勝手に修学旅行 2026年4月8日

一歩踏み間違えると死ぬ絶景がある沖永良部島〜勝手に修学旅行

まずは砂浜でも見に行きますか

というわけで、来たばっかりなんで、まずは南国っぽいところに行きたいということで、ネルソン水嶋さんに近場の浜に連れて行ってもらいました。

Aコープのすぐ脇にある浜です。今、グーグルマップを見ると、名前もついてない小さい浜です。

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Aコープ。ここのすぐ脇にある浜に行きます
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浜に続く道がこんな感じ

いきなりジャングルみたいなことになっています。さすが南国の島です。

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ヤバい
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修学旅行ってこんなんだっけ?

足元が悪すぎる道を抜けると。眼の前にはまさに南国といった砂浜が広がります。

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おぉ⋯⋯

浜を見ると、シーグラスやサンゴがいっぱい落ちています。

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シーグラスこちらです
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これは⋯⋯サンゴ、ですよね?

ところで、沖永良部島はサンゴ礁が隆起してできた島です。そのため、島全体がサンゴからできた岩である琉球石灰岩という穴の空いた石灰岩でできています。

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琉球石灰岩こんなかんじです

この「島全体が琉球石灰岩でできている」というのは、これから行く先々でさんざん聞くので、よく覚えておいてください。

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覚えといてね〜

浜から海をみると、一般的な海岸とは違い波打ち際がありません。

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砂浜、岩礁、浅瀬、波打ち際となっている

浅瀬の部分は琉球石灰岩でできたゴツゴツした岩場で、さらにその沖に見える白っぽいところが波打ち際となっています。

この風景で、サンゴ礁が隆起してできた島というのがよく分かるわけです。

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地元の人の宴に招かれておじさんの昔話を聞く 

浜から戻ると、案内してくれたネルソン水嶋さんが、地元の人の宴が催されているので、ぜひ参加してくれという話になりました。

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宴会の前に自己紹介しなければいけなくなった⋯⋯

地元の商店街の人たちが行っている市場の打ち上げパーティーだということで、最初に自己紹介することになってしまいました。

今、私は『修学旅行をしている』ので、この集まりにうっかり学ランを着てきてしまい、島の人たちから「なんで学ランなんだ」という至極真っ当なご指摘をいただきました。

本当に、なんででしょうね。ぼくもわからないんですが、デイリーポータルZというウェブサイトがありまして⋯⋯というところから説明申し上げ、ご理解いただくことができました。すみません。

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「変なやつだから写真撮っとこう」ということで被写体になるわたくし
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修学旅行中なんでノンアルビールです

宴会では、地元の商店街の人たちが持ち寄った食材があり、これがどれもうまいのですが、ちょっと驚いたのがこのいももちでしょうか?

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さしみといももち

もちもちした歯ごたえでとても甘く、きなこ餅のようにパクパク食べられます。聞くと、材料はじゃがいもだといいます。

北海道とか、寒い地方のイメージがあるじゃがいもですが、実は沖永良部はじゃがいもの生産が盛んで、まさに訪れた3月は新じゃがいもの出荷シーズンでした。

いまや、沖永良部で一番出荷されている農作物はじゃがいもだそうです。

沖永良部では、昭和40年代ごろから本格的なジャガイモ栽培が始まったそうです。島は風が強いので、栽培にはかなりの困難があったそうですが、風防をつくるなどの工夫をしたり、北海道の産地の人に栽培法を教わったりして、今では島の基幹農作物になった⋯⋯といった話を地元の人から伺いました。

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沖永良部の暮らしの話を聞きました。修学旅行っぽいシーン

沖永良部がじゃがいもの産地だって話は、今ここで初めて知りましたが、こないだまで家でやっていた『桃鉄2』の沖永良部の物件を見たら、ちゃんと「ジャガイモ畑、5000万」という物件があり、しっかり買っていました。

