トランポリンでびよんびよん
蒲田からお台場に向かう。
目的は世界最大級の規模を誇る、パレットタウンの大観覧車だ。
最高到達点115メートル、パレットタウンに巣食うあのモンスターに挑む。あれを征服して初めて、高所恐怖症を克服したと言える。
グレ太すら征服出来なかったが、大は小をかねるのだ。
パレットタウンに着くと、ゴムに括られた子供がトランポリンの上をびよんびよんしている光景が目に飛び込んで来た。
「何だアレは?」
モンスターに挑む前に、アレで高さに慣れてみようじゃないか。
子供がやっている位だし、大した事はない。
左右の柱から伸びるゴムを腰に結びつけられ、ゆっくりと上に上がっていく。
「少し反動をつけますから、トランポリンに足が着いたら蹴り上げて下さーい」
インストラクターのお兄さんの言う通り、トランポリンを蹴りあげる。
びよーんっ!と一気に体が上昇していく。
「えっ!こんなに?」
さっきの子供とは様子が違う。僕の視線は3階くらいの高さまで上がっている。
「膝を曲げて体に引き寄せて!」
お兄さんの言う通りにしたら、グルンと体が後ろに回転した。
バク宙しながら落下していくと、
「はいっ、蹴って!」
とトランポリンを蹴りあげる事を強制される。
びよーん、膝を抱えて、グルン。びよーん、膝を抱えて、グルン。
ウッ、ウッ、という僕のうめき声が静まりかえった会場内に響く。
固唾を飲んで僕の跳躍を見守るギャラリーたち。予想以上の拷問ぶりを見せつけられ、誰も僕に続こうとはしない。
「やっぱり、やるんじゃなかった……」
跳躍後に測った結果。 |
脈拍が一気に上がった反面、血圧が下がっている。
血の気が引いてしまったという事か?
気力と体力をだいぶ奪われてしまったが、ここからがメインイベントだ。
いよいよパレットタウンのモンスターと対峙する。