寂しくなるほど楽しかった
充実のカラオケ大会であった。最後に「ありがとうございました~」と接続を切ったとき、ちょっと寂しかった。一緒にカラオケをしていたのに、急にふっといなくなっちゃうから。
でも寂しかったということは、それだけ楽しかったということだ。距離を超えて、距離が縮まる。また一緒に歌いましょう~と、沖縄に念を送る。
さて、ここまで記事を読んできたみなさん、なにか気になることがありませんでしたか?
写真のなかに、説明していない部屋が映っていましたよね……?
実は東京チームでは、同じ店舗内に「みんなで楽しむ部屋」と「1人で楽しむ部屋」の2部屋を用意したのだ。
沖縄と合わせて、3部屋をオンラインでつないで遠隔カラオケをしていたのである。
人前で歌うのは恥ずかしいけど、1人なら人の目を気にせず思いっきり歌える、という人もいるだろう。
遠隔カラオケの仕組みを使えば、1人で伸び伸び歌いつつ、みんなでカラオケができるのである。
歌いたがりの上司を焚き付けて1人部屋に追いやり、こっちはこっちで上司の悪口で盛り上がるのにも使えそう。でもマイクのスイッチが入っていたら全部聞こえちゃうか。
そういえば、ヒトカラってやったことがないな。なんかこう、1人でカラオケ屋に行くのって、まだちょっと抵抗があるんですよ。やったら楽しそうなんだけど……。
じゃぁ、ちょっとここで体験させてもらってもいですか……?
追加でクリームソーダを頼んだら、隣りの部屋では「井上さんがクリームソーダを頼んでいるぞ」と、ちょっとざわついたらしい。いいじゃないか。おじさんがクリームソーダを頼んでも。
1人部屋、周りを気にせず飲みたいものを頼むのにもいいことがわかった。
あと、わかったことがもうひとつ。東京と沖縄の部屋で一緒に歌おうとすると、どうしても歌声がズレて聞こえちゃうのだ。オンライン会議と同じで、ちょっと遅延があるみたい。
ここからは交代で1人部屋を体験してみよう。
やってみたいことはやったので、もうここからは自由にカラオケを楽しもうタイムだ。
そうそう、さっき「相手の画面に採点結果が出ない」という話があったのだけど、実は曲のタイトルや歌詞も相手の画面には出ないのだ。
でもそれはそれで、イントロが鳴り出したとき「それを歌うのか!」という驚く楽しみがあるし、歌う側は適当な歌詞で歌っても相手にバレない。
あと、イントロクイズみたいにもなる。沖縄チームの「はたらくくるま」を当てたときは嬉しかった。
あっというまに2時間ほどがたち、そろそろお開きである。1500kmを超えたカラオケ大会の最後は、「サライ」で締めることにした。
充実のカラオケ大会であった。最後に「ありがとうございました~」と接続を切ったとき、ちょっと寂しかった。一緒にカラオケをしていたのに、急にふっといなくなっちゃうから。
でも寂しかったということは、それだけ楽しかったということだ。距離を超えて、距離が縮まる。また一緒に歌いましょう~と、沖縄に念を送る。
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