特集 2019年11月30日

なんでもディアボラ風にした結果、「すしのディアボラ風」がうまい

サイゼリヤの「若鶏のディアボラ風」を食べたことがあるだろうか。
ソテーした鶏肉に玉ねぎベースのソースがかかっている料理である。

あのソースが「ディアボラ風ソース」なのだろう。ということは、ディアボラ風ソースをかけたらなんでもディアボラ風になるということだ。魔法みたいだ!

食べ物をひたすらディアボラ風にして、食べ比べてみたい。

北海道在住の大学生。演劇サークルに所属していますが、やったことがあるのは音響担当・舞台装置担当・当日宣伝担当で、一度も演技をしたことがありません。好物はパステルのなめらかプリン。

前の記事:ドトールに通い続けて常連ぶることはできるか


ディアボラは諸説あるらしい

という話を友人に話したら、おもむろにスマホで調べはじめて、ひと言。

「ディアボラ風、諸説あるね」

え?

友人が調べたところによると、ディアボラ風は日本語で言うと「悪魔の」をさす言葉らしい。

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これが若鶏のディアボラ風。悪魔の若鶏。

悪魔たる所以としては、

  • 鶏肉を焼いたものが、悪魔が焼かれてる様子に似ている
  • ソースに入っている唐辛子が悪魔っぽい

のように、諸説あるらしい。

前者だったらそもそも前提が成り立たないので、後者「ソースに入っている唐辛子が悪魔っぽい」説を熱烈に支持することにする。
ディアボラ風の本体はソースなのである。(個人の感想です)

サイゼリヤではこのソースを「オリジナル野菜ソース」と呼んでいるようだが、この記事では便宜上、「ディアボラ風ソース」と呼ぼうと思う。

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これが業火で焼かれる悪魔なのか? いや違うだろう。ソースこそがディアボラなのである(諸説あります)

というわけで安心してディアボラ風ソースを手作りした。

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でかいタッパーいっぱいのディアボラ。ディアボラ業者顔負けだ。

ディアボラ風ソースの作り方は簡単。
玉ねぎを刻み、小ねぎ・パセリや唐辛子と一緒にオリーブオイルで軽く炒めるだけである。
今回は塩コショウのほかにほんの少し酢を入れてサイゼリヤの味に近づけてみた。

味もバッチリ、サイゼリヤっぽい。
よし、このソースさえあれば、どんな食べ物でもディアボラ風を名乗らせられるのだ。

友人と競い合いたいと思います

せっかくなので、おいしそうなディアボラ風の組み合わせを友人と考え、そのおいしさで競い合うことにした。

筆者の僕 対 友人 のディアボラバトルだ。

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筆者(左)と友人(右)でのディアボラバトル
各々、美味しいと思う食材を持ち寄っていく!

2人で審査して票が分かれるといけないので、公正を期すため、もうひとり友人を呼んで3人でジャッジをすることにした。

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ジャッジのために呼ばれたもうひとりの友人です
彼は食べるだけで食材は選べません

この3人で多数決形式のジャッジを行っていく。
ちなみに、自分が選んだ食材ではないものに投票してもいい。恨みっこなしだ。

そして、勝負は食べ物のジャンルごとに3つの部門に分けようと思う。

①中華部門 餃子の王将の食べ物対決
②和食部門 すしのネタ対決
③コンビニエンス部門 コンビニの食べ物対決

なぜ中華や和食にしたかというと、中華のディアボラ風や、すしのディアボラ風は見たことがなくてそそられるからである。

王将の中華も寿司も、自分がまさかディアボラ風になろうとは思っていないだろう。
そんな中で予想外のうまさが生まれないだろうか。

ジャンルを問わず、いちばんおいしいディアボラ風を決めようじゃないか。

①中華部門 餃子の王将の食べ物

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王将に来た

まずは手始めに中華料理をディアボラ風にしてみよう。

いちばんディアボラ風ソースをかけたいメニューを一品ずつオーダー。
勝負形式にしたのでガチで勝ちに行くべく、けっこう悩んだ。

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メニューを前に悩む友人

王将でオーダーしたのはこの2品。

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筆者がぎょうざ、友人が回鍋肉をチョイス
(王将でディアボラ風ソースはかけられないので、持込み可のカラオケボックスに持込みました)

