仕掛け、翌日
そして次の朝。昨日仕掛けたカニ網にはたして上海ガニはかかっているのだろうか。
早朝、眠い目をこすりつつ昨日カニ網を仕掛けておいたポイントへ行ってみて驚いた。
ないのだ。
カニ網が跡形もない。ある程度水の流れがある場所だったので網を鉄杭で固定しておいたのだ。だからなくなるはずはない。でもない。下流を捜索したがやっぱりなかった。思いつくことは二つ、カニがかかっていたので誰か持っていったか、カニが鉄杭引っこ抜いて逃げたか、だ。後者の方がかっこいいが、だとしたら早めに引っ越すべきだ。
同じ仕掛けを今日また設置していっても同じことの繰り返しのような気がするのでもう足で探すことにした。実はこの日を含め僕は計7日くらいこの周辺に通ってカニを探した。
そしてついに見つけたのだった。
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何かいるぞ
水場の底石の隙間に何か動く影を見つけた。玉置さんの記事を参考に持参していたトングでつついてみる。するとすごい力でぐいと引っ張り返され離してくれないではないか。緊迫する引っ張り合いの途中、ちらりと相手の爪の先が見えた。間違いなくカニだ、しかも白いぞ。
・爪の先が白い
これは上海ガニの条件の一つだ。はやる気持ちを抑えつつ踏ん張るカニとの引っ張り合いを続けること約3分。ふと力を抜いた瞬間、カニが出てきた。逃げる気だ。
待て待て待てっ、とトングが水を切る。