特集 2023年9月19日

恐山の面白かったところベスト3

恐山に行ったんですよ。

青森県には恐山という山がある。「比叡山」「高野山」と並ぶ日本三大霊場の一つであり、「東北で亡くなった魂は恐山に集まる」と言われている。

恐山の風景は死後の世界と呼ばれており、そんな風景を一度は見たいと思い、夏休みに行った。その中で面白かったところをベスト3で発表しようと思う。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:「五反田の成城石井が涼しい」というのは本当か?


恐山に行った

8月の中旬頃、夏休みを利用して恐山に行った。前々から行きたいと思っていたが、ある日「いつ行けなくなるかわからないから行くしかない!」と思い立った。

ホテルは取れたが、新幹線の席が取れない。窓口に行ったら「立ち席ならあるんですけど」と言われ、聞いたら「指定された車両のデッキに立つ席」で少しだけ安いらしい。3時間立ちっぱなしかと思ったが、良い経験なので立ち席を予約した。

乗ったところ、立ち席は自分だけかと思っていたが、海外の人が多くいて、外国の電車に乗っているような気分になった。

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ちなみに帰りも立ち席だった。夏休み、恐るべし。
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そんな中でなんとか着いた。

行ってみて面白いと感じたところを発表しようと思う。

第三位 マウンテンデューがある

朝から何も食べておらず、とりあえずご飯を食べたいので恐山にある唯一の食堂に行く。お腹がペコペコである。お腹がペコペコってあまり周りの人が言っているのを聞いたことがない。もっと言っていこうよ。

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蓮華庵(れんげあん)というお店。

ここの食堂以外で食べられるところがないので、恐山に行く人のほとんどがここで食事をしている。

昔は飲食店も多くあったようだが、今ではここだけになったそうだ。

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本当に食堂みたいな感じだ。

メニューはうどんやそば、カレーライスなどシンプルなものが多い。恐山名物恐山カレーみたいなやつはない。普通のカレーライス。

周りの人たちはカレーライスを食べている。いいよなカレーライス。でも、ざる中華を食べることにした。

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頼んだあとにスマホを見たら圏外だった。

よく聞く観光地なので、スマホは普通に使えるものだと思っていたが、やはり山の中、全然電波が届かない。恐山の風景を楽しむ場所だ。

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そしてやってきたざる中華。
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うめえ…

中華麺をそばつゆで食べる。めちゃくちゃおいしいというものではなく「こういうのをたまに食べたくなるよな」という味。疲れた体にちょうどいい。

白玉やあんみつもあるが、ここでゆっくりしていてもなと思って、外に出た。何か飲み物を買いたいと思って自販機を見ていた。やはり山の中、ちょっと値段が高い。

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ちょっとだけ高いがでも山の中だしな。

そう思いながら自販機を見ていたら、おいマウンテンデューがあるじゃないか。恐山にマウンテンデューって!と興奮して即買った。これが旅行の怖いところだ。

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マウンテンデューだ!
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町中で見ても買わないのに「山でマウンテンデューを飲むなんて、最高だ!」という謎の興奮をしている。
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ゴク。
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久々に飲んだらおいしいね。

山の中にマウンテンデューがあるってちょっと面白くないですか? そう思ったので3位です。ありがとうございました。

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第2位 「冷水」というバス停

恐山には車やバイク以外だと、下北駅からバスで行くことができる。

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バス内には恐山の由来、観光ガイドなどが流れる。車などで行くよりも乗ったほうが旅行に行った感じがして楽しい。

そんなバスに乗って行くと途中で「ちょっと時間があるので、恐山の冷水で止めますのでぜひ下りてみてください」と運転手さんからアナウンスが流れた。どうやら、水を飲めるらしい。

下りたらバスが行ってしまって、サバイバルが始まるのかと思ったが、そんなことなかった。そういう展開がほしいときあるよね。

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バス停の名前も「冷水」。
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車でここの水をくみに来る人もいる。
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飲んでみたら冷たくておいしい水。

この冷水は古くから恐山に参拝する人のかわきをいやす役割を果たしてきた。そして、この水は「不老水」とも言われ、1杯飲めば10年長生きできるらしい。がぶがぶ飲んだのでものすごく長生きするかもしれない。

