黄色と紫はちょっぴり強引に
続いて黄色。まず思いつくのは、さっき赤でも使ったパプリカの黄色。パプリカ便利。ただ、野菜売り場をうろついても、その先がなかなか見つかりません。
そんななかでやっと見つけたのが、かぼちゃ。そもそも生で食べていいのかな? と、その場で調べてみると、生食可能らしい。ただし、消化にはあまりよくないので、お腹の弱い人などは注意が必要だそうです。ま、今回は自分で食べるだけだからいいか。
ただ、そこから先がもう、どーしても見つからない。いや、世の中にはまだまだ黄色い野菜なんてたくさんあると思うんですよ。けれども、僕がめぐった地元のスーパー数軒においては見つからないんです。
そこで選んだ苦肉の策は……
ついにフルーツの手を借りてしまいました。だけど、賛否両論ある酢豚に入ってるパイナップルよりは、サラダのほうが自然になじんでくれそうだし。
で、ここに塩レモンオリーブオイルドレッシングをかけて、
ラストは紫。これもひとつめは順調に見つかりました。
ところがその先が見つからない。断面が紫色の大根とかあってほしかったんだけどなぁ。見た目紫代表のなすも、カットしたら中身ほぼ白だもんな。
などと悩みに悩み、当確ギリギリのラインで採用されのが、
一応、紫っぽい……ですよね?
さらに、
味の組み合わせ的に若干不安な3者ではありますが、まぁ、色味的には、
紫サラダは、ドレッシング探しにもけっこう苦労しましたが、パッケージのイメージが紫色だったことと、寿司屋で醤油のことを「むらさき」と呼ぶなんて話も聞くので、和風醤油ドレッシングを採用してみました。
5色のサラダを実食
では作ったサラダたちを食べていきましょう。
いただきま〜す!
ケールって、ふだんからすすんで買う野菜ではなく、また、苦い青汁の材料みたいなイメージもあったのですが、クセがなくて美味しいですね。栄養価も高いらしいし、これからは積極的に食べていこう。同じくクセのないきゅうりが、バジル&チーズドレッシングの旨味と絡みあって、いいですよこれは。
そしてパセリ。子供時代は、洋食の皿のはしにのってるこいつの意味がまったくわからなくなったんですが、最近は生でもりもり食べるくらいに大好き。苦味と独特の香りがサラダにいいアクセントを与えています。
結論:緑のワントーンサラダ、違和感なくうまい!
まず土台の白菜&かぶが、さくさく、しゃきしゃきと間違いのない美味しさ。そして、マッシュルームのきのこならではの香りが、シーザードレッシングに合う! なんだかおしゃれな味だわこれ。白菜をレタスに入れ替えたりすれば、立派なホームパーティーの一品としても通用しますよ。そうするとまぁ、ワントーンではなくなってしまうけど。
結論:白のワントーンサラダ、おしゃれ!
そもそも、農家で買ったトマトとトマトドレッシングが美味しすぎて……。ジューシーで香りが華やかで甘く、これだけでものすごいごちそうだ。そこににんじんがカリカリとした食感を、パプリカがほんのりとしたスパイシーさを加え、サラダとしてすごく完成度が高いです。
ただ、今はとにかく、家から行ける範囲に、いいトマトが手に入れられることを見つけられたことに興奮してしまっています。
結論:赤のワントーンサラダ、このトマトまた買いにいこう!
あ〜これは……第一に、生のかぼちゃの硬さが気になってしまいますね。それでいて味の主張が強くないので、パプリカの苦味や、パイナップルの甘さが際立って、どこか全体がちぐはぐなイメージ。パイナップルをサラダに使うこと自体は悪くないのですが、そのせいで、ドレッシングのレモンの風味もあまり感じられないし。まずくはないけど、なんか不完全燃焼な感じ。
結論:黄色のワントーンサラダ、今回は少し残念!(自分の力不足)
さていよいよ、いちばん不安なこいつ。
ところが食べてみると、意外にも悪くない! 考えてみれば、土台の紫キャベツ、みょうが、和風醤油ドレッシングの組み合わせが合わないはずないんですよね。見た目以上に安定感のある味。そこに加わるぶどうの穏やかな甘みも、とてもいい感じ。唯一、みょうがのえぐみが若干強く出すぎたので、次回はもっと細かく刻むなり、水にさらすなりの対応をしたほうがいいかもな(というか、普通やるもんですよね)。
結論:紫のワントーンサラダ、まさかの安心感!
おまけ
ここからはちょっと余談。
今回のサラダたちを作るにあたり、すべて自分で食べることを見越して、どれも小さめのお皿に控えめな量にしておきました。すると、それぞれの野菜が、かぶ半分とか、紫キャベツ少量とか、中途半端に余っていくんですよね。
そこで調理中、横に弱火にかけた鍋を用意し、残った野菜たちを細かくカットしては、何も考えずにそこにどんどん放りこんでいっておいたんです。
もうせっかくだから、今回使った野菜とフルーツたち、少しずつでも全種類入れて、冷蔵庫にあまってたひき肉も加えて、野菜自体から出てきた水分でぐつぐつと煮込んでいきまして。
で、そこに、小瓶スパイスのクミンを中心に、ターメリック、コリアンダー、にんにくチューブ、しょうがチューブなどをフィーリングで加え、最後に味を見ながら塩を加えて、
僕は、材料もスパイスもその場の思いつきで作る「フィーリングカレー」の概念を提唱するものですが、それを久しぶりに作ったというわけで。
加えた調味料、スパイス以外は塩オンリーなんですが、
いろいろ野菜のフィーリングカレー。いや、正式に呼ぶならば、
「ケールとパセリときゅうりと白菜とかぶとマッシュルームとトマトとにんじんと赤パプリカと黄パプリカとかぼちゃとパイナップルと紫キャベツとみょうがとぶどうとひき肉のカレー」
いろんな野菜の旨味が渾然一体となって、パイナップルは存在感が消えてしまったんですが、ぶどうが割と強くて、たまにじゅわっと甘くいい香りがして、いやほんと、特に期待もせず、食材を無駄にしないようにしようという気持ちだけで作ったんですが、かなり幸せなカレーでした。
ちょっと手間はかかりますが、気になった方はぜひ作ってみてくださいね。ケールとパセリときゅうりと白菜とかぶとマッシュルームとトマトとにんじんと赤パプリカと黄パプリカとかぼちゃとパイナップルと紫キャベツとみょうがとぶどうとひき肉のカレー。
喜楽でおしゃれなら言うことなし
大好きな料理やお酒を楽しむ際、自分でも思いもよらなかった意外性を出すため、「なにかしばりを設けてみる」というのはよくやる手。今回のワントーンサラダもまさにそうで、色というしばりのもと、頭のなかで考えていただけでは絶対に出会えない組み合わせ、美味しさと出会うことができました。
なにより、冷蔵庫に緑色の野菜しかなかったとして、それでも気負わず作れるのがワントーンサラダのいいところ。これからも気軽に作っていこ〜っと。
あ、ただ、実食の最後のほう、少しずつ残った5色のサラダを試しにひとつの皿に盛ってみて、あらためて実感したこともありました。それは、