのと同じような理屈ではないか、と推察できる。
友人宅で検証したのだが、後日自分でも買って家でリピートしてしまった。ほのかな中毒性を感じる。
そもそも自分で歌舞伎揚げを買うこと自体ないため、久々のおいしさから評価基準がゆるくなっているという説もあるが、おいしいことは事実なので是非試してみてほしい。
身近で体感できるオーソドックスなマリアージュとしておすすめです。
こちらは死にたての鮮魚さんからの情報。
一番想像がつかない組み合わせである。
味が違いすぎるし、納豆はお茶以外合わせる人を見ことがない。ここ最近ようやく納豆を克服してきつつある筆者に緊張が走る。
カルピスには乳酸菌が含まれ、納豆も納豆菌がある。菌のマリアージュだ!
劇的に変化を遂げるわけではないが、静かにお互いを認め合い、共存している。自然界の優しさを感じるマリアージュである。
癒しが足りない、刺激には疲れているけど何か新しい風を吹かせたい、という方にぴったりのマリアージュです。
だんだんマリアージュ占いみたいになってきたぞ。
デイリーポータルのライターさんの中で特殊なマリアージュをしている方がいないか探していただいたところ、江ノ島さんがコーラ好きで、お寿司や他の料理にもなんでも合わせるとのこと。
そこで提唱者である江ノ島さん、編集の古賀さんにご協力いただきリモートで楽しみ方をご指南いただいた。
そもそも江ノ島さんはなぜお寿司とコーラを合わせようと思ったのかについて伺うと、「コーラはおいしい。お寿司もおいしい。だから合体したらうまいですよね」とのこと。うまいもの同士の足し算である。
聞くところによると、編集部でも寿司とコーラはありとの声があったという。
お寿司屋さんでコーラを頼んでいる人はよく見かけるし、くら寿司が数年前シャリコーラなるものを販売しているという実績もある。実はわりともうポピュラーなのだろうか。
マリアージュ度 :★★★☆☆
マリアージュ区分:4(飲み物がおいしくなる)
・シャリの甘みとコーラが合う
・お寿司にコーラの甘さを教えてもらう
・生臭さが引き立つなどはない
・単純にコーラがうまい
・とにかくテンションが上がる
・足し算の幸せ(緑茶は引き算)
コーラってこんなにおいしかったっけ。3人ともテンションが高まっている。そして江ノ島さんのコーラを飲むスピードが尋常じゃない。zoomを繋いで5分も経たないうちに1.5Lボトルの2/3を飲み干している。液晶越しに伝わるコーラ愛。
そもそもお寿司にはガリがついている。味をリセットしてくれる重要な存在であるが、そのガリがありながら、なぜ今までお茶で引き算をしていたのか。もっと欲張ってよかったんだ、とコーラが気づかせてくれた。
また、コーラはその昔、薬として作られたという話がある。いろんな成分が入っており、複合的な味だから、そもそもいろんな料理に合うポテンシャルをもっているのではないか、という意見も挙がった。お肉のコーラ煮もそのひとつである。
気持ちの高ぶり方がハレの日のそれである。
コーラには祝祭性を高める機能があるのかもしれない。きっといいことがあった日や頑張った日のご褒美としてやってしまうだろうな、と思わされる。
身の回りで情報収集するうちに、「お寿司×オレンジジュース」という組み合わせを提案されたため、このまま江ノ島さん、古賀さんにお付き合いいただき、検証していく。
これを提案してくれた本人はとくにこの組み合わせが好きというわけではなく、法事・お通夜のときにある組み合わせとして挙げたとのことである。たしかにお通夜ではビールと日本酒と、子供達にはオレンジジュースがふるまわれた記憶がある。瓶のバヤリースだ。
そのため、本来はバヤリースで試す予定であったが、スーパーにバヤリースがなかなか見つからない問題が浮上した。
筆者はQoo、古賀さんはつぶつぶみかんで代用することにする。江ノ島さんはOKストアで購入できたとのことだった。バヤリース限定した流通経路についてはいずれ別途調べてみたいところである。
マリアージュの区分に当てはまらない組み合わせが生まれてしまった。合う・合わないではなく、とにかく「なつかしい」「思い出に浸る感じ」という意見が挙がった。
