ふたつの軸が生まれた
#セコマセットリスト に寄せられたセットリストを見てみると、タイプを大きくふたつに分けることができる。それは
- 「曲が強い」タイプのセットリスト
- シチュエーションに合わせたセットリスト
である。
前者はいわゆる「キラーチューン」を中心に曲順を構成していく手法だ。音楽ライブでいうと、色々な属性の観客が集まるフェスなどで採用されがちな手法である。キラーチューンで盛り上がりつつ、初期の安定感ある曲や新しい曲で幅を演出してゆく。
後者は「夏」「恋」など、ある一定のコンセプトを設けて選曲する手法である。秋に開催されるライブでセンチメンタルな曲を連発されると泣いてしまう。そんなエモーショナルな手法だ。
音楽ライブの選曲手法と、セイコーマートの商品選びががっちり重なった。「曲が強いセットリスト」と「コンセプトの強いセットリスト」に分けてまとめていこうと思う。
曲が強いセットリスト編
まずはキラー商品が軸に構成されているセットリストを紹介する。エレカシなら今宵の月のように、スピッツならチェリー、KANなら愛は勝つであるが、セコマはどうだ。#セコマセットリストのタイムラインに頻出した5つのキラー商品と共に紹介したい。
大きなおにぎり
圧倒的トップバッター率でセトリ入りを果たしまくっていたのが「大きなおにぎり」だった。幕が上がって一曲目に大きなおにぎり。強い!
店内調理でおなじみのホットシェフブランドの商品である。ベーコンおかかや塩さば、すじこなどさまざまなアレンジもあり、がっつりした食事を演出する。
これは昼にぶちあがるタイプのセトリだろう。高まってきた!
酒
もう一つ、トップバッターを張りがちなキラー商品があった。それが酒だ。開場BGMの音が大きくなり、照明が明るくなって、セコマの酒が現れる。おにぎりが昼のセットリストの軸とすると、これは夜のセットリストだ。
セコマ酒の中でも人気だったのが「オランダモルト」。
いわゆる新ジャンルのアルコール。比較的新しい商品だ。前記事で紹介したパームビールと双璧をなす位置づけのアルコール商品で、こちらは価格の安さが強みで人気がたいへん根強い。
ゆずハイボールや、セコマオリジナル焼酎の長次郎ハイボール、そしてシードルもあわせてセットリスト入りしていた。
セコマ酒で開幕し、セコマのおつまみや食事で優勝していく(しかも安い)。そんな流れが確立されている。
惣菜
おにぎりと酒は抜群の人気であったが、他も負けていない。ここで紹介した3つは惣菜が軸となったセットリストだ。
惣菜が少量パック詰めされた冷蔵商品で、メインの価格帯がなんと税抜110円。これもまたセイコーマートのキラー商品なのだ。
セコマの惣菜はなんといってもバリエーションがえげつない。気分に合わせて惣菜を選べるというよりは、むしろ「そうだ、今おれはこれを食べたかったんだ」と惣菜の側から気づかせてくれるほどである。
セットリスト入りしている商品がバラバラなのはそのバリエーションによるものだろう。
なんでも客の雰囲気に合わせて演奏できる「流し」出身のアーティストといったところか。セコマの惣菜は。
アイス
ライブにはアンコールというものがある。いわゆる、最後の最後に演奏される曲だ。セイコーマートのセットリストにもその位置付けになる商品があった。それがアイスだ。
やはり華があるのは北海道メロンソフト。盛り上がりきった熱気あふれるライブを、濃厚なメロンの香りを漂わせながらこってりとライブを締めていく。
地味ながらも安定感があるのはバニラアイス。しっかりと北海道産の生乳が使われていて、雰囲気はロッテのバニラブルーのようで懐かしい。安心感のある締めである。
アイスを食べて頭がキンキンする感じと、アンコールの曲終わりに客電がパっとついて目がチカチカする感じ。あの感覚のするどさはどことなく似ている気がする。
パン類
これはもしかすると道民の総意ではないのかもしれないが、僕はセイコーマートのパン類もキラー商品だと思っている。
それはなぜか。ホットシェフのパンは店で焼いていてうまいからである。
クロワッサンはそのうまさが顕著で、「わたくし、いまさっき焼かれました!」というパリパリ感が素晴らしいのだ。もっと評価されていい技巧派の一曲だ。
ラスクは、サンドイッチ工場で出たパンの耳を利用していて、安くてうまい。CMソング用に作った20秒尺の曲をシングルカットしたみたいな話である。
もっと評価されてもいい、味わい深いセトリを最後に紹介した。
コンセプトが強いセットリスト編
ここからはもう一つの軸、コンセプト重視のセットリストを紹介してゆく。テンポよく、エモーショナルに味わっていこう!
