特集 2023年2月3日

投げたらシカが食べにくる! 奈良の鹿せんべい飛ばし大会にいってきた

鹿せんべい、モロい……

ということで、いよいよその成果を発揮するときがきた。

前の人のプレーが終わり(20メートルくらい投げていた)、速やかに大会用の特製鹿せんべいを受け取って競技エリアに入る。いくぞ!

競技用の鹿せんべい。でっかい! 直前に渡されるのは、シカに狙われちゃうからだ
(通常せんべいはこんな感じ)

それでは、シカオさんの掛け声(よいしょ〜!)に合わせて投げます。いくぞ!

よいしょ〜! と同時に、割れた! すっぽ抜け!

割れた! 記録以前に、鹿せんべいが割れちゃったのである。

投げた瞬間にわかったけど、鹿せんべいって、思ってたよりモロいのだ。ちぎれて飛んでいったせんべいはファールゾーンに飛んでしまい、もちろん測定圏外。

このあとも立て続けに2枚投げたが、2投目も割れてしまい、3投目は優しく投げすぎて目の前に落ちた。悔しい……。

フリスビーの練習によって、強い回転をかけるためにギュッと握ってしまうクセがついていたのかもしれない。しかしそれでは鹿せんべいは割れてしまうのだった。盲点だった。

初心者が続くと、シカがだんだん前に寄ってくる
いったん広告です

もう1回投げてもいいらしい

思うような結果が出せなかった。練習もしてきたのに、不完全燃焼だ……。

悔しさを噛み締めながら大会の動向を見守っていたが、朗報がある。

もう1回並んでもいいらしい。

せんべいを上手に飛ばせなかった参加者に向けて、たしかにそのようにアナウンスがあったのだ。「こそっと並び直してもらってもいいですからね」。

よく見ると、初めに投げていたチャンピオン軍団も再登場したりしている。いいんだ。

いいらしいので、再度エントリーして並びます。
いったん広告です

ラストチャレンジ!

順番を待っているあいだに、どうやったら上手に投げられるかの研究もできた。ちょくちょく投げ方についてのアナウンスがあるのだ。

たとえば「風はお寺さんから神社に向かって吹いてます。お寺さんの方に投げるといいですよ」というものとか。風を読むのがだいじなんだな。

向かって右手にお寺さん(東大寺)、左手に神社(春日大社)がある。地元民有利のアナウンスやな
追い風だったら、高く放り投げるのも有効みたい

そしていちばん重要なのは、鹿せんべいをやさしく握って、割れないように投げることだ。

それでいてスナップを効かせて回転もかける。難しい作業であるが、なんとか頑張りたい。最後の泣きの1投、いかせていただきます!

よいしょ! けっこうよさそう!
「20メートルライン越えました!」測定員は地元高校生
やったぜクリアー!

フワフワっと飛んだ鹿せんべいだったけど、山おろしの風にも乗って、なんとか20メートルのラインを越えた。やったぞ!

嬉しいような、ホッとしたような。爆発的に盛り上がるわけじゃないけど、じわじわ嬉しい気持ちになった。

フリスビーのテクニックはあまり役に立たなかったけど、若草山の風は味方にすることができたのだ。

ありがとう若草山、そしてすべてのシカたちよ。これからも奈良公園を訪れるときには、鹿せんべいを差しあげますね。

20メートルクリアーの景品はかわいいシカのキーホルダーでした
シカもありがとうな!

シカが近くにいるとなごむ

大会は、序盤に飛び出した44.5メートルの記録が抜かれず、そのまま優勝となった。

結局わたしは優勝争いには加われなかったけど、なんとか20メートルはクリアすることができて満足だ。なんで祭りではいろんなモノを飛ばすんだろうと思っていたが、不思議と達成感があったりして、ハマってしまうのもわかる気がしてくる。

それに鹿せんべい飛ばし大会だと、大型の動物がやってきて飛ばしたディスク(せんべい)をモグモグ食べる、という光景も見られて楽しい。

途中、寒すぎたのでぜんざいを食べて休憩した。真冬に食べるぜんざいってなんでこんなにおいしいんだろうな〜。
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ
20240626banner.jpg
傑作選!シャツ!袋状の便利な布(取っ手付き)買って応援してよう

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