特集 2024年6月5日

練リーヴルスト選手権

11種類を一気に食べ比べます

さてここからは、11種類の具材の感想を一気にご紹介していきましょう。

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ギョニソヴルスト

まずは今回の選手権開催の発端となった「魚肉ソーセージ」から。

うんうん、やっぱりうまいですね。皮目の焦げた香ばしさとケチャップカレー味が相性抜群で、どこかジャンクな甘みと、むちむち食感もいい。そして、見た目は近いのにソーセージとはあきらかに味わいの方向性が異なる違和感も楽しい。

おつまみとして、ありだと思います。

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ちくわヴルスト

続いては「ちくわ」。

おぉ、穴が空いている形状独特のぷりっとした食感が軽快だな〜。やっぱりちくわって優秀な食材ですね。

ただ、独特の魚肉風味の主張がギョニソよりも強く、そこにちょっと違和感があるかもしれない。

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ちくわぶルスト

ひとつ前の「ちくわヴルスト」とややこしいですが、「ちくわぶ」です。

僕はちくわぶって、おでんだねのなかでも1、2位を争うほどに好きなんですが、ここでも実力を発揮している! っていうかまぁ、原材料が小麦粉で味にクセがないから合うに決まってるんだけど。

もちもちとして香ばしい、うどんのようなパスタのような。食べたことがあるようでないような不思議な一品。うまいですよ、これは!

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笹かまヴルスト

「笹かまぼこ」は、あれ? ちくわに近い印象になるかと思いきや、味があっさりしているからか、ほぼ違和感がないです。あと、食感が意外にも本家のソーセージに近めかもしれない。

冷蔵庫にあまった笹かまがあったら、思い切ってヴルストしてしまうの、超ありですね。ただ、これまでの人生であんまり、冷蔵庫に笹かまがあまっていたことがないんですが。

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なるとヴルスト

「なると」。これもいい! まったく文句のつけようがない。けれども、逆に個性が薄く、ならばさっきの笹かまのほうがヴルす意味が大きいのかもしれません。

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さつまヴルスト

「さつまあげ」は、魚肉練り製品のなかでもひときわ味が強いですね。そのことを今回の検証で思い知らされました。すべてを同じように味つけしたのに、これはまだまだ、ケチャップ&カレー風味のさつまあげだ!

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つみれヴルスト

「つみれ」は、あ〜……これは……美味しくないとは言いきれないギリギリのレベルと言うんでしょうか。独特の魚風味が強すぎ、ヴル味とはあまり相性が良くないかも。

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がんもヴルスト

大好物のひとつ「がんも」。これまたぜんぜん食べられるんですが、がんもってこんなにもしっかりと和風味だったんだっていうことを教えてくれる側面もありますね。

噛んでいるとどんどん、ヴルストだった第一印象から、和風の本性を現してくる感じ。つまり、融合とまではいっていない。

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はんぺんヴルスト

「はんぺん」は、あー、うまいっすね! なんの違和感もない。それに、熱を加えたことによるふわりととろける食感がいい。これ、お子さんのおかずのバリエーションにもありなんじゃないでしょうか?

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かにかまヴルスト

今回の食材のなかで唯一、すっかりほぐれて原型がなくなってしまった「かにかま」。しかしながら、これがうまい!

もう一歩工夫すれば、もうこういうおつまみがあっていいんじゃないかっていう。可能性感じます。

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こんにゃくヴルスト

最後は「こんにゃく」。いや〜、食べものを食べてこんなにこう、「感動した」とか「興奮した」とかではなく、「なごんだ」のは初めての経験かもしれません。

口に入れた瞬間は当然、カリーヴルスト味なんですよ。ところが一瞬でその化けの皮がはがれ、ただの温めこんにゃくに戻ってしまう。「お前、こんにゃくだろう! その程度の変装でばれないとでも思ったのか!」って感じ。かわいいやつだなぁ。

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今回の結果をふまえた新レシピ

と、以上が今回の検証の結果でした。

印象に残るくらい良く合ったのが、ちくわぶ、はんぺん、笹かまあたり。そして大穴というか、今後化ける可能性をもっとも感じたのが、かにかまという結果でしょうか。

さて、それをふまえて最後におまけというか、これはいいおつまみになるに違いない! というレシピをひとつ思いつきました。

ちょっと作ってみますね。といっても手順は簡単で、スライスしたちくわぶとかにかまをそれぞれ適量、フライパンで炒めて、

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なんだかかわいい

あとはヴルストしてあげるだけ。

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「ちくわぶルスト feat.かにかま」

当初のカリーヴルストから紆余曲折を経すぎて得体のしれない料理とはなっておりますが、予想通り、間違いない美味しさでした。


以上のようなことを、感じたり、気づいたりした今回の選手権。

それを受けて、今僕がいちばん感じていることを発表させてもらうならば、ちくわぶ×かにかまの組み合わせ、いろんなパスタ味で食べてみたらおもしろいんじゃないの? っていうかもはや、パスタなんじゃないの? ということ。

「ちくわぶとかにかまのペペロンチーノ」とか「ちくわぶとかにかまのナポリタン」とか「ちくわぶとかにかまのカルボナーラ」とか、美味しそうじゃないですか? というわけで、いつかそちらの検証でも、またお会いしましょう。

それと最後にもうひとつ。今回の記事で途中から、「ヴルストする」「ヴルす」などという言葉を勝手に使ってしまっていましたが、カリーヴルストの「ヴルスト」とは、ドイツ語で「ソーセージ」を意味しますので、ご注意あれ。

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