「昼ごはん」
昼ごはんというテーマのもと生まれたセットリストの数々。
カットりんごであざやかにライブを締める方もいれば、パスタを連続させる攻めのセットリストを構成する方も。パスタ5つは相当満足感あるのでは!
「晩ごはん」
こちらは晩ごはん。料亭みたいな構成からヤケクソ晩飯まで、この振り幅がセイコーマートである。
「寝坊した朝」
「時間がない」なりに充実のセットリスト。ようかんパンとは、北海道のローカルパン。名前の通り羊羹がコーティングされたファンキーなパンだ(以前にDPZ編集部の古賀さんが取り上げている)。和楽器バンドみたいなパンである。
「学校に残って自習」
あああ~~~(高校時代を思い出して膝から崩れ落ちた)。
これが北海道の学生のリアルな光景です。生徒会室に干したタオルの生乾きのにおいがしてくるくらい超リアル。
短いながらも激エモなセットリストだ。すごい破壊力。
「牛乳や食パンがなくなりそうなとき」
セコマは牛乳にもこだわりがあり、プライベートブランドの牛乳が販売されている。そしてその牛乳パックを20枚集めて店に持っていくとティッシュペーパーがもらえるのがおなじみ。SDGsという言葉が浸透する前からサスティナブル!
牛乳とパンを買いにいったのに晩酌のことやデザートのことを考えてたくさん買ってしまうのわかります。ストーリー性のあるセットリストでした。
「夜勤明け」
夜から朝までの時間の流れが見えてきました。豚串食べて寝ようと思ったら眠れなくて、次の日用に買ったプリンを深夜に食べちゃうんですよね。
うおお、セットリストを読んだだけで生活の光景が見えてきた。エモーショナルだ……(先ほど膝から崩れ落ちたまま記事を書いています)。
再現した
みなさんのセットリストを怒涛の勢いで紹介してきた。みなさん、まだまだいけますか?
最後はこれまでのセットリストのなかから僕がグッときたものを再現しようと思う。
まずはこれだ。
実際にそろえてみるとこうなる。
すごい。これは自習だ。このセットで税込およそ220円で、まさに学生の味方。味もバッチリであり、トマトのフレッシュさを感じるミートソースがとてもよい。
隣に参考書を置いてみたらリアリティが増した。ここはセンター試験前か…??
続いて再現するのはこちらのセットリスト。
いたって正統派といった感じのセットリストだ。再現するとこうなる。
興奮しすぎてキャプションが音楽ナタリーのようになってしまったが、みなさん冷静に考えてほしい。これが4品全部合わせて税抜840円である。かつ丼に本格的なおかずが3品ついて、だ。
セコマ、強すぎる…。
※価格は記事執筆当時のものです。また、地域によって価格が異なる場合があります。詳しくは店頭でご確認ください。
次は夏フェスだ
音楽の力は無限大だと言われたりするが、セコマの力も無限大だと思った。さまざまなコンセプトのセトリが寄せられたのを見るに、いろんな暮らし方にフィットしているんだなあ……と。
音楽ナタリー、お笑いナタリーに続いて、セコマナタリーがあったって良いと思う。ライブレポならぬセコマレポをひたすらアップし続ける形で。ナタリーさん、いかがですか。
これだけセットリストが集まったということは夏フェスだってできるんじゃないだろうか。タイムテーブルをつくって石狩湾のステージでお待ちしております(うそです)。