「5.思い出からくるマリアージュ」という新しい区分の誕生だ。
「お通夜の味」と説明する前から「親戚の集まりの味」という声が出たため、この感覚は日本人であれば共通して持っているのかもしれない。
先程のコーラのときのテンションに比べてしんみりしている。感情の落差が激しい。結構食らってしまい、一旦コーラを挟んで気持ちを取り戻すほどであった。
同じくデイリーポータルに不思議なマリアージュをする人がいた。林編集長である。
よく塩むすびになっちゃんを合わせるとのこと。江ノ島さんのときと同じく、リモートでご指南いただく。
林編集長になぜかを聞くと、「なっちゃんはごはんに合う用。ごはんに合わせるために薄くしている」という陰謀論のような切り口で語ってくれた。
なんでも、なっちゃんでごはんを食べるのが前からわりと好きで、なんとなく合わせてみたらやたらと相性がよかったという。
なっちゃんに味があるため、塩むすびみたいに質素な方がちょうどいい。圧が強めのツナマヨが入ると「あ~、そういうのじゃなかったのに~…」という台無し感が出てしまう、とのことである。
聞いているうちに説得力があるように思えてくるが果たして本当なのか。
後味の甘さから食事をしているのにおやつを食べているような感覚にも陥る。大人が一人で適当にご飯を済ませるときにやってしまいそうという声が出た。「唐揚げ食べるだけで疲れるときに」という意見に深く納得してしまう。疲れないごはんです。
原体験は遠足もしくは運動会かも、という林編集長に、先程と同じく、ここでも「思い出にからくるマリアージュ」の説が浮上する。やはり思い出と味は密接な関りがあるのか。
ここでついに満を辞しての塩むすびコーンフレーク牛乳である。全く想像がつかないが、例によってこのままお付き合いいただき、試してみる。
そもそもコーンフレーク牛乳という言葉は存在しないし、このマリアージュを発見した知人、なかなかの変態性があるように思える。
牛乳を甘くする必要があるのでコーンフレークに牛乳を注いでしばし待機する。この年になるとコーンフレーク自体を食べることがそもそもないのですこしわくわくする。
塩が引き立つという点から、区分としては3(料理がおいしくなるマリアージュ)かと思ったが、食べ進めるうちに甘い牛乳とごはんがマリアージュして、何か違う食べ物のように思えてくる。
筆者はドイツ滞在歴があるが、現地スーパーでは日本のお米に近いものは「ミルク米」という名前で牛乳で甘く煮てフルーツをトッピングしたパッケージで並んでいる。
そもそもお米と甘いものはマッチしていて、塩キャラメルみたいに塩気を入れることで塩スイーツ状態になっているのでは、という結論に至った。
これはコーンフレークの甘さ、牛乳のまろやかさ、お米のほの甘さがバランスよく混ざり合うことで成立するまさに究極のマリアージュではないだろうか。最初こそ抵抗あるものの、試してみると納得させられてしまうおいしさである。
7種のマリアージュを試してきたが、それぞれに個性があり、味の交わり方も異なるため、一つの角度から評価することは難しい。
しかし、究極の形である「第3の味の生み出す」という点で、「塩むすび×コーンフレーク牛乳」を今回の優勝マリアージュとします!
日本ではまだまだお菓子以外でお米を甘く食べるという文化は馴染みがないが、これを機にニューノーマルなトレンドとして、是非とも試していただきたい。
塩むすび2種のあとに銭湯へ行き、サウナ・水風呂・外気浴を繰り返す「ととのう」ルーティンをしたところ、胃に詰め込まれた炭水化物が荒ぶり、バッドトリップのような変なととのい方をしてしまった。
食べなれていない組み合わせゆえ、食べすぎには注意してほしい。
まだまだ試してみたいマリアージュが残っているので、また試して共有できればと思う。
個人的には歌舞伎揚げ×コーラは日常的にやってしまいそう。みなさんも是非、お気に入りのマリアージュを探してみてほしい。おわり。
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