ぎょうざと回鍋肉である。どちらも中華としてはベーシックな品だ。
ディアボラ風にしておいしいのはどちらなのだろうか。
いや、そもそもディアボラ風になるのだろうか…。

まずは回鍋肉にディアボラ風ソースをかけてみる。

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回鍋肉が
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ディアボラ風になった歴史的瞬間

「回鍋肉のディアボラ風」ができた!!
見た目にぜんぜん違和感がないのがすごいが、味の方はどうだろうか。

続いてはぎょうざをディアボラ風にしてみよう。

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王将のぎょうざも
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ディアボラ風に!

「ぎょうざのディアボラ風」だ! こちらもなんだか美味しそう。

回鍋肉のディアボラ風ぎょうざのディアボラ風 の勝負。結果から見ていただこう。

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筆者の ぎょうざのディアボラ風 の勝利!

では、それぞれコメントを見ていこう。ぎょうざの勝利の要因は何だったのだろう。

ぎょうざのディアボラ風(Win!)

  • さっぱりした
  • 野菜多めの餃子である
  • ディアボラ風ソースのちょっとした酸味が、
    酢の代わりを果たしている
  • 醤油をつけると「完成」するという感動があった
    ⇒ディアボラのぼやけた塩味を補って、はっきりとした味になった
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「餃子、さっぱりするなあ」
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和洋中折衷(声に出すとジョイマンみたい) 「これ完成したわ!!」

回鍋肉のディアボラ風(Lose!)

  • 回鍋肉の味噌の濃い味の中に、
    さっぱりとした風味がプラス
  • かなりおしゃれな味
  • 回鍋肉の味の幅が広がっている!
  • 回鍋肉の味が濃いので、
    これはディアボラ風と言い張っていいのか
  • 「コンクリートジャングルに花が咲いたみたいだ」
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回鍋肉のディアボラ風を食べる友人
「うまいうまい」

ぎょうざは材料にネギが入っていたり、酢と一緒に食べたりする。
ディアボラ風ソースとぎょうざの共通点がかなりあったのが勝因だろう。
たぶん、ぎょうざの前世はディアボラだったのだ。
醤油をつけると美味しくなったのも大きい。

対する回鍋肉は、自信を持ってディアボラ風と言えないほどの味の濃さが敗因だった。
美味しかったけど…。回鍋肉のままかもしれない。

中華部門は筆者の勝利ということで幕を閉じた。勝負は和食部門に続く。

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勝負のほかに酢豚のディアボラ風をやってみたら美味しかったので載せておきます
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②和食部門 すしのネタ

つぎは「すしのディアボラ風」に挑戦したい。
ディアボラ風にすることで美味しくなるすしのネタを探そうと思う。

いくつか数を試したいので、すし部門は3試合行うことにする。「すしディアボラ三番勝負」といったところだ。

すしディアボラ三番勝負、第1試合はこちら。

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筆者がほたて、友人がえんがわをチョイス。

えんがわのディアボラ風ほたてのディアボラ風 だ。

友人が「ディアボラには脂だろう」と自信ありげにえんがわを選んでいた。
確かにサイゼリヤでもディアボラ風ソースがかかっているのは脂っこい肉メニューである。
これが吉と出るか凶と出るか。

僕はほたてを選んだ。だってさっぱりして美味しそうだから…。

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これが業界初の「すしのディアボラ風」です

勝負の結果は…?

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筆者の ほたてのディアボラ風 の勝利!

友人が自信満々に選んだえんがわが、まさかの大敗。
どういうわけなのだろうか…感想をどうぞ。

ほたてのディアボラ風(Win!)

  • サイゼリヤが来た!
  • すしの旨味とディアボラ風ソースが、
    おいしさを引き立てあっている
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「これはサイゼリヤが来た!」

えんがわのディアボラ風(Lose!)

