特集 2025年10月23日

職場における土産受け取り方問題の解を出したい

受け取る方がドキドキ?

次は受け取る側をやってみる。

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配る役は三土さん
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卒なく土産を配布して回る

三土さんが流暢に土産を配りまわっている最中、わたしの心は完全に乱れていた。

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ーどうしよう。どんな表情で待ってたらいいんだろう。自分の時だけ会話のテンションが違ったらどうしよう。

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ー今のわたしの姿は不自然じゃなかろうか。ああ、緊張…。三土さん、すみません。どうかわたしのことをハブっていただけないでしょうか。

…思考がものすごく卑屈になってきた!
全く仕事どころではなくなるこの感じ、オフィスワーカー時代の記憶が蘇ってくる。
蛍光灯の明かりがどんどん眩しくなり、顔面からは油分がにじみ出て、空間の全てに神経が集中するのに目の前のことには何も集中できない。

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そんなことを考えているうちに、わたしの対面に座るんちゅたぐいさんのターンが来ていた。

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すぐにわたしのターンに
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三土『この前北海道行ってきたんで、お土産です。』
佐伯『あ、ありがとうございます!』
三土『召し上がってください。』
佐伯『これ大好きなんで、うれしいです!』
三土『よかった!じゃあ失礼します~』
佐伯『ありがとうございます~』
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そして三土さんが去ったことを確認してから、
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すぐに心臓を抑えた

これ、やっぱ受け取る側の方が心に来る。

なんでこんなにくらっているのか、考えるほど意味不明なのだが、とにかく心臓に負担がかかる。順番を待っている時のドキドキ感とか…本当に。わたしは一体何なんだ。

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いろんな人がいる

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次はべつやくさんに配ってもらう。べつやくさんには、あえて『めちゃくちゃ陽気な人』を演じながら配ってもらった。
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『北海道行ってきたんです!よかったら食べてください〜!』『まぁ東京でも買えるやつなんだけどね♪』など言いながら、ご陽気にバターサンドを配るべつやくさん。
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そしてわたしの番
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べつやく『この前北海道行ってきたんです〜!お土産どうぞ!』
佐伯『ありがとうございます~』
べつやく『北海道行ったことあります?』
佐伯『あ、いえ、ないです。』
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べつやく『え~!そうなんですか~?!』
佐伯『行ってみたいんですけどね~…!』
べつやく『めっちゃおすすめですよ!○○ってとことか~』

役柄に忠実に、積極的に喋ってくれるべつやくさん。リアルだ。こういう人、いる。そしてこういう人は個別で土産配ってくれがちである。

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ロープレ終了後、すぐに心臓を抑える筆者

オーディエンスからは、『佐伯がわかりやすく困っていた』『どんどん身体が後方にのけぞっていた』などの意見が上がった。

そう、明らかに困っている感じを出してしまうことに対する申し訳なさも、さらに心が苦しくなる要因なのだ…。

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みんなこれでお願いします

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次に土産を配るのは、んちゅたぐいさん。んちゅさんは簡素な配布スタイルで行くとのこと。
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んちゅ『北海道旅行のお土産です!みなさんでどうぞ!』
全員『ありがとうございます~』
んちゅ『このデスク4人ですよね。4個置いときますねー』
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んちゅ『このデスクは5人ですね。みなさん召し上がってください!』
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んちゅたぐいさんが配り終えた瞬間、思わず拍手した

最高だ。とにかく全ての距離感や間合いが完璧。この配布スタイル、すごい。みんなこういう感じであってほしい。これならわたしでもできそうという希望もある。

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集団のパワー

さきほどのんちゅたぐいさんのスタイルを真似してやってみよう。
ただ、ふつうにやったら出来てしまう気がするので、皆さんには『めちゃ喋る上にやや絡みにくい会社の人』を演じてもらう。

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佐伯『北海道に行ってきたので、お土産ここに置いておきますね。』
三土『ありがとうございます!北海道のどこへ行ったんですか?』
佐伯『札幌です。』
三土『え~彼氏と一緒にですか~笑?』
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本当に困るパスが来て身体が傾く筆者

※三土さんはそういう役を頼まれて、あえてそういう発言をしています。普段は本当に配慮の行き届いた人です。

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佐伯『いやいや、家族旅行です…!』
林『おれは去年旭川に行ったんですよ!』
橋田『わたしは旭川の動物園に行ったことがあります!』
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林『札幌のどこ行ったんですか?』
佐伯『メインどころを…時計台とか。』
林『時計台ってなんかのドラマのロケ地になってましたよね』
べつやく『へー!なんのドラマ?』
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三土『佐伯さんラーメン食べました?』
林『味噌ラーメンね!』
べつやく『蟹は食べました?』
林『札幌ってなんか有名な海鮮の市場ありますよね』
橋田『へーそうなの?』

このデスク、連携プレーがすごい。仲良すぎ。もう退散させてほしい。4人がわたしから目を離して盛り上がっている隙に、半歩ずつ後ずさりして去るタイミングを伺う。

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佐伯『蟹は現地で食べて…』
べつやく『あそこ行った?有名な居酒屋の…』
佐伯『いえ、行ってないかも。』
林『いくらたくさんかけるのとかさ!』
佐伯『みなさんお詳しいですね…』
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佐伯『次北海道行くときは皆さんに伺ってから行きます…!』
三土『なんでも聞いてねっ!』

かなり粘られながらも、無事退散。変な汗をかいたが、気さくな職場であることは伝わってきた。

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やや疲れの見える筆者と、それを察してかサッと受け取ってくれるんちゅたぐいさん(やさしい)
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土産配りは自然体でOK!

自分が配る側を経験することでわかったことがある。普通でいいのだ。
と言っても、その『普通』が難しくはあるので、具体的に要点をまとめるとこうなる。

①他の人に配っている時は、知らんぷりして大丈夫
②会話は3ラリー程度
③会話内容は、他の人と喋っていたことと重複してもいい

こう言葉にすると、土産を受け取るのが苦手な人も少し心が軽くなったり、実践できそうな気もしてくるだろうか。
一番良いのは、『ご自由にお取りください』形式なのだが、それ以外のケースにも否が応でもエンカウントしてしまうのが社会である。

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もしこれを読んでいるあなたがわたしと同じような小心者で、今後お土産を受け取ること・配ることがあったらこの記事を参考にしてほしい。

大丈夫。配る人は、土産の箱を握り締め、深呼吸してから繰り出そう。
受け取る人は、とりあえず『ありがとうございます』だけはマストで言えるように脳内で暗唱しておこう。

 

ほどほどのフィクション性

この企画は1年程前から考えていたものの、当時は自分の職場を過度に思い出してしまいそうで実行に移せなかった。
今はオフィスワークではないので、程よい心の距離感でやれてホッとした。

ちなみにオフィスワーカー時代のわたしは、土産配り人の気配を感じた瞬間トイレに逃げるなどしていた。今思えばそこまでしなくても…と思うが、その時はそうするしかなかったのだろう。蛍光灯の白い光とブルーライトは、人を狂わせる。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
僕も実際に現場で見ていたのですが(撮影係だったので記事には出てきません)、最後のめちゃ話しかけられる回の佐伯さん、話しかけられるうちにどんどん体が傾いていって、かわいそうながらも笑ってしまいました。
そういう渦中にあえて自分を放り込んでいくスタイル。そんな佐伯さんの自己犠牲により、この記事は皆さんのもとにお届けできております。(石川)

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