さて、こんな感じで、地元の人の宴に紛れ込んだわけですが、じゃがいもの話だけでなく、ちょっとここには書けないような話やら何やらも伺いつつ、宴は大変なごやかに終わり宿に戻りました。

宿の寝床で一人になると、いったいなぜ沖永良部島まできて、学ランを着て、地元の人の宴に紛れ込み、ちょっと記事に書けないような話やらなんやらを聞いているんだろうという思いに至りましたが、とりあえずそういった雑念はつるっと忘れて寝ました。

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あいにくの天気のなか沖永良部島を観光する

さて、沖永良部二日目です。

この日は、地元の方に案内してもらうことになっていたので、車で島内のあちこちを案内してもらいました。

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越山展望所。テレビで沖永良部が紹介されるときはまずここで「沖永良部にやってきました〜」というカットを撮影しがちらしいです

みてください、曇天です。なんなら、雨が降ってくるんじゃねえかってぐらいの雲に覆われています。というか降りました。沖永良部に4日ほど滞在しましたが、ずーっとこんな感じの天気です。

しかもそのうえ、南国だからそんな厚着持っていかなくていいだろう。みたいな甘い考えでいましたが、風が強かったので肌寒いぐらいまでありました。頑張ってかさばる学ラン持ってきて良かった。いや、修学旅行なんだから、学生服着るのは当たり前なんですけども。

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この日連れて行ってもらってすごかった場所その①
日本一のガジュマルの木

沖永良部島には、日本一のガジュマルの木があります。

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国頭小学校の日本一のガジュマルです

日本一のガジュマルの木があるのは、和泊町立国頭小学校です。小学校の校庭に生えてる木です。木を見るために小学校の中にズカズカ入っても大丈夫だそうです。

子供たちは、観光にきたどこの馬の骨ともしらねえ私たちに対しても「こんにちはー」と元気にあいさつしてくれます。このすさんだご時世に、ありがてぇ話です。

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一緒に見に行った人たちと記念写真とりました 左から、ネルソン水嶋、水嶋さんの友人の永野さん、ライター小堺さん、ライター松本さん、私です

ガジュマルの木は沖永良部というか、南国にきたら至るところに生えています。しかし、なぜこの小学校にあるこの木が日本一だと言われるのでしょうか。それは、枝ぶり(樹冠)と木陰の面積(樹影)が大きいから。ということで日本一を名乗っているのだそうです。

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木の中はこんな感じになってるわけです

この木は、国頭小学校ができたとき1898(明治31)年に植えられてから128年、細かく手入れをされてこの形になっています。これだけ立派な木ですから、何らかのテレビCMに出た有名な木のような気もしますが、そういう木ではありません。

ガジュマルには、枝から垂れ下がっているモジャモジャしたやつがありますが、これは気根と呼ばれる部分です。

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モジャモジャした気根という部分

このモジャモジャの部分が地面に接地すると、そこから栄養をぐんぐん吸い上げて木の幹のように育ちます。そして、そっちの方の幹から栄養が多くとれるようになると、そっちの幹がメインになり、もとの幹は枯れてしまうそうです。つまり、栄養のある場所を求めて、木がどんどん移動するというわけです。

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気根が地面に接地して幹になり始めたところ

このガジュマルの木は、そういうふうに移動しないように、真ん中の幹に栄養が行くように真ん中だけに肥料を与え、余計な気根はこまめに切って常に手入れしているそうです。

だから、そういった手入れが常にできない一般家庭では、ガジュマルの木は絶対庭に植えないということでした。

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この日連れて行ってもらってすごかった場所その②
フーチャ 

国頭小学校からそんなに遠くない場所にあるのがフーチャです。 

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フーチャ

フーチャと言われても、知らないとなにがなんだかよくわからないと思いますが、これが実際に行くとすごいのです。

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巨大な穴から潮が吹き上げる(らしい)