  • 全くといっていいほど合わなかった
  • 脂とオリーブオイルが見事にケンカしてしまっている
  • 完全に別で食べた方がうまい
  • 肉の脂とディアボラは合うのに不思議だ
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「これはダメだよ…」

油どうしのケンカがえんがわの敗因だった。ディアボラとは相容れなかったのだ。

すしディアボラ三番勝負、まずは筆者の一勝だ。

続いて第2試合。

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筆者がたい、友人がたこをチョイス。

たこのディアボラ風たいのディアボラ風 の対決だ。

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例によってたっぷりかけます

ディアボラ風ソースが乗ると華やかになってうまそうだ。見た目は上々だが味はどうだろう。
ジャッジの結果は…

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筆者の たいのディアボラ風 の勝利!

これはかなりの名勝負だった。
3人とも審議中の声とジェスチャーがでかくなってしまった。
それぞれのレビューを見ていこう。

たこのディアボラ風(Lose!)

  • なんだこれ!
  • うめー!!!
  • うまさが爆発した。超うまい
  • 食感・塩味・風味がぴったりはまっている。
    すげえ!
  • レビューする声量が倍になった
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「うめー!!!」
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「食感と味がすごい合ってる」の身振りです

この時点ではたこが優勢かと思われたが…。

たいのディアボラ風(Win!)

  • 勝負がわからなくなってきた
  • たいの優しい食感の中、
    ディアボラ風ソースの玉ねぎの食感がアクセントに
  • たいとディアボラ風の風味がうまいことハーモニーを奏でている
  • 名勝負だ
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「これは勝負がわからなくなってきたぞ」の顔

美味しさはかなり拮抗していたのだが、たいに軍配があがる結果となった。
インパクトが強いのはたこ、風味の引き立て合いが良いのはたいである。
もはやこれは好みのレベルだ。

ここで確信したのだが、ディアボラ風ソースと醤油は合うのだ。たいのディアボラ風に醤油をつけて食べた味は感動的だった。
きっとオリーブオイルと醤油の相性がいい。

福山雅治もコンサートグッズでオリーブオイルと醤油ベースのドレッシングを売っていたことがある。買って食べたのだがめちゃくちゃうまかった。そういうことだろう。

三番勝負的には筆者の2勝で勝負はついてしまったので、第3試合はダイジェストでどうぞ。

第3試合は、ねぎとろかつお
最終試合にして初の赤身対決。

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見た目はとてもおしゃれ

勝負は…友人の選んだ ねぎとろの勝利!

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ねぎとろのディアボラ風(Win!)

  • ネギが増えただけかもしれない

かつおのディアボラ風(Lose!)

  • 味がかなり渋滞している
  • 薬味が多けりゃいいってもんじゃないんだな
  • かつお独特のにおいとけんかしているのでは

⇒赤身の魚とディアボラの相性はよくない…?

筆者の二勝で、和食部門も筆者の勝利である。僕はディアボラマスターになれるんじゃないだろうか。

それにしても「すしのディアボラ風」には大きな可能性を感じた。赤身のネタにはあまり合わなかったが、白身のさっぱりしたネタにはもってこいだ。ビジネスチャンスである。

さて最後はコンビニエンス部門の勝負が待っている。

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画変わりしないのでここらで一旦、最近降った雪の写真でもどうぞ
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③コンビニエンス部門 コンビニの食べ物

最後はコンビニの食べ物をディアボラ風にしたい。うまいこといけば、近所のコンビニがサイゼリヤになるということだ。腕が鳴る。

ぜひとも近所のコンビニをサイゼリヤにしたいので、コンビニの食べ物対決も三番勝負で行おうと思う。

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買い出しにいきました

ではいこう。コンビニ対決!第1戦は…

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筆者がドリア、友人が悪魔のおにぎりをチョイス。
ふたりとも、おもしろに走ってしまった感は否めない。

ドリアのディアボラ風悪魔のおにぎりのディアボラ風 の対決だ!

仮に「ミラノ風ドリアのディアボラ風」が美味しかったら、サイゼリヤ界のパラダイムシフトであろう。革命だ。そういう期待を込めて、ドリアを選んでみた。

友人も似たような発想で悪魔のおにぎりを選んでいる。
ディアボラ風イコール悪魔風であるので、「悪魔のおにぎりの悪魔風」なのである。頭痛が痛い。

「すぐおもしろに走ってしまうのはおもしろ演劇人の悪い癖だな」と言って友人と笑った。
(僕も友人も演劇サークルに所属しています)

さっそくディアボラ風ソースをかけてみた。

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なんかこういう料理ありそう! ドリアの見栄えもいいのでは。

この勝負の結果は…?

