デジタルリマスター 2022年3月16日

しばれフェスティバル人間耐寒コンテスト(デジタルリマスター)

ザ・ガマン

日本で一番寒い町陸別で耐寒コンテストがあるという。その名も「しばれフェスティバル」。かまくらの中でただひたすら寒さに耐え、朝を迎えられたら認定証がもらえる。その寒さはピーク時にはマイナス30度に達するという。

「ちょっと面白そうですね」
その言葉が命取り。いつの間にか、耐寒コンテストに参加する事になっていた。

自慢じゃないが生まれてこの方、「寒さと人情に滅法弱い」をセールスポイントにやってきた。そんな男がそんなコンテストに参加しても大丈夫なのか?

愛と哀しみの耐寒コンテスト。
その一部始終を、どうぞ。

2003年3月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました

1970年神奈川県生まれ。デザイン、執筆、映像制作など各種コンテンツ制作に携わる。「どうしたら毎日をご機嫌に過ごせるか」を日々検討中。


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1月30日 東京 ~マイナス30度の世界に挑む準備~

マイナス30度の世界がどの程度のものか想像も出来なかったので、陸別町の町役場に電話して聞いてみた。
「あのー、どんな服装で参加したらいいんでしょうか?」
「まあ、そうですねー、常識の範囲内で暖かい格好でしたら」
と突き放されてしまう。その常識の範囲が知りたかったのに。

町役場で防寒対策のヒントを得る事が出来なかった僕と林さんは、とりあえず神保町の「さかいや」で一通り買い揃える事にした。

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おしゃれな「さかいや」のディスプレイ

登山・キャンプ用品の総合ショップ「さかいや」はグッズ毎に建物が違う。
「上着はあっち、下着はそっち、靴はこっちで帽子は向こう」
一通り揃えるのに色々な建物を巡らなくてはならない。
建物が変わる度にボーイスカウトみたいなスタッフの人と
「マイナス30度の場所で野宿するんです」
「運動とかはしますか?」
「いや、基本的にはじっとしていると思います」
というやりとりを繰り返す。

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何も分からないので、よろしくお願いします

防寒に対して何の知識もない僕たちは、とにかく店員さんの言う事を聞くしかない。
「下着は裏が起毛している厚手のタイプがいいです」
「えっ、チクチクしないですか?」
勧められるグッズがどれも防寒度マックスなものばかりで、暑そうだ。
「僕、フリース着ると汗かいちゃって駄目なんですよ」
林さんも不安そう。

でも、ここは東京で、暖房がきいた店内。これは暑すぎるだろう、っていう位の装備がちょうどいいのかもしれない。

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それ、レディースですよ

結局、買い揃えた防寒グッズは以下の通り。

・頭を守る

 耳あて付帽子(うさぎの毛)、目出し帽、ネックウオーマー

・ボディを守る

 長袖下着(起毛タイプ)、フリースジャケット、ダウンジャケット、ヤッケ(ゴアテック製)

・指先を守る

 フリース製手袋、その上から雪山用手袋(ナベ掴みの様です)

・下半身を守る

 タイツ(起毛タイプ)、ダウンパンツ、オーバーパンツ(ゴアテック製)

・お洒落は足元から

 防寒靴下(2枚)、防寒シューズ

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買い揃えた防寒グッズ一式

これだけの装備を整えても、スキーをする訳でもなく、雪山に登る訳でもなく、ただかまくらの中で一晩過ごすだけ。
林さんは「スキューバダイビングの機材を揃えたと思えばいい」
と言うが果たして本当にそうだろうか?

