まとめ
道々で、商店街の人にこのニュースのことを聞いてみた。反応はこんな感じだった。
・特に連絡もないし、いまのところなんにもない
・ここって商店街だったんですね
・お客さんはとくに増えてないし、取材もとくにない
今のところは新しい商店街として整備が進んでいるわけでもないし、そうだろうなと思った。今後の変化を楽しみにしつつ、こんど大阪に行く機会があれば、天神橋筋商店街も歩いてみたい。
神社を過ぎてしばらくは、再びただの大通り沿いの風景が続く。その先にあるのが次なる商店街、一葉桜国際通り振興会だ。
地図で見ると、下の方に固まっているのがそうだ。鷲神社は地図の上の端で、そのあいだとくに商店はつながっていない。
商店街の中心には「セキネベーカリー」という素敵なパン屋さんがあった。中はお客さんがぎゅうぎゅうで、お腹も空いていたのでパンを買って公園ででも食べようと思った。
するとなんとイートインがあって、コーヒーなどと一緒にパンを食べれるようになっていた。最高である。
こどもたちからの「おいしいぱんありがとう」という寄せ書きがあり、地域な大切なパン屋であることが伝わってきた。
パン屋を出て少し行くと、いま歩いている国際通りのすぐ東側に「千束通り商店街」があった。
こちらはなんとアーケードつきで、商店街が連続していることが見た目にもとても分かりやすい。国際通りのほうも、日本一長いことをうたうならすぐ隣の千束通りくらいのことをやってもいいんじゃないか、と思ってしまった。
国際通りを南下して、大通り(言問通り)を超えると、浅草国際通り商店街連合会が連なっている。
地図を見てもわかるとおり、ここは「通りに沿って店舗が連続している」という、いわゆる商店街のイメージにこれまでで最も近いところだ。
とはいえ北から歩く限りはしばらくはただの大通りで、ゲートはないし、商店街の名前を示すものもない。
商店街らしくなるのは浅草の中心地に近づいてからで、そうするとアーケードがかかるようになる。
屋根がついたときの商店街らしさは半端ではない。そこが商店街であること、商店街が向こうまで連続していることがとても分かりやすい。どんなお店があるかなと楽しい気分になる。
TABI TO COFFEE というお店で、
いい香りのコーヒーとスイカの香りのコーヒーを飲んだ。うまい。
浅草より南を担うのは蔵前商店街だが、ここは通り沿いに連なるというよりは、エリア内に広がるような商店街になっている。
下のほうに散らばっているのが蔵前商店街だ。赤い線が国際通りで、浅草と蔵前の間は、すくなくとも商店街に属する店舗は途切れている。
風景もこんな感じ。
商店街ぽくなるのは蔵前の駅に近づいてからで、店も通り沿いというよりは路地に点在している。
もちろん、蔵前のお店がすべて蔵前商店街に属しているというわけではない。たとえば有名なチョコレート屋のダンデライオンは属していない。だから上の地図の印象よりは通り沿いに店舗がある。
国際通りはこの交差点で終わる。したがってあたらしくできた「東京国際通り振興会」もここで終わりとなる。
振り返ってみる。ここまで歩いてきた道のりの全体の地図はこんなだ。
三ノ輪周辺では、店舗は鷲神社付近に偏在していた。浅草では通り沿いに連なっていたが、実感するのはアーケードの下だけだった。蔵前周辺では、街全体に点在していた。
いまのところ、それぞれ性格の異なる商店街を名目上つなげたという印象だ。真に日本一長い商店街だということを誰もが納得するためには、冒頭に書いたような商店街らしさを連続させることが今後必要になるのだろう。
ところで、通り沿いに商店が連なる商店街はたしかに最も見慣れたものだが、しかしそれだけが商店街の形ではない。
一葉桜開運振興会のウェブサイトには、会長のあいさつが書かれている。長くなるが引用したい。
『私どもの振興会は、一般的な商店街のようにひとつの通りにある店舗の集まりではありません。あちらこちらに点在している、一軒しかないようなお店も含めて、みんなで一緒になってやっていこうと作った振興会です。
(中略)
私たちが催しを開催するなど一緒に活動することで、多くのお客様においでをいただき、地域全体が、ここに住まわれている方も含めて賑やかに、和やかになっていったらありがたいなと思っております。どうぞお出でをいただきたいと思います。よろしくお願いします。』
(一葉桜開運振興会「会長あいさつ」より)
いい文章である。一般的な商店街ではないけれども、地域の中で人々と一緒にやっていきたい、お店に来てくださいと切実に書いている。本当のところはこれに尽きると思うのだ。
道々で、商店街の人にこのニュースのことを聞いてみた。反応はこんな感じだった。
・特に連絡もないし、いまのところなんにもない
・ここって商店街だったんですね
・お客さんはとくに増えてないし、取材もとくにない
今のところは新しい商店街として整備が進んでいるわけでもないし、そうだろうなと思った。今後の変化を楽しみにしつつ、こんど大阪に行く機会があれば、天神橋筋商店街も歩いてみたい。
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