特集 2023年4月11日

海外旅行のメインコンテンツ、それは散歩〜雨のザルツブルクでファイアサラマンダーに出会った

海外旅行のメインコンテンツ、それは散歩

知らない土地に来ると、とりあえずそのへんをうろうろと散歩するのが癖である。

たいてい何かしらおもしろいものが見つかるし、運が良いと今回のようにファンタスティックな出会いに恵まれることもある。たとえなにも見つからなくても懐は痛まないので我ながらいい趣味だと思う。

14.jpg
今回登った丘の登り口。ガソリンスタンドの裏手にあった。今思えば、なぜここに入ろうと思ったのか謎だ。
15.jpg
登っていくと城壁のようなものが見えてきた。
16.jpg
城だ!大きくはないものの、入口が高い位置にあって橋を渡らないと到達できないところや、壁のそこかしこに銃眼のような穴が開いているところが守備の固さを感じさせる。
17.jpg
残念ながら中には入れなかった。

ザルツブルクの市街地を貫通して流れるザルツァハ川をはさんで、そこだけ大地を削り忘れたような急峻な丘が二つそびえている。

一つが東の新市街地側にあるカプツィーナーベルクで、今紹介したファイアサラマンダーがいたのはこっちである。

有名なホーエンザルツブルク城などがあるのは、川の西岸にある旧市街地に接しているメンヒスベルクの方だ。

18.jpg
メンヒスベルクにも登ってみた。旧市街地が一望できて景色は最高だ!
19.jpg
城壁の修理をしていた。
20.jpg
リス!しかしファイアサラマンダーのようにゆっくりとは観察させてくれず。
21.jpg
チーズをナイフで切ったみたいな切り立った断崖。
22.jpg
下から見るとこう。建物のファンシーな色と重苦しい崖の対比が素敵。
いったん広告です

モーツァルトの家に行ってみる

ザルツブルグといえばモーツァルトの生まれ故郷だ。

生き物や地形ばかり見ていていたが、せっかくだから観光地らしいところにも行ってみようということで、旧市街地にあるモーツァルトの生家を見学することにした。

23.jpg
一等地に建つ銅像。

ザルツブルクといえばモーツァルトだ。

旧市街の一等地には立派な銅像が建てられたモーツァルト広場があり、ホテルのロビーには巨大なモーツァルトの人形が飾ってあったし、郊外にあるザルツブルク空港はモーツアルト空港の異名をもつ。さながら鳥取県における水木しげる先生のような立ち位置である。

私はというと、映画『アマデウス』に出てきた「ヒハハハハ!」という甲高い声で笑いながら下ネタを連発するモーツァルトの印象が強く脳に焼きついていたため、彼の顔や名前を見るたびに笑い声がフラッシュバックして苦しめられることになった。

とはいえ、死後数百年にわたってこうして市に富をもたらし続けている彼がザルツブルクにとって大恩人であることは間違いない。

24.jpg
生家の外観。
25.jpg
階段を上がって入場する。自分以外にも日本人の観光客がたくさんいた。
26.jpg
入場料12ユーロ(1700円くらい)。「たっか!」と声が出た。
27.jpg
館内は思ったより広い。
28.jpg
モーツァルトが使ったピアノ、ただしレプリカ。

展示されていたのは、書簡、肖像画、生前のモーツァルトが使っていた細々とした日常品などなど。

「ふーん」という、わかったようなわからないような顔でそれらを見て回った。自分で自分の顔は見えないのになぜそう思うのかというと、周囲の観光客たちもみな「ふーん」という顔をしていたからである。

日々大勢の人がこのなんということのない住居へやって来て、12ユーロ払ってわかったようなわからないような気になって帰っていくのだ。やっぱりモーツァルトはすごいなあとあらためて感心したのだった。


似ているところと似てないところ

途中で少し話したアカハライモリの写真を載せて記事を締めたいと思う。

29.jpg
ファイアサラマンダーと違って背中側は地味なのだが、​​​​
 
30.jpg
腹側はこんな感じでド派手。かっこいい!普段見えない側に模様があるなんて、江戸っ子の羽織みたいで粋だねえ。
対して、ファイアサラマンダーはパッと目につく背中側に模様があって、逆に腹側は地味なグレー一色である(個体差による例外はある)。日欧の文化的差異を反映しているのだ(ちがう)。
目的は同じ警告色なのに、真逆の配置になっているのはとても興味深い。

 

31.jpg
今年もそろそろ脱走のシーズンがはじまるな......。
<もどる ▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