疑問を感じながら、いざ陸別へ。

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2月1日7時30分 羽田空港 ~女満別、北見 そして陸別へ~

陸別町への道のりは遠い。
羽田空港から女満別空港に飛び、そこからバスで北見に向かう。北見からは「ふるさと銀河線」で陸別まで1時間半。移動時間だけなら4時間弱なのだが、北見で4時間待たないといけない。合計8時間近くかかる計算になる。

7時30分。羽田空港で林さんと待ち合わせ。
空港ロビーにはサーフボードをカートに積んだグループがいる。日本一寒い街で野宿に挑もうとする者もいれば、かたやサーフィンUSA。人生機微交々だ。

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かたやサーフィンUSA

防寒シューズを履いた30男2人が機内に乗り込む。女満別行きの飛行機とはいえ、こんな靴を履いている人はいない。
「なんかスキー靴みたいで痛いですね」
「スネ毛のあたりがすれて辛いです」

この装備、オーバーだったんじゃないか?
2人の間に暗黙の不安がよぎるが、あえて口には出さない。
せっかく買ったんだから、ねえ。

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スキー靴のような履き心地

10時。女満別空港到着。
飛行機の外に広がる銀世界にびびったカップルが
「長靴はいてくれば良かった」
って言っている。
だしょ、だしょ!
さっきまでの不安は吹き飛び、一気に防寒シューズに優越感を覚える。

バスの時間まで少しあるので送迎デッキに出てみる事に。
電光掲示の温度計は-6.5度と表示されている。北風で顔が痛い。

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女満別空港は一面の銀世界

デッキに積もった雪は30センチほどで、防寒シューズも沈む。
「やっぱり中で待ちましょう」
ものの5分もしないうちに根を上げてしまった。

こんな事で夜を明かせるのだろうか?

-6.5度ですっかり参ってしまい、北見での4時間待ちを経て、「ふるさと銀河線」に乗り込みます。

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がんばれふるさと銀河線
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2月1日16時 陸別到着

「ふるさと銀河線」っていうネーミングから安直に銀河鉄道999を思い出す。
後から調べたら松本零士さんデザインのラッピング車両もあるらしい。
僕たちが乗った電車には
がんばれふるさと銀河線」 ってラッピングされていた。

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陸別駅に到着です

一両編成の銀河線に揺られること1時間半、電車は陸別駅に到着した。
駅周辺には「しばれフェスティバル」ののぼりや看板があちこちに出ている。
羽田を出て8時間。サーフィンUSAの人たちはハワイに着く頃だろうか?

駅周辺の気温-10度。

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しばれフェスティバルはこのマークが目印です

「4時から15分間隔で町中を巡回するバスが出てますからそれに乗って会場まで来て下さい。無料です」

町役場の人が教えてくれた通り、巡回バスが出ている。
ホットコーヒーでも飲んでバスに乗ろう、って思って自動販売機を見たら驚いた。
「つめたーい」飲み物しか売っていない。「あったかーい」っていう飲み物は1本もない。
この冬ってペットボトルのホットとか流行ってるよね?キャップがオレンジのやつ。
あれ、下さい。

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つめたーい

僕たちの今後を暗示するかのような「つめたーい」表示。
こんな寒いのに「つめたーい」のなんているか!

ホットコーヒーをあきらめ、巡回バスでしばれフェスティバルの会場に向かう。

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いざ、フェスティバル会場へ
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2月1日16時30分 会場到着、耐寒コンテスト受付開始

しばれフェスティバルの会場に到着すると人手の多さに驚く。
陸別の駅に着いた時は数える程しかいなかったので、もしかしたら耐寒コンテストに参加するのは僕たちだけか? と帰りたくなったが、どうやら車でやって来る道内の人たちが多いらしい。

「耐寒コンテストの受付開始は17時からです」

先着150名まででコンテスト参加は打ち切られる。受付場所にはまだそんなに人がいなかったので、とりあえず防寒着を完璧に着ておきたい。
防寒着フル装備で飛行機や電車に乗ったら暑くて大変だろう、という判断から起毛タイプの下着やフリースは荷物にしていた。

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幻想的な雰囲気のフェスティバル会場

「どこか着替える場所ありますか?」
会場スタッフに聞くとどうにも歯切れが悪い。会場に来て着替える人なんていないようだ。
「仮設トイレが外にありますので、そこで着替えるか、コンテストの受付が済んでからバルーンマンションの中で着替えるか、ですね」