琉球石灰岩の断崖絶壁にある、大きな穴なんですが、外の海とつながっており、満潮の時期に行くと霧状になった潮が風に吹き上げられるというすごい景色が見られます。

上の写真の右上に映ってる人と穴の大きさを見てそのでかさを想像してもらうしかないですが⋯⋯。とにかくすごいのです。

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すごい穴なんだが⋯⋯伝わりづらい⋯⋯

サンゴ礁が隆起した沖永良部島ですが、その島のだいぶぶんが琉球石灰岩でできているというのは最初にも言いましたが、この琉球石灰岩が海の水で侵食されて、穴が空いているというわけです。

このフーチャは、昔は4つもあったそうです。しかし、吹き上がった霧状の海水が風に流されて国頭の集落の農地に降りてきて農作物がダメになってしまうため、1963(昭和38)年に4つあった洞穴のうち3つを爆破して壊したのだそうです。

インフラ整備のやり方が豪快ですが、残っているこの洞穴は比較的小さいものが観光用として残されているのだそうです。

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伝われ〜! このダイナミックさ!
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すみません、腰が引けてます。一歩踏みまちがえると死ぬ絶景なので

あと、タイミングが良いとフーチャから、息継ぎする野生のウミガメを見ることができるそうです。というか見えました。

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フーチャから見えたウミガメ

この日連れて行ってもらってすごかった場所その③暗川

何度も言いますが、沖永良部島はサンゴ礁が隆起した琉球石灰岩の島です。島には大きな川がないのですが、水が湧く場所はたくさんあります。水道が整備されていない頃は、湧き水をくんで生活用水としていました。

沖永良部の湧き水はどこに湧くのか。洞窟に湧くのです。

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暗川こちらです

暗川とかいて「くらごう」と読みます。川が「ごう」というわけです。しまむに(沖永良部の方言)です。川と書きますが、これは地下水が湧いている洞窟といったほうが正しいかもしれません。私たちが川という言葉からイメージする川はそこにはありません。

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暗川このなかです。急な階段を下ります。正直、薄暗くて入りたくねーと思ってしまいました。すいません
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洞窟の中は、今でも湧き水が流れていました
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洞窟ですね Photo:小堺丸子

井戸を掘ったり、川の水を汲んだりする代わりに、島では洞窟に湧く湧き水を汲んで使っていたわけです。

案内板にも書いてありましたが、水道が整備される昭和30年代ごろまで、集落の人はここまで水を汲みにきていました。

水を汲むのは女性と子供の仕事だったそうで、水を入れた重い桶やバケツを頭に乗せて、一日になんども急な階段を昇り降りしていたそうです。ちょっと想像を絶する大変さです。


沖永良部すごい

以上、修学旅行に行ったつもりになって、沖永良部島を巡ってみました。

小学生、中学生のころの修学旅行って、どこそこに行って何かを見たり見学したりしても今ひとつおもしろさがわからないものでした。
寺や工場を見学しても、どこか他人事のような目でしかみられませんでしたが、すでに社会に出て働き始めて30年ぐらい経つと、洞窟の湧き水ひとつ見ても、アナボコだらけの岩をみても、おもしろいと感じられるようになりました。
大人こそ、修学旅行に行くべきではないだろうか? そんなふうに感じました。

さて、沖永良部に修学旅行に行った話、実はこの3倍ぐらいの話があるんですが、ちょっとボリューム過多なので、別途また記事にさせてもらいます!

よろしくお願いいたします。

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
まずもう行き先がめちゃくちゃに南国で、今回の企画の中でいちばんのビジュアルインパクトなのですが、学ランの西村さんが全然それに負けてなくてスゲーと思いました。 「覚えといてね〜」の写真(というかキャプションか)めちゃくちゃ笑いました。 いろんな出来事、場所が出てくるのに終始西村さんが完全に主役という感じがして、この揺るがなさはほんとすごい。(石川)

 

おまけ:
今回記事で取り上げられなかった沖永良部島のすごい写真たち

ここから

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