母にプレゼントしたら喜んでくれました
母にサプライズでこの花束をあげました。
すごく喜んでくれたのでやっぱり花っていいですね。
僕は人見知りな方なんですが、店員さんと話して花を決めるのって案外楽しいことがわかったので、積極的に花を買って生きていこうと思いました。
毎週1本だけバラを買ったら「バラの人」になれるかなぁ。
ある日ふと思った。
「ナンバーワンの花だけでオンリーワンの花束を作ったらどうなるだろう」
花屋さんで1番人気の花だけを集めて、ただ一つの花束を作りたい。
近くの花屋を10店舗ほどリストアップした。
花屋は想像していたよりたくさんあった。普段意識していないものはこんなに目に入らないものなのかと実感した。
それぞれの花屋で「この店で1番人気の花を1本ください」と言ってまわれば、花束といえるだけの花が集まるはずだ。
それを自分でうまいこと花束の形にまとめれば、ナンバーワンの花だけで構成されたオンリーワンの花束の完成である。
どういう花束が出来上がるのだろう!
そもそも人気ナンバーワンの花は、店によって分かれるのだろうか。10店舗ぜんぶ薔薇とかだったらどうしよう。情熱的な花束になるな。
好みは人それぞれだし、うまいことばらけていい感じの花束になるのだろうか。
謎を解明すべく、われわれは札幌の街に繰り出した…
さっそくナンバーワンの花を買い集める旅に出た。
この日は午後の予定をすべて、花屋さんのはしごに割いた。
花屋さんにしか行かない午後である。
普段、めったに花屋さんに行かないこともあって、かなり変な感じだ。めっちゃ花を買う方のドッペルゲンガーといつの間にか入れ替わっちゃったんじゃないか。
途中、想像していたところに店がないというアクシデントはあったが…
無事に10本、ナンバーワンの花を買い集めることができた!
いろんな種類の花がある中、今ここには人気ナンバーワンの花しかないのだ。
さあ、この精鋭たちをオンリーワンの花束にまとめていこうじゃないか!
ここからはオンリーワンの花束を作っていく。
まずは買った順に並べて見ていこう。
1本目はバラだ。
このバラを買ったときの会話がとても感動的だった。
自分:この店で一番人気がある花を一輪ください!
店員さん:ここにある花は全部人気です。
自分:季節によってとか…
店員さん:あるもの全部人気ですね、バラとかガーベラとか。
槇原敬之みたいな対応だったのだ。ちょっと感動した。元ネタ!
この流れでさすがに一番人気を聞き出すことはできなかったので、店員さんが最初に言った花であるバラを買った。許してほしい。
しかし、ここまで強烈な槇原感があったのはこの最初の1店舗だけで、あとの店では一番人気の花を聞き出すことができたので、企画倒れは免れた。
続く2本目・3本目の花はというと、
同じく赤いバラが1番人気だそうだ。
店員さんによると、人気の花で思い浮かべるのはバラかガーベラらしい。
映え方や、花の持ちを考えると、バラの人気が優勢になってくるようである。
やはりバラ10本の花束になるのだろうか。
バラはきれいだから仕方ないのかもしれない。
続いて、6本目までの花を並べてみた。
ここで風向きがガラッと変わった。
バラ以外の花が3連発で来た。
4本目の花はガーベラ。
「一番人気はバラですかね…」とバラを取りに行ってくれたのだが、花の状態が良くないということで、次点のガーベラが出てきた。まさかの繰り上げだ。
5本目はトルコキキョウ。
「何用の花かにもよるけど、トータルでいうと…」といって出してくれた。
6本目はラナンキュラスという花だ。聞いたことない花だった。
この花を出してくれた店員さんによると、最近はドライフラワーになる花が人気らしく、特にラナンキュラスは大きく咲くから人気!とのこと。
6本並べたものをもう一度見てみよう。
これだけでもなんだか素敵な気がしてきた。いろんな花があっていい。
残り3本の花を加えれば、花束の完成だ。
このほか3店舗まわって10本のナンバーワンを揃えることができた。
では一気に10本集めて花束にしてみよう。
一緒に買ってきた包装紙を使って、花束の形に繕ってみた。これがナンバーワンかつ、オンリーワンの花束だ!
当初は10本全部バラの花束ができるんじゃないかと不安だったが、結果、それなりにまとまった良い花束ができたのではないだろうか。色や花の大きさのバランスも取れているような感じがする。安心感のある出来だ。
ナンバーワンをかき集めると、それだけで安心感が出るのか!
最終的な花の内訳はというと…
であった。
やはり、赤いバラはかなり人気があるようだ。
バラについて店員さんにいろいろ聞いた話をまとめてみる。
「花の持ち」という実用性と美しい見た目を兼ね備えたバラは、そりゃ人気でますわ、という感じである。
108本のバラをプレゼントしてプロポーズした人、幸せに過ごしているだろうか。
「『ええーいまとめて100本くらい買ったれ!』というノリか?だとすると8本余計だな…」と思ったが、どうやら調べてみると、バラを108本集めてプレゼントすると結婚してくださいの意味を持つらしい。「すごい値段でしたよ」って花屋さんは言ってたけど。
僕もやってみたい。108本。
できあがった花束を改めて眺めてみる。
じーっと眺めていると、花屋を巡った思い出が走馬灯のように流れていく。
歩いて歩いて、結局店舗がなかったり(近くに花のつぼみは落ちていた。謎だ。)
バラを1輪買っているところを大学のサークル仲間に目撃され「誰に!?」と言われたり。
苦労した分、情が湧いているだけなのかもしれないが、輝いて見えるような気がする。
ナンバーワンの花たちはケンカするでもなく、しっかりと共存しあっていて綺麗だ。5000円したけど(1店舗で普通に花束をオーダーするより高いんだろうか…)。
互いを引き立てあっているとも思えるくらいである。ああ、僕たちもこうありたい。
鍋のシメをちゃんぽんにするか、おじやにするか、そんな些細なことで争ってる場合じゃないのだ。人間の僕らも率先して引き立てあおう。ちなみに僕はちゃんぽん派。
ナンバーワンにならなくてもいいし、ナンバーワンになってもいいのだ。
オンリーワンのいい花束ができた。
母にサプライズでこの花束をあげました。
すごく喜んでくれたのでやっぱり花っていいですね。
僕は人見知りな方なんですが、店員さんと話して花を決めるのって案外楽しいことがわかったので、積極的に花を買って生きていこうと思いました。
毎週1本だけバラを買ったら「バラの人」になれるかなぁ。
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