どっちにしても外で着替えろと言っている。
マイナス10度で生着替え。しばれるなあー。

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しばれるなあー

着替える事が出来ないうちに、コンテスト受付が始まる。
申し込み用紙が配られ、かなり細かい個人情報の書き込みを義務付けられる。
住所・氏名にはじまり配偶者の有無、その氏名と連絡先、血液型はRHの+か-かまで。血圧の高低と身長体重、バスト、ウエスト、ヒップの欄もある。申し込み用紙の裏面には強制保険「しばれ保険」の加入に署名と拇印を押す欄が。
死亡100万円、入院日額1500円、通院日額1000円。
「これ、保険会社はどこなんでしょうね」
保険会社の名前はどこにも見当たらない。

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耐寒コンテスト受付開始

まあ、細かい事は気にせずに、受付完了。
僕がゼッケン番号74で、林さんは75。2人で28番のバルーンマンションで夜を明かす事になる。

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バルーンマンション。ここで夜を明かす事になる
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2月1日19時 しばれフェスティバルスタート

耐寒コンテストが始まるまでには時間があるので、しばし「しばれフェスティバル」会場内を探索。

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色々な夜店が出店されている

夜店が出ていて色々な食べ物・飲み物が売っている。雪景色の中の夜店はどこも暖かそうな品揃えで何を買うか迷ってしまう。
そんな中、「かき氷100円」に惹かれた林さんがかき氷を買っている。
あんまり寒さをなめない方がいいですよ。僕のアドバイスに耳を傾けない林さんは2口食べて途方に暮れていた。

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かき氷100円

メインステージでは開会に際して、町長さんや議員さんが次々と出て来て挨拶したり表賞されたりしている。

開会式が済むと薄着な女の人たちが踊り始めた

防寒着フル装備でも、会場内をウロウロしていると寒さがじわじわと足元からやって来る。
ワンカップの熱燗を買うが、10分もするとすぐに冷酒になってしまう。

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ヒョウ・ショウ・ジョー

15分間隔で忘れ物の場内アナウンスが流れる。
「シルバーの携帯を忘れた方、事務局まで取りに来て下さい」
「シルバーの携帯、機種はドコモのN503iです」

「先程の携帯、こちらでメモリーをチェックさせていただきました。アの所に安西興業、安藤さん、と入っています」

忘れ物の携帯メモリーをチェックしている。
恐るべし、しばれフェスティバル。

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しばれ花火もあがります

花火が上がったり、豚汁を飲んだり、鹿肉を食べたりしているうちに夜が深まり、いよいよバルーンマンションでの耐寒コンテストが始まる。

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2月1日24時 -13度 ~人間耐寒コンテストスタート

バルーンマンションの中は2畳ほどの広さで、真ん中部分では首をすくめれば立てるくらいの高さがある。段ボールが敷いてあり、その上から薄い発砲スチロールをかけてある。

「外よりはましですかね」
「まあ、なんとか」

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いよいよですねえ

他の参加者たちはどうやって夜を明かすのか?
覗き見て愕然とする。
他の参加者たちは、それぞれ発砲スチロールの上に毛布を敷き、更に寝袋にくるまっている。

「僕たち、毛布も寝袋もないですね」
「寝袋とか支給されるのかと……」

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既に辛いっす

下からの冷気が体に伝わってくるので、なるべく床との接地面積を少なくする方法を模索する。横向きに寝るとどっちかの脚がペッタリ着いてしまうので冷え込みが厳しい。
試行錯誤を繰り返し、両膝を立てて仰向けになる。これが一番寒くない事を発見。
「林さん、この格好がいいです」
「あっ、本当だ」

