旅行あるある・突如体調崩れがち
いつからこの症状が出始めたのかは覚えていないが、たしか大人になってからだったと思う。
こと旅行においては、今回みたいな出発前以外でも「ウワーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!」となることがある。
例えばコンサートを見るために大阪に行ったとき。
私は特に旅先の電車が苦手で、知っていそうで全く知らない街並みがギリギリ認識できる速度で流れていくのを見ると「ウ……………(酔う)」と思う。
目を閉じると走行中の揺れに集中してしまうので、それとなく車内を見渡しながら景色に意識を集中させないようにする。
二の腕から頭のてっぺんまでが急激に熱くなる。それなのに、喉の奥だけは水を飲んだあとのように冷たいのが不気味だった。
例えばコンサートを見るために福岡に行ったとき。
いったんホテルに荷物を置いてから観光に出かけるつもりだった。しかし、『休める場所に向かっている』という安心感から、ホテルに近づくにつれて今まで封じていた若干の調子の悪さが『こっからギア上げてきま~す』みたいなノリで加速していった。
到着して荷物をおろしてベッドに腰かけた途端、自分の中のスイッチがオフになって、結局そのまま寝た。
例えばコンサートを見るために仙台に行ったとき。
仙台駅で係員さんに言われるがままにバスに乗り込んだ。しかし、本当にこれで合っているのか不安になって、停留所に止まるたびにその停留所の名前から目的地までをYahoo!乗換案内で検索した。なんども繰り返しているうちに、自分が乗っているバスがなんなのかわからなくなる。
バスはみるみると山に吸い込まれていく。日差しばかりが眩しい。スマホに映った自分の顔と知らない停留所の名前を交互に見ていたら、喉がキュッと締まって頭がぼやけた。
例えばコンサートを見るためにまた大阪に行ったとき。
時間をつぶすためにカフェに入ってボンヤリしながらコーヒー牛乳をバカスカ飲んだら速攻で腹を下した。
…最後の方の話は少し趣旨が違うかもしれない。
搭乗
飛行機に乗り込む。ここまで来たらどうしようもないという諦めと、やっぱり無理かもという不安で体調がアップダウンする。離陸するころには随分とマシになったが、やはり早退ができないという状況に不安を感じる。
もう本当にお前はどこにも行くなと思うだろうが、断じていやいや行っているわけではない。なんで懲りずに行っているかって、一番の目的は人が住むところには生活があるということを忘れてしまうので、それを確認したいのだ(あとコンサートがあるから)。
どこに行ったって結局生きてる限りは生活をしなくてはいけないし、腹だって痛くなるという諦めを噛み締める。
しばらくしたら少し体調がよくなってきた。
そういえば喉が乾いている。水が飲みたい。
売店で買ったクリスタルガイザーに手をかける。
蓋が浅くて全然開かない。強く擦れた親指の付け根だけが熱い。
この後降り立った尾道はゲーム配信(龍が如く6)で見覚えのある見たことある景色が広がっていた。て、一瞬で体調が良くなった。
つい先日視聴したゲーム配信(龍が如く6)の舞台が、まさにここだったのだ。
特に、ボコられていたヤクザを主人公が助けた場所である千光寺は、ゲームに出てきた風景そのままだった。境内にはリラックマの絵馬が大量にぶら下がっていて、「桐生(主人公)もこのリラックマの絵馬を横目にここを通ったのかも」と思ったら体調が良くなった(年代的に見ていない可能性もある)。
ちなみになんで龍が如くのゲーム配信を見ていたかって、そりゃ好きなアイドルがやっていたからである。アイドルよ、ありがとう。
あと、鯛茶漬けを食べたらスーッと意識が回復してきたので、やっぱりお腹がすいていただけかもしれない。