忘年会が終わった翌日、京都へ
会社の飲み会でベロベロになり、ほとんど覚えていないのだが隣に座った人に「ロックマンをやりたい」と熱弁していたことは覚えている。ごめんな。
おいしかったのだが、鍋が出なかった。読み会というのは鍋を食べなければ飲み会は終わったことにならないので、鍋を食べる必要がある。そういう風習が自分の中であります。
早く起きて午前中には京都に着いて観光やら御朱印集めなどをしようと思っていたが、到着したのは14時半。敗因は12時に家を出たことだ。冬の二度寝って気持ちいいですよね。
赤いこってりラーメン
ただ、お店が開店するのが17時なのでその前にちょっとだけ変わった天下一品を見に行こうと思う。
大通り沿いにある五条桂店。店内に入ると町の中華料理のような雰囲気で当たりを予感させる。
何度か天下一品の記事を書いているがそのたびに「五条桂店がおいしい」と天下一品通たちからコメントをもらうほど評判である。そして、これがちょっと変わったメニューだ。
一般的な天下一品の店舗では見たことないラーメンである。ひとつずつ説明していこう。まず、中央に大きく乗っているものが角煮である。
「チェーン店で出てくる角煮なんて、薄くておいしくないんでしょ?」と言う人がいたら、一度話し合いたい。ぶ厚くてジューシーな角煮がおいしくないわけないだろう。そのあと喫茶店で「角煮、おいしかったね」と語り合いたい。
そして、赤いのは唐辛子である。一般的な店舗には唐辛子が置いてないが、こちらの店舗ではオリジナルの唐辛子を注文することができる。それがどんぶり一面にふりかけられているのだ。
こってりとしたスープの中にある辛さがおいしさを引き立てる。ここにしかないようなのでぜひ。
料亭でこってり鍋を食べる
そして、時間になったので行きたかった鍋を食べに行こう。
京都でも有数の観光地である鴨川。そして、その隣にある町、先斗町。先斗町と書いて「ぽんとちょう」である。大通りにはマクドナルドなどのチェーン店も見かけるが、路地にはいると、そこには古きよき日本を感じさせるお店が立ち並んでいる。
「味のわからないやつが来るな!」と初めてのお客は断わるお店が多いと思っていたが、バルのような気軽に入れるお店が結構ある。そして、その路地を進むとあった。
天下一品こってりちゃんこ鍋。そんな素敵な鍋の名前をつけてもいいのか。これを食べに京都に来たのだ。雰囲気のあるところで食べる天下一品も素敵じゃないの、どれどれ中に入ってみようかな、内装はいつもどおりの中華料理屋っぽい幹事なんでしょと余裕ぶりながら、中に入ると全然違った。
「1名なんですけど大丈夫ですか?」とおそるおそる聞く。「大丈夫ですよ」と言われ、中へと案内されるがそこには驚きの光景がひろがっていた。
川を見ながら食べることもできる風流な天下一品である。夏の時期は川が見える外に席を作ったりするそうだ。全部がおしゃれすぎる雰囲気に気持ちが飲まれている。食べているときに芸能人とか国の偉い人とか来たら持っている小皿を落とすと思う。
見るもの全てに高級感がある。ここは元々、お茶屋らしく築170年以上の建物らしい。廊下やお部屋には値打ちがありそうなお椀や掛け軸が飾られている。一般的なお店だと天下一品とコラボしているアイドルや芸人のポスターが貼られているのを見るが、そんなものはどこにもない。有線から流れるインストのUSAなんて絶対に聞こえてこないタイプの天一。
鍋だけ食べて帰るのは申し訳ないので、お刺身を頂くことにした。鍋とお刺身を注文して待つ。
挙動不審である。鍋を食べに来ただけなのだが、こんなにも緊張感が張り詰めるものなのか。斜めに座ったおじさんはゆったりとしていたので、たぶんこんなに緊張しているの自分だけだな。おじさん、新聞を読み始めた。
ドキドキしながら刺身を頂いていると、とうとう楽しみにしていた鍋がやってきた。これが自分なりの締めだ。
早速、頂こうと思う。味は濃そうにみえるが、意外とさっぱりとしていておいしい。こってりの濃厚な味は残しつつ、お店オリジナルの合わせ味噌を加えることでコクやうま味、風味が豊かになっている。
鍋を食べて満足している場合じゃない、雑炊を食べなければならない。世の中のトラブルも雑炊を食べたら8割は解決する。平和のシンボルである。
本当の締めは広島で
これで終わってもいいのだが、2018年も終わろうとしているのにこれで終わってもいいのだろうか。いや、よくない!
飲み会のあとってラーメンを食べたくなるだろう。なので、ラーメンを食べるために広島に行こうと思う。
終電で帰ることはできなくなったが、食べたいものをあるのだから仕方ない。まだ深夜バスもある。予約していないが食べ終わったら調べておこう。急いでお店へ向かう。
中に入ってメニューをながめていると面白いメニューがたくさん見かけることができる。
西日本の天下一品には、オリジナルメニューが多く存在する。それだけでも気持ちがおどって、町の人たちと歓喜の歌を合唱したくなるだろうが、目当てのメニューがある。
絶品。辞書で調べると「非常にすぐれた品物や作品」のことである。もう、絶対においしいやつだと思ってメニューを見たところ、それを超えるメニューが出てきた。
「更なる高みへ!」というキャッチコピーが心を高ぶらせる。これを食べに来たのだ。昔、こってりよりもこってりとした「超こってり」というメニューがあったが、そのおもかげをほうふつさせる。
ゆで卵を食べながら待っていると絶品MAXがやってきた。
通常のこってりが来てしまったと思ったが、よく見るとレンゲ近くのスープの沈み具合が違う気がする。すくってみると、全然違った。
健康志向のOLが飲む朝のスムージーぐらいドロドロしている。麺を持ち上げるとスープがものすごく絡みついてくるのだ。
そして、味である。一瞬、カルボナーラを食べているのかと思ってしまうほどのクリーミーさ、そして今まで食べたことのないこってりを凝縮したような鶏や野菜の風味が口の中をかけめぐる。この世の全てのこってりを集めたような匂い。こってり好きにはたまらない上級者向けのメニューだ。
ラーメンで今年の飲み会も締めることができた。これで心置きなく、新年を迎えることができる。帰るべく、スマホでバスの予約サイトを確認しようとしたときだった。
本当に思いつきで京都から広島に行くことにしたのだが、三連休の初日である。事前に予約しないでも乗れるだろうと思っていたが、そうかないのか。広島に1泊が決まった瞬間だった。もちろん、ホテルなんて予約していない。