コーラ味の飲み物を作れる駄菓子でもやってみた
このあと、別の場所で、ラムネのようなタブレット菓子をコップに入れて、水と混ぜたらコーラができる駄菓子を名水で試した。
「ねるねるねるね」というお菓子がある。知育菓子というもので、粉を混ぜると色が変わるという化学のアルカリ性や酸性の変化を勉強しながらおいしくお菓子を食べられるというものである。
このお菓子は水を使うのだが、水がおいしければよりおいしくなるのだろうか。きっとなる。そう信じて岐阜に行った。
子どもの頃に食べたひとも多いと思う。親と買い物に行き、かごに入れたら怒られた記憶がある。たぶん、何か悪い食べ物だと思われていたのだろう。あまり買ってもらえなかった。
なので、買ってもらえたときにはとてもうれしくて家に早く帰りたかった。そして作ると、色の変化に興奮をし、食べるとシュワシュワするこのお菓子にとてもわくわくが止まらなかった。最近、エスカレーターでいちゃいちゃする高校生を見たときもそんな感じです。青春。
子どもの頃は水道水で作っていたが、これをおいしいと言われる水で作ったらおいしくなるのか。
おいしい水でお米を炊いたら、おいしくなったりするだろう。あれと同じだ。
今改めて食べてみたら、化学の味がする。学校の授業で食べてみてもいいと思う。アルカリ性の色の変化って間違えやすいから、食べて覚えられる。これで理科は100点。
岐阜県は名水の町で、多くのところでおいしい水がくめる場所がある。どこに行こうか考えていたが、滝を発見した。その名は養老の滝。
居酒屋で養老乃瀧というお店がある。シメの牛丼がおいしいお店だ。そのお店の由来となったのが養老の滝だ。「養老の滝は居酒屋だけじゃない」の記事でデイリーでも来ていた。
なぜ、由来になったのか。それは養老の滝に伝わる伝説が元となっている。
サイトによると「父親に一度でいいから存分に酒を飲ませてやりたいと願う息子は、山に薪を拾いに行ったある日、養老の滝を見つけます。その滝の水は、かつて飲んだことがないほどおいしい酒で、持ち帰って父親に飲ませると、みるみるうちに元気になった」というのが由来で、飲むと長生きすると言われている。
その水を求めて滝に向かった。これを飲んで1000年生きようと思う。今後はファンタジーの世界に出てくる長寿で何でも知っている長老的なキャラになりたいと思ってます。
バスに乗り、数分で駅と滝の中間地点まできた。ここからは歩いて向かう。歩いて20分ほどらしい。
近くのお店で聞いたらお寺だった。怒られる場所じゃないらしい。怒られたくないもんな。
地元の名物として地サイダーを多く見かけるが、日本で最初のサイダーなんて見たことがない。これは飲むしかない。
養老サイダーは、工場の老朽化・従業員の高齢化等の理由から2000年に製造終了したが、復活してほしいという熱いファンたちの声で2013年に復活。地元の人や観光客に愛される飲み物となった。
のどをうるおしたところで養老の滝へ向かう。水は滝のところで手に入れようと思った。たぶん、近くに水をくめる場所があるようだ。
あるようだというのは、ネットで見てもわからなかったからだ。こういうのはさ、現地で確認することが大事だから。なかったら、滝の水を直接飲もうと思います。
いやしの道と書いたが、実際は息は荒く、汗はだらだらで必死に登っている。目だけがいやされている。
しばらくすると滝っぽいのが見えた。あれか?
