スイッチ欲は満たされた
でっかいスイッチを思う存分操作できて満足だ。もうビルの火災報知器のボタンを見てもムラムラすることもない(してたのか)。言ってみればスイッチセラピーだ。
目の前に押してはいけないスイッチがあって、でもそれを押したくてたまらない。そんな人は代わりのスイッチを自分で用意してカショカショ好きなだけ押すといいよ。
お、書いてみたらまるで人生の教訓みたいになったぞ。
触ってはいけないスイッチほど魅力的だ。
家のブレーカー、火災報知器、駅のホームの発車ベル。いじってはいけない、でもいじってみたい。アンビバレンツなスイッチ欲。
中学生のころ、1学期にいちどは火災報知器のボタンを押す生徒がいたが、あれはスイッチ欲の高まりに脳のシナプスがショートしての行動だったのかもしれない。
もっとどうでもいいものに分不相応のスイッチがついていればいいんじゃないすか。リスクヘッジのためにも。
※2007年6月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
秋葉原だ。ガード下のパーツ屋さんにかっこいいスイッチが並んでいる。触ってはいけないスイッチが並ぶさまに毛穴が開く。考えるふりしてレバーを上下する。おお、スイッチ…。小エロ…。
「何用ですか?」
店員に聞かれてしまった。まさか「観賞用です」とは言えず、
「ちょっと撮影の小道具に…」
と適当なことを言ってしまった。本当はおもちゃのスイッチにしようかと思っていたのだが。まあいい、いちばん大きくて見栄えのするスイッチを買うことにした。
右のレバーのスイッチはカバースイッチと呼ぶらしい。意外に安くて2888円。いや、安いのかどうかよく分からないが、1回飲みに行く値段でスイッチ欲が満たせるなんて和民もびっくりである(しかし飲みに行く回数が減るわけではないので浪費には違いない)。
このスイッチがあれば400円で売られていたダチョウロボもスターウォーズに出てきた足の長いロボット(よく知らない)みたいに感じるかもしれない。
ではあれ(略した)が動くようすをご覧ください。スイッチを入れる瞬間にいっしょにガッシャーン!と言ってもらえれば幸いです。
本体の7倍の値段のスイッチを持つロボ
コードが絡まって転んでしまった。ただ転ぶだけではなく、これだけのスイッチがあると「大いなる失敗」とでも形容したくなる。形容したくなる。まったく同意を選られなさそうなので2度書いてみた。
家の中だけで工作していてつまんないので、次は外でも使えるあれのスイッチを大仰にしてみよう。
大きい押ボタンスイッチはiPodのリモコンにした。 iPhone は全面液晶らしいが「三丁目の夕日」が流行る昨今、こっちのソリューションが正解ではないだろうか。
駅のホームの発車ベルを彷彿とさせるデザイン。駅のメロディの代わりに自分だけに聴こえるメロディ。本体よりも大きいのは堅牢さの証。さて、操作方法は以下の通り。
………。静止画で操作方法を説明するのは無理がありますね。これだとほんとは動かないのに静止画でごまかしているみたいなので動画でどうぞ。
第8世代 iPod(うそ)
インターネットを検索したら、iPodのコネクタの仕様書が公開されているのを発見した。コネクタの何番目の端子がなんの役割かが書いてあった。それを見ればリモコンを自作することもできる。なるほど、面白そうだ。
しかし、それには明日おきてみたら急に僕が電子回路に詳しくなってた!という奇跡を待たなければならないので、今回は台所用品で作ることにした。
必要なものは以下の3点
・スポンジ
・セロテープ
・iPod用のリモコン(これ大事)
スイッチ箱をあけてみると、外のONのボタンを押すと内側の金属の板が下がるようになっていた。
その先にむかし買ったiPodのリモコンを固定した。台はスポンジだ。金属板の先に滑り止めのビニールテープをまいたのが工夫である。えっへん。
でっかいスイッチを思う存分操作できて満足だ。もうビルの火災報知器のボタンを見てもムラムラすることもない(してたのか)。言ってみればスイッチセラピーだ。
目の前に押してはいけないスイッチがあって、でもそれを押したくてたまらない。そんな人は代わりのスイッチを自分で用意してカショカショ好きなだけ押すといいよ。
お、書いてみたらまるで人生の教訓みたいになったぞ。
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