この場所は現世と霊界の境目であるともいわれ、人間のみならず、恐山へ集まってくる霊も飲みにやってくるのだと言い伝えられているそうだ。

飲んでいる写真を撮った記憶があるのに写真が1枚も残ってないのは、もしかしたら霊のしわざかもしれないし「普通に旅行に来ただけで記事にするつもりもないから写真とかいらない」と思って撮ってないからかもしれない。

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第1位 硫黄を間近で見られる

そして、1位である。全然、恐山の中のことを書いてないなと思った人、お待たせしました。ついに中のことを書きます。

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中に入るには拝観料が必要。チケットとパンフレットを手に入れて中へ
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門を通ったら、
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広がる寺院たち。
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参拝記念に撮影した。学生のとき、集合写真でこういうの撮ったな。

恐山には恐山菩薩寺(ぼさつじ)と呼ばれるお寺があり、天台宗の僧円仁によって建てられた。本堂をお参りした跡、むき出しの岩肌の上を歩き、菩薩像を巡っていく。

観光地のような気分で行ったが、周りは静かな雰囲気がある。おふさげしたらなにかしらありそうな雰囲気。

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岩肌を歩いて行く。

スマホの電波も入らないので、風景を楽しみながらゆっくり歩いていく。時間の経過もゆっくりした感じだ。

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こんな風景の場所、他にはないかもしれない。

お参りしつつ、気持ちを清らかにしながら歩いていると、なにか煙みたいのが見える。近づくと異臭と黄色い結晶が。硫黄だ。

恐山に近づくにつれ、バス車内にも硫黄のにおいが充満してきて、降りた瞬間もずっと硫黄のにおいがしていた。恐山は活火山であり、火山性のガスがいたるところから吹き出ている。すごいなーと思って見たいが、誰もそんなの見ている人いなかった。面白いのにな。

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自然の中で間近で見られるの熱いな。

また、風車が置かれているのには供養の意味もあるが、火山ガスの風下に入らないようにする意味もあるそうで、線香、ろうそく、タバコなどはガスに着火する可能性があるため、基本的には使用禁止だ。

あと、ずっと頭がぼーっとしている気がしたが、これは霊のせいではなく、ガスのせいだ。みんな気をつけて。(そういう人もいるらしい)

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地獄の穴みたいにも見える。

岩肌の道を歩いていると、ふと開けてくる。目の前にはきれいな湖が見えてきた。

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地獄を歩いていると、
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天国が。

この岩肌と湖の対比が地獄と天国を表していて、あの世の風景と呼ばれるゆえんである。

確かにぼーっと歩いていたら「あれ、おれ死んだのかな」と思うときがあった。

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宇曽利湖(うそりこ)。透明度がすごい。

この湖、強酸性で生き物がほぼいないのだが、世界でも珍しい天然ウグイの生息地となっている。パッとみた感じいないけど、いるそうだ。

そして、触ってみると温かい。温泉みたいだ。

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ちょっと触ってみる。
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におうな。
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このにおい取れなかったら嫌だな。

歩いていたら汗をかいてしまった。お風呂に入りたい。そう思った人、恐山には温泉がある。

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窓が開いていて「なんの施設だ?」と思ってのぞいたら裸のおじさんがいてびびった。

更衣室とお風呂のみで洗い場はなく、お風呂は源泉掛け流しで少し熱め、肌がピリピリする強酸性の温泉だ。歩いて疲れた体に気持ちいい。

出たあと、さわやかな風を感じながら、売店に売っているアイスを食べる。最高の過ごし方をしているなと思った。

金が取れる鉱山としても有名だったが、今では危険すぎて取るのは難しいそうだ。金ほしいな。


しぶいけど面白い

普通のお寺にはない風景があって面白い恐山。死ぬまでに生きたい場所だったので行けてよかった。きっと年を取ってから行けるような場所じゃないので行きたい人は若いうちに行ったほうがいいです。

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ちなみに青森市に戻ってきたら、ほたてソフトクリームがあったので注文してみた。
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少ししょっぱくて、甘い。しょっぱ甘い。おいしい。

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