特集 2023年3月16日

通学路を歩いて当時の遊びを思い出すと楽しい

電車が通ると呪われるガード下

今見ても不気味な感じがする

通学路にガードがあり、電車が上を通っているときにトンネルをくぐると呪われるという噂があった。天井から落ちてくる水滴に当たるとアウト、という説もあった気がする。

電車がやってくる前にトンネルを抜け出ようとする友達を足止めして、自分ともども呪われるという動きをよくしていた。連れションの感覚で一緒に呪われたがるんだから子供はおかしい。

近鉄といえばこの赤い車両
いまは頭を打ちそうで物理的に危ない
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いいゴミが落ちている道

歩くとガタガタ音がして楽しい道

先程のトンネルをくぐり抜けると、いいゴミがよく落ちている道に出る。いいゴミというのはガスが残ったライターやカセットテープなど、触って楽しい遊びがいのあるゴミのことだ。

今回も何か見つかるといいなと思っていたら……

ブーメランにもメンコにもなりますね。いいゴミです

グズグズになった履物が見つかった!草履かサンダルかも分からないほど劣化した和洋折衷のいいゴミである。都合よくいいゴミを見せることができて郷里を誇らしく思う。 

心の底から嬉しかった
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転んだついでにかぼすの存在を証明する

友達と一緒に下校中、果物の名前をひとつずつ答えていく古今東西ゲームのような遊びをしていた。

リンゴやバナナなどのメジャーな果物が出尽くしたあと僕の番が回ってきたので、ゲーム終盤まで隠し持っていた「かぼす」を発表した。

響きも面白いしウケるだろうと思ったら、なんと周りの友達はかぼすを知らないという。答えに窮して架空の果物を作り出したという容疑までかけられる始末だった。

ちなみにこれがかぼす

何としてでもかぼすの存在を証明してやりたい。。

通りがかる大人からかぼすを知っているという言質を取れれば話が早いと思ったが、人見知りなので自分からは声をかけられない。

子供時代の僕は妙案を思いついた。大人が近づいてきたら目の前でわざと転び、手を差し伸べられたらそのまま質問に持っていけばいいのだ。

コケたふりで大人の気を引こうとした思い出の道

大人「大丈夫?」
僕「かぼすって知ってますか?」

この流れなら自然だ。。

悪ふざけと思われたくないので友人と距離を置きながら歩き、大人とすれ違うたびに大げさに転んでみたが、誰もが素知らぬ顔でスルー。一人も声をかけてくれなかった。寂しい町である。

結局、らちが明かないので自分から声をかけることによってかぼすの存在を証明した。僕は満足したが友人たちはどうでもよさげだった気がする。

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受水槽の下を秘密基地にする

近所のマンションに設置されている受水槽の土台部分に潜り込み、秘密基地として使っていた。

塾をサボるときにもよく忍び込んでいた

受水槽の下には高さ80cmで2畳くらいの空間があり、子供が遊ぶには十分な広さだった。フェンスで仕切られているので誰も入ってこないし、屋根も天井もあるので自慢の基地だ。

高校生のとき剣道部の合宿に行くのが嫌で、ここで野宿したこともある。親から合宿費だけせしめて家を出て、基地にダンボールを敷き携帯電話でテレビを見るなどして楽しく過ごした。家に連絡がいかないように固定電話の線は抜いた。

路上生活向いてるかも!大人になっても働かなくていいじゃん!とはじめのうちは思えたが、じきに雨が降ってきて体がビショビショになった。天井だと見なしていた受水槽の底は、天井の役を果たさなかったのだ。びっくりした。


聞きかじった話によるとノスタルジーに浸る行為は脳にもいいらしい。その点で言えば通学路を歩くというのは最高だ。楽しくて運動になるし、お金もかからない。

自分だけの楽しみを大切にして暮らそう。

みのむし探し

 

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