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友人の 悪魔のおにぎりのディアボラ風 の勝利!

勝負を決した要因はおそらく、ドリアのディアボラ風にある。

ドリアのディアボラ風(Lose!)

  • びっくりするほどドリアの味が勝つ
  • ディアボラ風ソースの味が、
    完全にドリアに吸収されていて、もはや具
  • ディアボラの「ディ」くらい
  • ディアボラ風としてのアイデンティティは
    完全に失われた
  • 玉ねぎの食感で自家製感は出る
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おいしいけどこれは具だ。

一方、悪魔のおにぎりはというと…。

悪魔のおにぎりのディアボラ風(Win!)

  • 頬張った瞬間はディアボラ風ソースの味が勝つ
  • 噛むごとに悪魔のおにぎりのだしのうま味が
    追いかけてきておもしろい
  • ディアボラはだしにも合うのか?
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頬張って、しばらくしてうまみが追いかけてきた

ディアボラ風のアイデンティティが生きていたのは、悪魔のおにぎりだった。
よって第1戦は、悪魔のおにぎりを選んだ友人の勝利!

続いて第2戦。戦うのは…

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筆者がえいひれ、友人がたこわさをチョイス。

えいひれのディアボラ風たこわさのディアボラ風だ。
コンビニおつまみ対決である。

えいひれも、たこわさも、割とストロングスタイルなおつまみであるが、おしゃれなディアボラ風にすることによって若者受けもよくなるのではないだろうか(美味しければ)

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ディアボラ風たこわさび

勝ったのは…

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友人の たこわさのディアボラ風 の勝利!

えいひれのディアボラ風(Lose!)

  • ディアボラ風ソースにディップして食べた
  • 乾きものの食感とソースの食感が相容れない
  • 筆者個人的には味は好き。
    やりようによってはもっとうまくなる
  • やりようを探すくらいなら七味マヨでいい
  • 擁護が必要な味(筆者だけが必死に擁護)
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ディップしていただいた

そして、たこわさのディアボラ風。

たこわさのディアボラ風(Win!)

  • ディアボラ風ソースをたっぷりかけると
    「こんな料理あったような」感
  • おいしい
  • おしゃれな味に変貌
  • ジェスチャーがでかくなる
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たこわさを解説するジェスチャー
(このとき何を話していたかはひとつも覚えてません)

というわけで第2戦も、たこわさを選んだ友人の勝利。
コンビニエンス部門は友人に軍配が上がった。

決着がついてしまったので、第3戦はダイジェストで。
チップスター 対 みそ汁の対決だ。

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筆者はチップスター、友人はみそ汁をチョイス。

勝負は味噌汁に軍配!

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みそ汁のディアボラ風(Win!)

  • だし感がいい
  • オニオンスープと言っては失礼だが、そんな感じ
  • シメというタイミングがよかったのかも

チップスターのディアボラ風(Lose!)

  • サワークリームオニオンの味
  • オニオンが実体化して贅沢感はある
  • ポテチ自体が湿気てしまうのが嫌かも

コンビニ対決は友人のストレート勝ちであった。

審査員要因で参加した友人に「おまえはディアボラを何もわかっちゃいないんだよ」とまで言われてしまった。天狗になっちゃいけないなあ。


「たいの握りのディアボラ風」がいちばんうまい

さまざまな食材にディアボラ風ソースをかけてみたわけだが、一番感動的な味だったのはたいの握りのディアボラ風だった。かなり垢抜けた味だった。

白身の寿司のディアボラ風はうまみ爆発の可能性をかなり感じた。
ディアボラ道を極めていきたい。

最後に、これまで食べたものを各々10点満点で採点してランキングにした表を載せておきます。
20点台は美味しかったもの、10点台は可能性を感じるもの、それ以下のものは別々に食べたほうがいいです。新たな知見を得ました。

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ところで、この記事にて登場した食材の経費は、「デイリーポータルZをはげます会」の皆さまの会費から出していただきました。ありがとうございます。
はげます会の皆さまもディアボラ道を極めていきましょう!

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