スピルバーグさん聞こえますか?

最近のジュラシック・パークでも、アニマトロニクス(恐竜のロボット)を使っているシーンは結構あるらしい。いなり、じゃなくてつまり、アニマトロニクスの中身のロボットにお稲荷さんをかぶせたらそれはそれはリアルな恐竜になるに違いない。スピルバーグさん稲荷寿司おすすめです。

稲荷寿司の質感は、ティラノサウルスの肌の質感とほぼ同じであることに気づいた。つまり、ティラノサウルスの骨格模型に油揚げをかぶせたら本物のようになるということだ。検証してみた結果、ティラノサウルスになった。
ティラノサウルスは6,800万から6,600万年前に北アメリカに生息していた肉食恐竜。ジュラシック・パークをはじめ、最強の恐竜として描かれることも多い。最大全長は約13メートル、最大体重は約9トン。
甘辛く煮た油揚げの中に、酢飯を詰めた寿司。江戸時代から安価でうまいと庶民に親しまれてきた。寒い地方ほど味が濃くなる傾向がある。「おいなりさん」と呼ばれることでもおなじみ(「さん」をつけられている食べ物なんて他にあるだろうか)全長は約10センチ、重量は約50グラム。
両者には、歴史にして6800万年。大きさにして13メートルの隔たりがある。共通点などないように感じられるが、実はその質感、テクスチャは同じなのだ。
ティラノサウルスの肌を実際に見たことがある人はいないので、あくまで「想像上の」ということにはなるのだが、めちゃくちゃ似ている。陰嚢のことをおいなりさんと呼んだりもするが、あれも質感が皮膚っぽいからであろう。
ここまで質感が似ているのであれば、恐竜の骨格標本に油あげをはりつければ、ティラノサウルスの復元模型になるに違いない。前置きが長くなってしまった。調査を開始する。
学研の付録。ヤフオクで500円。もともと1000円程度で売られていたもの。
油あげはあとで食べる予定なので、プラモデルはよくあらって殺菌してから使う。
受験勉強を頑張りすぎて寝落ちしたティラノサウルスに布団をかけてあげるみたいな絵になってしまった。
このままではいけない。固定する方法を探そう。
ご飯粒を溶かして糊にする。米の粘着力で骨格に油揚げを貼り付ける、というわけである。
油揚げのサイズが大きすぎるからつきが悪いのだろうか。小さく切って貼りつけていけばなんとかなるに違いない。
さらにダメ押し。茹でる前の硬いそうめんを油揚げにブスブスと刺して固定する。完成したティラノサウルスがこちらである
ほぼ足の生えた稲荷寿司という結果に心底落胆した。しかし、この稲荷寿司、視界のはじで捉えると、時おりティラノサウルスにみえるのだ。「え!やっぱりティラノとしていけるんじゃないっ!?」と色めき立つのだが、きちんと両目で焦点をあわせて見るとやっぱり完全に稲荷寿司。でも、しばらくすると視界の端でティラノに見えてきて・・・それが何度も何度も繰り返される。気持ちの浮き沈みが大きすぎてクラクラしてくる。
妻にこれどうかな……?と相談したところ、今すぐにやめて別のものに着手した方がいいと言われた。普段何を作ってもとりあえず肯定してくれる妻が言うのだからよっぽどダメなのだろう。
どうしていいかわからないので寝る。22時に寝る。目覚ましかけずに寝る。
えらいもんで一晩寝てみたら、「ハムのように糸でぐるぐるまきにする」という方法を思いついた。油揚げはしばらく放置しておくと乾いてぎゅっと固まるので、そのまま骨格に固定できるかもしれない。
きちんと形状を近づけてあげると一気にティラノサウルスへと変身した。さすが肌の質感が似ているだけのことはある。さらに油揚げの表面が乾いたことでよりリアルなゴツゴツとした質感へと変化した。
国立博物館から電話かかってきたらどうしよう。パリパリに乾いた油揚げは美味しくいただきました(煎餅みたいでした)
最近のジュラシック・パークでも、アニマトロニクス(恐竜のロボット)を使っているシーンは結構あるらしい。いなり、じゃなくてつまり、アニマトロニクスの中身のロボットにお稲荷さんをかぶせたらそれはそれはリアルな恐竜になるに違いない。スピルバーグさん稲荷寿司おすすめです。
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