ゴールかと思って浮き足っていたが、誰もみていないし、先に道があったので違った。
写真を撮っている人も多く、これが養老の滝のようだ。でも、滝まで遠い。ネットで見たのはもっと近かったが、遠くなったのか。
近くまで行けるようだった。ただ、階段がある。もう階段はいいと思っていたところだったので、魔法でエスカレーターにしようと思ったが、そんなことできないので階段を上っていく。今、皆さんが思っている10倍疲れています。
これが養老の滝か。日本の滝100選にも選ばれただけあって迫力がある。ごうごうと音をたて流れ落ちる滝、そして緑の風景、透き通った水、ずっと見ていられる。
この水を飲めば長生きするのか。ねるねるねるねをこれで作る。
でも、誰もくんでいる人がいない。観光客はたくさんいるのに誰もくんでいないのだ。あれか、ただの伝説で実際にはくめない水の名所か。
透き通ってとてもきれいな水ではあるが、直接飲んでいる人がいない。覚悟を決めて飲んでしまおうかと思ったが怖いのでちょっと社内に帰って検討させてください。
滝の近くにあるお店でフランクフルトを食べることにした。フランク好きの人がおいしいと言ったフランクフルトである。フランク好きってはじめて聞いた言葉だ。
おいしいフランクフルトを食べて満足して帰ろうと思ったが、あれだ水のことを聞きたい。
聞いたところ「下の方にある神社のところで水をくめますよ」と言われた。
今のところ、サイダーを飲んで、滝を見て、フランクフルトを食べるという観光みたいなことしかしてない。有意義な旅をしている。
先ほどとは違うルートで下りてくると養老神社を見つけることができた。そこで水がくめるらしい。どこにあるのかと探すと階段の横に看板が立っていた。そこには水が流れている。
ここのようだが、誰も水をくんでおらず、くめるような場所がない。もしかしたら神社内にあるのかと思い、階段で上へ向かう。
水がわきでている。ここのようだ。近くには水がくめそうな場所もあった。ここか。
くめそうな場所である。くめそうな場所ではあるが、コケや藻みたいなのがすごくある。これ、本当に飲めるか? 水の名所が不安をあおってくる。誰かくみに来てくれ。そしたら安心してゴクゴク飲むから。
この水を使ってねるねるねるねを作ろう。大自然に囲まれてねるねるねるねを作るなんてはじめての経験だ。メーカーの人もやったことないと思うのでかたずを飲んで見守っていると思う。
さっそく作って行こう。子どもの頃ぶりだな作るの。(本当はどんな味が知りたくて養老の滝に来る前に作って食べた。)
袋が3つ入っている。この袋を容器に入れて水を入れてねる。子どもの頃はこの作業も楽しかった。
こういう作業、大人でもやるなと思って考えたが、あれだお好み焼きを作っているときにこんな作業あるな。ソースとマヨネーズをこれでもかとかけた食べたい。
空きのペットボトルをかばんに入れたつもりだったが、ホテルに忘れてきてしまったので、付属のスプーンに直接くむことにした。
勢いよく流れる水を小さなスプーンではくむことができない。人間の無力さを感じる。気合いでなんとか水をスプーンに入れて、
色が変わる瞬間、子どもだったら興奮をするだろう。大人でも興奮する。あと、くみ取り場所で(これは本当に飲んでいいのか)と思いながら水を飲んでいたら、その様子を見ていた大人たちがこぞって飲み始めて(みんな、お腹よ無事であれ)と願った。平和の願い。
苦労をしたが、なんとか完成したおいしい水のねるねるねるね。果たしてどんな味か。おいしくなっていてくれ。
水のやわらかさとか口当たりの良さとか、そういうのが全てケミカルな味に飲み込まれて、家で食べたときと同じねるねるねるねがいた。 もしかしたら、ソムリエみたいな味に繊細な人ならわかるかもしれないが、自分にはわからない。
近くを通った人に「このねるねるねるねを食べてみてください」と言おうか迷ったが、そんな人あやしすぎるので帰った。
でも、こういうのはさ、結果じゃなくてやり遂げたという気持ちが大切だから。
このあと、別の場所で、ラムネのようなタブレット菓子をコップに入れて、水と混ぜたらコーラができる駄菓子を名水で試した。
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