佐渡島のイベントに出ます
ということで、2月に佐渡島へ行ったばかりですが、5月31日(土)に『ハロー!ブックス2025』というイベントでまた訪れます。よろしければ佐渡で会いましょう。
あとインド旅行の旅日記の同人誌『南インドを食べ歩く バンガロール・マドゥライ・ゴアのゆるゆる旅行記』を出したので、こちらもよろしくお願い致します。
まずは岩海苔を刻んで、徹底的に砂を落とす。
砂のある海苔というものは、砂出しの甘いアサリよりもイラっとするらしい。
二つの枠と海苔簾(のりず)を使って、刻んだ岩海苔を板状(伴)にする。
昔は夫婦で作業を分担し、父親が海苔を刻み、母親が板状にする流れ作業で作ったそうだ。
この作業をやらせてもらったのだが、見ての通り簡単ではなかった。薄いところと厚いところができたり、どうしても四隅のひとつが欠けてしまったり、なかなかきれいな板状にはなってくれない。
「紙漉きと同じ要領ですが、こればっかりは経験です。薄くすれば穴が開くし、厚くすると噛み切れない。均一にするのは何年やっても難しい。うまくできたと思っても、乾燥すると余計にムラが目立つんですよ」
時間とグラムさえ計れば失敗しないタイプの料理とは根本が違う難しさ。その土地で生まれ育った人(あるいは移住した人)にだけ許される、最高の趣味だなと思った。
海苔簾を竹竿に刺していき、ある程度溜まったら乾燥させる場所へと運ぶ。
干す工程にもノウハウがたくさんあった。
干しあがったらできあがり、ではなく、極力砂が残らないようにするための最終チェックを怠らない。
砂への対抗心がすごい。絶対にジャリっと言わせてたくないのだろうが、ここまでやっても残ってしまうこともあるのだとか。完全手作りの厚い海苔だからこその苦悩。
こうして手間暇かけて作った沢崎産の伴海苔は、基本的には販売をしていないものの(趣味だから)、その一部を佐渡市のふるさと納税の返礼品用として納品しているそうだ。
集落によっては直売所などで販売しているところもあるようだが、今後は後継者不足によってさらに貴重になっていくのかもしれない。
伴海苔は焼き海苔ではなく乾海苔なので、このまま食べるのではなく、サッと加熱してこそ本領を発揮する。
部屋を暖めていた灯油ストーブの上で、漆黒だった色が鮮やかな深緑になるまで炙ったものをいただくと、バリっとした歯ごたえと確かな磯の風味が堪らない。醤油をちょっと垂らすともう最高。
育つ環境、摘む大変さ、加工の難しさを知ることができたからこそ、その思い入れがさらに味を膨らませる。
「酒のつまみにいいんですよ。これは作った人だけの特権の味。
厚すぎるから海苔巻きには向かないけれど、お餅を巻いたり、おにぎりやのり弁にしたら抜群じゃないですか。ラーメンとか蕎麦みたいな麺類にもよく合います」
ここからは余談。岩海苔のお礼という訳でもないのだが、摘んできた生の岩海苔とこの伴海苔を使ったうどんを作らせてもらった。
持参した家庭用製麺機をさりげなく取り出すと、「懐かしいなあ、これ子どもの頃に使っていたわ。作ったのは蕎麦だったと思うけど」と、予想外の反応が返ってきて驚く。
まさか沢崎にも家庭用製麺機を使った製麺文化があったとは。この話を深掘りしたいところだが、今日のところはとりあえず我慢だ。
繊維が長いままの生岩海苔を煮たものと、伴海苔にして炙ったものでは、同じ岩海苔でも食感と風味がまったく違う。その両方が楽しめるのだから、海苔好きには堪らない一杯となった。
「うまいな。コシのあるうどんに岩海苔がよく合っている。でも一つ言わせてもらうと、ちょっと石の取り方が甘かったな!」
ということで、2月に佐渡島へ行ったばかりですが、5月31日(土)に『ハロー!ブックス2025』というイベントでまた訪れます。よろしければ佐渡で会いましょう。
あとインド旅行の旅日記の同人誌『南インドを食べ歩く バンガロール・マドゥライ・ゴアのゆるゆる旅行記』を出したので、こちらもよろしくお願い致します。
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