自撮りはノリ
加藤:ていうか、自撮り自体がほぼノリの産物だからね。言い方悪いかもしれないけど、ノリ悪い系の人っているじゃん。
佐伯:わたしのことだ。
加藤:そうだね。
佐伯:そう、わたしは自分から「一緒に写真撮ろう」って言ったこともないし、友だちと一対一の時に「一緒に写真撮ろう」って言われたこともないんだよ。
加藤:ノリ悪そうだからでしょ。
佐伯:全然自撮りOKなのに。
加藤:その感じ全然出てないよ。
佐伯:そっか…。たしかに加藤と一緒に自撮りしたこともないしね…。
加藤:少なくとも、わたしは佐伯と写真撮ろうって思ったことないよ。10年以上の付き合いだけど、一度もね。
佐伯:そんなに…そんなにか…………。
加藤:それは自分でもわかってるでしょ。
たしかに、その通りだ。言い返す言葉がない。
わたしと同じように、友達と一対一の時に「いっしょに写真撮ろう」と言われたことがない人は、今一度過去の自分の言動を振り返ってみてほしい。きっと思い当たる節しかないだろう。(すぐ帰る・誘いを断る・相手の顔を見ない など)
だんだんと集中力が切れてボンヤリしてきたわたしをよそに、加藤は再び箸を持つ。
そう、「デザートは食後」なんて、そんな決まりはない。ここからスパートをかけたっていい。人は自由だ。
佐伯:じゃあさ、自撮りの打診をされるためにノリがいいって思われるにはどうすりゃいいわけ。
加藤:「趣味はアフタヌーンティーです。インスタやってます。」って言いな。(※あくまで加藤の見解です)
佐伯:え"ッッッッ。どっちも大嘘すぎる。
加藤:言うんだよ!!!!!!言ってから行けばいいから!!!!!!!インスタもやるの!!!!!そんでストーリーに友達と一緒の自撮り載せるの!!!!!!!!!!
佐伯:そんな〜。
加藤:自撮りしたいんでしょ!!!!!!!!
佐伯:でもそれを一緒にやる相手がさぁ…。
加藤:Spoonを!!!!!!!!やれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
佐伯:じゃあSpoonで会った人に「趣味はアフタヌーンティーです。インスタやってます。」て言えばいいのね?
加藤:それは印象悪いからダメ。(※あくまで加藤の見解です)
佐伯:むずすぎるよ。
加藤:spoonはねー、ちょっと治安がアレだから気を付けないと。わたしはこの前、『男女の友情は成立するか』について話してたら、知らねー視聴者から『ビッチ』って言われたし。『死ね』って言って切ったけど。
佐伯:治安悪ッ。
加藤:あとは自分から積極的に写真を撮ることだね。
佐伯:あ、なんかそれならできそうだわ。よかった。spoon以外にも選択肢があって。
自撮りが先 思い出は後
佐伯:とりあえず自分からバンバン撮りまくっていいってことね。了解。じゃあ、これが最後の質問なんだけど、そのオケの人たちとはいつ自撮りしてるの?
加藤:練習前、練習中、リハ中、本番直前、終了後、打ち上げ…。
佐伯:全部じゃん。
加藤:なにかと理由付けて撮ってる。写真って、撮ることで思い出になるから。
佐伯:へえ。
加藤:あのね、自撮りって、思い出じゃないことを思い出にする行為なの。
佐伯:ほー…。
加藤:オケの人と写真撮ってるのって、大抵の場合は『その人だから』撮ってるんじゃないの。自撮りにおける他人ってほぼ背景だし、装置だから。『なんかこういう人たちとオケに乗ったな〜』っていうのを記録して、わたしの思い出を形作るための人物Aとして存在してるの。あくまで写真の中ではね。(※加藤の見解です。)
佐伯:へぇ〜…。
加藤:要するに自己満の思い出なんだよね。私の場合はって話だけど。
記憶は2ショット自撮りの中に
めちゃくちゃ当たり前のことだが、料理や景色の写真だけ撮っても、見返した時に思い出せる情報は少ない。
誰と行ったかとか、その時自分はどんな格好をしてたかとか、本当に思い出したいことを呼び起こすフックは、きっとそっちの方に強く備わっている。わたしがそのことに気付いたのはかなり最近だった。
誰かと自撮りする人は、そのことを自覚した上でシャッターを押しているのだろうか。自覚していたとしても、そうでなかったとしても、そのまま屈託のない思い出を量産してほしい。
加藤の話をうんうんと聞きながら、なんとなくそんなことを思ったりした。
佐伯:いっぱい話してくれてありがと。ちなみに、今腹何分目?
加藤:7かな。
佐伯:これで7…。
加藤:まあご飯と同じくらい酒も飲んでるしね。
佐伯:人体の仕組みって…そういうもんなのかな…。ところで加藤って食べ放題とか行くの?
加藤:行くよ。今度しゃぶ葉行こう。
佐伯:しゃぶしゃぶなんて無限なんじゃない?
加藤:そうだね。しゃぶ葉はね、しゃぶしゃぶ来る前にカレーとわかめごはんを一緒に食べんのよ。
佐伯:?カレーライスのライスをわかめご飯に置き換えるってこと?
加藤:違くて。カレーライスのおかずとしてわかめご飯を食べるの。そんで肩(胃)温めとく、みたいな。
佐伯:楽しすぎる。絶対行こう。