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この姿勢が比較的冷えない

10分経過。

「やっぱり、寒い」
「ちょっと命の火にあたりに行きましょう」

会場中央部に「命の火」という大きなたき火があり、そこはかろうじて暖かい。
ただ、風が強く火の粉が飛んで来るのであまり近付けない。

「……」

「とりあえず、休憩所に行きましょうか」
参加者たちは、少しの間なら休憩所で暖をとる事が許されている。

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一休み一休み

2月1日27時 -13度 ~人間耐寒コンテスト~

夜中の3時。
朝はまだ来ない。

「Webの今後について話しましょうか」
林さんから提案がある。
「雑誌だったら面白い雑誌特集とかあるじゃないですか。Webでも面白いサイト特集とかやってもいいんじゃないでしょうか?」
「そうですね、確かにそういう特集があったら面白いかもしれませんね。制作の裏側とか取材して」

夜中の3時に氷点下で何をやっているのだろうか?

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ヘルプ・ミー

「外の大きな滑り台で体を動かしませんか?」
「ああ、そうしましょう」

滑り台に行くと子供たちが元気よく滑っている。
シャベルの上にまたがって疾走している子供がいて、勢いがつき過ぎて壁に激突した。
キャッキャッキャッキャッ!!!!
子供たちは大いに盛り上がっているが、僕たちはその光景で引いてしまい、とりあえず「命の火」へ。

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子供たちは元気いっぱい

バルーンに戻るが10分とじっとしていられない。
夜中は夜店もない、食べ物とか何も用意していない僕たちがいる。

林さんはモバイルしようとしているがPHSがつながらない。
「こんな事もあろうかと、携帯用のモデムも買って来ましたよ」
携帯の電波は常に3本立っている。

林さんはうす暗いバルーンの中で携帯用モデムのドライバーをインストールしているが中々うまくいかない。

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ちょっと失礼して……

携帯、デジカメ、ノートパソコン、あらゆるデジタルデバイスの電源の減りが異常に早い。

「あー、駄目だ」

携帯でのネット接続を断念し、バルーン内が絶望で支配される。

「とりあえず、休憩所に」
「そうですね」

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一休み一休み

2月2日7時 ~新しい朝が来た~

朝7時。結局一睡も出来ないまま、なんとか朝を迎える。
なんて清清しい朝なんだろう!
何をやっても中途半端な俺たちだったけど、しばれに出会って、一つの事をやり遂げる大切さを知る事が出来たよ。金八っつあん。
俺たちは腐ったミカンなんかじゃない。

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新しい朝が来た

他の参加者たちは寝袋で寝る事が出来たらしく、寝ぼけ眼で続々とバルーンから出て来る。
寝袋があれば、あの寒さの中でも寝れるのだ。
寝袋って凄いな。

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希望の朝だ

会場内にラジオ体操第一が流れる。

無事、朝を迎えられた参加者たちはラジオ体操をもって、耐寒コンテスト完走となる。

耐寒コンテスト完走者には「認定書」が配られる。
これが日本一寒い街で夜を過ごした勇者の証しとなるのだ。

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ラジオ体操第一

夜中に休憩所で暖をとっている時に大会スタッフの人たちが
「認定書が楽しみで毎年コレクションしている人がいる」
「そういう人たちには、ゴールド認定書なり、そういうものを与えてもいいんじゃないか」
と認定書について検討しているのが聞こえた。

僕はゴールド認定書はいりませんが、是非、集めている人たちのためにプラチナ認定書の検討も進めて下さい。

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認定証授与式

まとめ

「今夜はそんなにしばれない」
地元の人たちは口々にそう言っていた。マイナス13度はまだまだ「しばれ」のうちに入らないらしい。「今日は暖かい」と言う人までいた。

それでも僕たちにとっては大変な寒さだった訳で、
これがマイナス30度まで下がっていたら、と考えるとゾッとする訳で、
とにかく、無事に戻って来れて有り難い訳で、

父さん、陸別の春はまだまだ遠いようです。

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しばれ認定証をゲット
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これで僕たちも勇者です
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